2008年12月31日水曜日

宇宙の永劫回帰?

Did our cosmos exist before the big bang?
 年の変わり目にふさわしいものを読みました。:-)

Russia's Name

St. Alexander Nevsky Ranked Russia's Most Significant Historical Figure
 2位がPyotr Stolypinで3位がJoseph Stalin。4・5位にAlexander PushkinとFyodor Dostoevskyが並ぶ他はベストテンにずらりと政治的支配者の名前が並ぶ。
 高度な教育を受けた者なら最初からバカにしてこんな投票には参加しないだろうからその点は割引して考えねばならないが、それにしても驚くべき結果である。戦後日本の民主主義教育で育った私などには想像しがたい意識である。
 最近のロシアの国粋主義化と関係があるのかもしれない。年度別の変化を知りたいものだ。

2008年12月29日月曜日

gigapedia

gigapedia.org
 勉強への熱意と経済的不如意を十分に兼ね備えていると自負する者たちに強くお勧めする。本当にすばらしいサイトだ。運営者たちに感謝したい。しかしここもいつ消えて/消されてしまうか誰にも分からない。急いだほうがいい。

2008年12月27日土曜日

「血液型は何/何型ですか?」

Typecast - Japan's obsession with blood groups
 なぜこのやり取りが初級の日本語教科書に入っていないんだろう?知り合ってから、少し仲よくなり始めた若者たちが必ずと言っていいほど交わす会話なのに。
 日本人と付き合う(予定の)学生諸君はこの会話を覚えてくださいね。でも、血液型を聞かれてもすぐに回答を提供してはいけませんよ。それでは会話が死んでしまいます。コツはニコニコしながら「何型だと思います?」、です。XD

アイデンティティ問題

Islamic Revival Tests Bosnia’s Secular Cast
「神」と「民族」。この二つの幻想が国内外の政治的利害対立と連動して、悲劇を生む。トルコの状況が懸念される中、ボスニアでも再び同様の危機が訪れようとしているようだ。この問題は隣国だけのものではない。ここブルガリアでもそのウィルスは深く静かに増殖を続けていると私は考えている。

Jennifer Haigh

Broken Star
 佳編。

2008年12月25日木曜日

きょうのLiaison

『花と爆弾』挿絵原画展

例外状態

"From this perspective, what is happening in ex-Yugoslavia and, more generally, what is happening in the processes of dissolution of traditional State organisms in Eastern Europe should be viewed not as a reemergence of the natural state of struggle of all against all-which functions as a prelude to new social contracts and new national and State localizations--but rather as the coming to light of the state of exception as the permanent structure of juridico-political de-localization and dis-location." (Homo Sacer)
 Giorgio AgambenのいうEastern Europeに1989以後の東欧諸国も含まれるとすれば、少し異なった視点からこれらの諸国を見たほうがいいのかもしれない。これはこれまでまったく思いつかなかった。
 来年は「革命」20周年である。

世論

 というよりも、その多くはその時その時の人々の感情とでも言ったほうがいいのだろう。しかし、その底により深い潮流の変化が起きていることもある。その見極めが難しい。
Ties with U.S. shaky, record-high 28% say

MANEA, Norman

A Lasting Poison
この人はルーマニア人だが、ブルガリアにもこういう普遍性を持つ、英語で書く人が増えてきてほしい。

2008年12月24日水曜日

「クリスマス・イヴ」

 キリスト教徒にとっては大事な日だが、僕には全く無関係の、たくさん勉強できる「休みの日」に過ぎない。
 いろいろな人からメールももらった。それぞれにそれぞれの人生があり、それぞれにそれぞれの12月24日がある。
 いろいろなことを考えさせてくれる日ではあった。

教えることと学ぶこと

「狩野芳涯《かのうはうがい》常に諸弟子《しよていし》に教へて曰《いはく》、「画《ぐわ》の神理、唯当《まさ》に悟得《ごとく》すべきのみ。師授によるべからず」と。一日芳涯病んで臥《ふ》す。偶《たまたま》白雨天を傾けて来り、深巷《しんかう》寂《せき》として行人《かうじん》を絶つ。師弟共に黙して雨声《うせい》を聴《き》くもの多時、忽ち一人《いちにん》あり。高歌して門外を過ぐ。芳涯|莞爾《くわんじ》として、諸弟子を顧みて曰、「会《ゑ》せりや」と。」(芥川龍之介「骨董羹」1920、より)
 芳涯の問いはほとんどの「弟子」には理解されなかったと推察する。それが分かるぐらいの者ならいつまでも誰かから「教えてもらって」などはいない。

2008年12月23日火曜日

Coathanger!

Collinder 399: The Coat Hanger
Credit & Copyright: Processing - Noel Carboni, Imaging - Greg Parker, New Forest Observatory(写真クリックで拡大)
 ハンガー。ははは。なるほどね。

きょうのLiaison

スケジュール帳

社会変革

In parts of Eastern Europe, mentally ill kept under wraps
 このようにジャーナリズムが頑張って声なき声を一つ一つ掬い上げていくことを通して社会は変わってゆく。一歩一歩地道にやっていくことが長い眼で見ると結局は早道なのだと思う。

Polly Toynbee

My Christmas message? There's probably no God
 12月23日のフロントページに彼女の記事を掲載するというのがGuardianのGuardianたる所以であろう。

日本における英語教育

高校指導要領―英語で授業…really?
 私ももう40年近く英語に触れ続けているのに「読み書きはともかく、とんと話せるようにならない。」
 英語帝国主義とか沈黙は金とかぐずぐず言っているうちに、世界は誰もが自分のアクセントを気にせず言いたいことを自由にしゃべるという段階にまで至ってしまっている。それが現実だ。100年後の日本株式会社の命運を左右する鍵の一つが英語であることは言うまでもないことだ。国家として生き残りたければ、英語で自己表現できる国になるべきだ。文部科学省は国益のために動く。「現場」に任せておいても一向に事態が改善しないという彼らのイライラもよく分かる。自分たちができないのは自分たちのせいではなく○○のせいだ、と言いたがるのも人情だ。
 結論だけ言えば、小手先でいくらコチョコチョやっても無駄である。すべての関与者が混乱して疲弊するだけだ。教員養成の段階から構造的に変えていくしかない。構造改革を今すぐ始めたとして、勝負は教員がすべて入れ替わる40年後である。

マグマとの初接触

"First Contact With Inner Earth": Drillers Strike Magma
 これは重要な一歩だ。

2008年12月22日月曜日

lila joy´s `bla bla´ area

You know you are Bulgarian when...
 これ、最高!

凍りつく静寂

Labtayt Sulci on Saturn's Enceladus
Credit: Cassini Imaging Team, SSI, JPL, ESA, NASA(写真クリックで拡大)
ずっと読んでくださっている方は気づいていらっしゃると思うが、僕はEnceladusが好きである。

きょうのLiaison

年末年始営業日のおしらせ

景気停滞

Bulgaria, Romania demand strong in Q3, outlook grim
 ここのところ経済成長を謳歌していた両国にも、何ヶ月か遅れて、深刻な事態が訪れようとしている。
 順調な航海を続けている時の操舵は素人にでもできる。問題は嵐に見舞われた時の舵取りだ。

西田幾多郎「世界新秩序の原理」(1943)

 デカルトの「神」、ハイデガーのナチズム、西田のファシズム、etc。かくまでに鋭敏な知性が、なぜかくまでに致命的な誤謬を犯すのか。
 「時代性」という言い訳が哲学にもなされるのなら、哲学と他の学問領域を区別する根拠は極めて薄弱なものとなってしまう。

大統領

Bulgaria President Lights First Hanukkah Candle at Sofia Synagogue
 Георги Седефчов Първанов。物事の本質を見抜く力を持った男だと思う。私が彼に対し「孤峰」というイメージを抱くのもその辺りに理由があるのかもしれない。
 引退後、真に孤峰となった時にでも、いつかゆっくり話を聞きたい人物である。

2008年12月21日日曜日

ヒトにとって音楽とは何か。

Why music?
 面白い記事だった。様々なことを考えた。
 ここでは一つだけ。実は日本人は実に音楽好きである、というよりも歌うことが好きである。意外に思われるかもしれないが、日本人は実によく歌う。僕のような人間でさえ1時間ぐらいならぶっ続けで歌うことも平気である。これも面白い現象だと思う。

加盟2年後のブルガリア国民のEU市民意識

Europe Economy: Bulgarians less optimistic two years after EU membership: poll
 ブルガリアに暮らして1年半、EU国だと一番感じるのが通貨Levaと€間が固定相場だという事実だということが、すべてを物語る。

2008年12月20日土曜日

日本の戦争犯罪

Japan Admits World War II Prisoners Worked at a Mine Owned by the Premier’s Family
 さてこれを契機に日本は正常な歴史意識を持った国家に生まれ変わる道を歩むことができるか。

Solstice at Newgrange

Credit: Photograph by Cyril Byrne - courtesy of The Irish Times(写真クリックで拡大)
 約5000年前に作られたアイルランドのNewgrange。至の朝日が18メートル奥まで差し込むように設計されている。

きょうのLiaison

華空 ミツ 蜜

エイドスとヒュレー

「甘い」・・・εἶδος?
「甘さ」・・・εἶδοςの程度?
「甘み」・・・ύλη?

2008年12月19日金曜日

倹約の美徳

 Frugality: an everyday companion as recession hits Japan
この記者の歴史・文化的知識はお粗末なもののようで現在の経済停滞を唯一の原因であるかのように書いているが、勿論そうではない。日本の歴史において庶民の間で奢侈が流行した期間(最近ではバブル期)はいずれも短く、基本的にあの社会では倹約を美徳とする伝統が息づいている。「お金持ち」という言葉が多かれ少なかれ軽蔑的な含意をもつ社会。この点でも日本は面白い研究対象だと思う。

ええ???

Japan supports Bulgarian community in Serbian town

Ingo Schulze

Estonia, Out in the Country
 これといってそのよさを特定することは、読み終えたばかりのいまの私にはできないのだが、もう少し他の作品も読んでみたくなる作家である。

 今日は、生きていれば父の81歳の誕生日であった。
 最近父の夢をよく見る。まさか私にもお迎えが近づいているとは思いたくはないが、夢の中では彼は、半身不随で言葉もままならぬ状態になる前の、元気な姿でよくしゃべっている。
 私には如何ともし難く父に似た部分がある。それはそれで致し方ないとして、どうしてもあのようには生きたくないと思った部分で、かつ努力によって克服できるのはないかと思えるところとがあった。若い頃の私はそこを乗り越えようと苦闘した。
 私が曲がりなりにもいま何とか生きているのは、その父の負の部分のおかけでもあると言える。

三匹の子犬

 学生諸君のメールによれば、今朝、寮の前に三匹のかわいい子犬がくっついて寝ていたようだ。:-)

歎異抄

 「念仏はまことに浄土に生るゝ種にてやはんべるらん、また地獄に堕《お》つべき業にてやはんべるらん、総じてもて存知せざるなり」

虞美人草(1907)

 藤尾の虜にならずにすんだ若者がいるか。102年。藤尾は永遠である。

2008年12月18日木曜日

心身問題

 CHANGING LIFESTYLE CHANGES GENE EXPRESSION
 そもそもこういう説明の仕方をしなければならない、ということ自体が僕には面白い。デカルト問題はそもそもインド以西には存在しないということなのだろうか。そこは絶対神が必要とされない地域でもある。極めて興味深い問題である。

Oily Boy

Fashion Guidance for Aging Japanese Lads
 私はこの編集者たちとぴったり同世代である。すぐ前の世代よりも自由で、すぐ後の世代ほどバカではないと自負する世代である。
 しかし私はPOPEYEは手にとってみたことさえない。
"Unleash yourself. Be free. Do what you want to do."
 同感だ。しかし私は消費の誘惑には乗らない。

2008年12月16日火曜日

時空を超えて

Orion Dawn Over Mount Nemrut
Credit & Copyright: Tunç Tezel (TWAN)(写真クリックで拡大)
 僕が一番心惹かれる類の写真。悠久の時。無限の空間。

きょうのLiaison

手編みレッグウォーマー

ミス

Chinese 'classical poem' was brothel ad
 Max Planck研究所ともあろうものが、であろうが、しかしそれは彼ら自身がは恥ずかしく思えばいいだけの話だ。誰にでもそんな誤りはある。自分のミスが笑われた時にも一緒になって自己を笑うことのできる者だけに人の誤りをも笑う資格がある。

イスラエル、Richard Falk教授の入国を拒否

Israel bars critical UN human rights official
 彼の言説は国際法学者の中では「やや左」といった程度で僕から見れば穏健なものだ。言論に対しては言論で戦うべきで、イスラエルはまた失策を犯した。

2008年12月15日月曜日

Dimitur tovari gimiya-Vulkana Stoyanova

Dimitur tovari gimiya-Vulkana Stoyanova(From “Song of the crooked dance:Early traditionnal bulgarian music”)
 2年ほど前にも他の曲を紹介したが、私はこういうブルガリアの古い旋律に心惹かれる。これはユーラシア大陸を横断してはるか彼方の日本列島にまで通底する古層であるように思うのである。

きょうのLiaision

インドガラスビーズのストラップ

有罪

"Guilt refers not to transgression, that is, to the determination of the licit and the illicit, but to the pure force of the law, to the law's simple reference to something." (Giorgio Agamben, Homo Sacer)
 Agambenも他の箇所で示唆する通り法と言語は通底するところが多い。言語も規則の束という意味で法だから当然である。引用した箇所は、言語使用の過誤がなぜ単なる誤りとして捉えられずに、その言語(の主権/価値)自体への攻撃であるかのように捉えられることがあるかという問いに対する回答としても有効である。

Save the Children

Japan tops child development poll
 こういう数字の類に一喜一憂する考え方を改めるためには、Save the Childrenにしても、言葉だけではなく、途上国の子どもたちへの支援をどれだけ行っているかという指標もランキング計算に含めるなどの工夫をしてランキング上位国に強いプレッシャーをかけ続けることも必要だと思う。

「冷たい」ということ

Bulgaria and beyond
 笑ってしまった。
 私の経験ではトルコ人を冷たいと考えるブルガリア人も結構いる。日本人も、聞いていたのと違ってずいぶん冷たい人もいるんだな、と私と「出会ってしまった」ブルガリアの人たちは思っているに違いない。ブルガリアの人たちにしても、僕からすれば、温かいなあと思うことも多い反面、恐ろしく冷たいなあと感じることも多い。
 文化というものが深く関わるという意味で「冷たい」という概念はこと対人関係においてはとても面白い概念だと思うが、これまであまり考えたことはなかった。これからは少しずつ考えて行こうと思う。

Brain Drain

Only High Pay Can Bring Bulgarian Emigrants Back Home
 すべての大学の4年分の卒業者数に匹敵する数の熟練労働者が国外で働いている。。。これでは、社会の知的水準を上げようにもどだい無理というものだ。もう少しの辛抱である。

2008年12月14日日曜日

the constitutive excess of the signifier over the signified

"there is always a lack of equivalence between the two, which is resolvable for a divine intellect alone, and which results in the existence of a superabundance of the signifier over the signifieds on which it rests" (Claude Lévi-Strauss, Introduction à Mauss, p. xlix)

きょうのLiaison

クリスマスプレゼントfrom Liaison

5,000語到達

 おかげさまで、『ブルガリア語-日本語-ブルガリア語フリー・オンライン辞典』の見出し語数が5,000を超えました。
 記念すべき5001語目はтоксичен(有毒の・中毒性の)でした。XD

Penguin Cafe Orchestra

Beethovenで疲れた時の息抜き、もう一つ。
Penguin Cafe Orchestra
クラシックはちょっと、という方にもお勧めです。

2008年12月12日金曜日

誰に仕事を与えるか。

Most Likely to Succeed
 内容自体(分かる奴には既に気づいていることばかり、分からない奴には何のことかさえ分からないことばかり、という取り付く島もないようなテ-マ)よりも、今は別の点について書きたい。
 Malcolm Gladwellに関しては評価の分かれる点もあるようだが、しかしすぐれた書き手であることはこの文章からも分かる。
 すぐれた書き手・文章には大別して2種類あると思う。まず、読者の既に知っていることは全体の5%しかなく、残りの95%を読者の知らないことを教えることに費やすタイプ。研究論文がその典型。そうでない論文はそもそも論文ではない。もう一つはその逆のタイプ。Gladwellは後者である。この記事の場合は内容の95%は私はよく知っている。珍しい話でもなんでもない。しかし5%という小さな部分でうまくそれらを連関させ、最後にこちらをもう一度スタートラインに、或いはもう一つ異なった次元に放り出して、突然、終わる。読者が既に知っていると思い込んでいたことは実は全然分かってはいなかったのだ、と読者を突き放し、読者に今度は自分の力だけで問題を掘り下げてゆくよう要求し、はい終わり。
 いい文章には2種類あるが、高等教育におけるいい教師には後者のタイプしかないと思う。なぜなら前者のタイプの教師と付き合うぐらいなら、書物を読んだほうがあらゆる意味で意義があるからだ。
 Malcolm Gladwellはいい教師でもある。

García Márquez is writing new novel?!

Magical and real: García Márquez is writing new novel, says friend
 待ち遠しいねえ。

きょうのLiaison

ガザ封鎖の解除を求める署名をよびかけます
世界人権宣言

これも面白そう。。。

Unraveling a 15th-Century Whodunit

Zhang Huan

Made in China
 このような荒々しい、ある意味では下品で野蛮な表現はもう日本からは消えた。個人的にももう好感は持てなくなった。それがいいことなのかどうかは分からない。

ブルガリア人意識調査

22% of Bulgarians Feel They Belong to Europe
 どの数値も私の印象と一致する。しかしサンプル数1600は少なすぎる。これではデータとして使えない。

「日本株式会社」

Japan harnesses commuters' stamping for power
Japan learns from history: Focus on the future
 Corporate Japanという言葉ももう何十年も前から使われている言葉だが、法人「日本」とは言い得て妙である。日本というところには社会全体が企業・法人のように動いているところがある。東京駅の改札付近ではそのアイデアを知った通学生徒たちが何十人も「その場足踏み」をして発電に協力しているであろうし、これだけ非正規雇用者がクビになっているのに暴動はおろかストさえ起きないのは、どこかで法人「日本」内の配置転換(有給部署から無給部署へ!)のような感覚が解雇された当事者たちにもあるのではないかとさえ思わせる。
 1990年代の「失われた10年」でいやというほど学習した日本が現在着々と進めている先行投資状況を見ていると、今から10年後、恐らくあの国は再びJapan as No.1の称号を取り戻すと思う。
 しかし、この小さくなった地球で「一人勝ち」は物理的にも不可能になったし、またこの「法人」の中に生きる人々が果たして幸せな人生を送るか、ということになると、それはまた別問題である。

2008年12月10日水曜日

きょうのLiaison

Mithila Art Calendar 2009

世界人権宣言

 ちょうど60年前の今日、宣言された。
 もう60年、ではない。まだ60年、である。
 人間という奴は、そんなに短い期間ではこれっぽっちも成長しないもののようである。

2008年12月8日月曜日

「学生の日」

 Gotse Delchevの山小屋で一泊合宿。
 「学生の力」を見せていただいた。特にMartiを筆頭としたリーダーたちの献身ぶりに心を打たれた。役割分担などを整備してさらに組織力を高めることができるようになれば、教師たちはおろかすぐ上の先輩たちをも凌駕する粒ぞろいの人物たちに育つ可能性を秘めた者たちである。
 「子どもとは遊ばない」と冷たい態度を取り続けてきた私の見方を変えてみせた彼らに対し敬意を表する。次の機会にはぜひ私が土下座して謝罪するほどのものを見せて、国境を越えて活躍できる逸材ぞろいであることを証明してほしい。

きょうのLiaison

1208
12月のフェルデンクライス メソッド
華空 ミツ 蜜

2008年12月7日日曜日

常用漢字

常用漢字 IT時代踏まえ議論深めよ(12月7日付・読売社説)
 日本語教師のくせに、と言われるだろうが、実は僕は上のような議論はあまり本質的な議論ではないと思っている。
 近いところでは電子技術の発展、より大きな枠組みでいえば「啓蒙時代」の終焉により、「漢字が書ける/をたくさん知っている」が「教養」の重要な要素の一つであった時代は完全に息の根を止められた。この惑星の上では、そんなことよりひらがな、あるいは日常語ばかりでもいいから、さらに言えばどんな言語でもいいから、とにかく意味のあることを言え/書け、という時代になりつつあると思う。
 ・・・
 実はいま上に長々と漢字・文字・「教養」・教育・文化などに関して駄弁を弄していたのであるがすべて削除した。僕はときどき下らぬことで長々としゃべり続ける悪い癖がある。
 結論だけ書く。
 国籍を問わず日本語を使う/学ぶ人に多く認められる最大の欠点は、表層の知識にのみ囚われていて、そこからより基底的な地層へ掘り下げてゆくという永遠に終わることのない運動にまで入っていく余裕がない/ができない/が存在することさえ知らない、ことである。そこから脱却したければ「文化」と「記号」とを分けて考える思考を導入するしかない。簡単に言えば、漢字を含む「文化」はそれとして大切に護ればよろしい。しかしそれ以外の領域においてはあらゆる文字を「記号」として扱い、より本質的な諸問題に関してより深みへと掘り返して思考し感じることのできる子どもを育てるべきだ、ということである。

2008年12月6日土曜日

きょうのLiaison

トウフクロ2009Calender
はからめ 月のカレンダー

スイスでの「スキー」の思い出

 36 hours in Zermatt, Switzerland
 これを読んで思い出した。
 29年前、デンマーク留学も終わりに近づいた2月。留学中少しずつ貯めた10万円程度でひと月ヨーロッパを回った。Bernの友人のところに寄ったときのこと。「ちょうどスキーに行こうと思っていたところだ。お前の腕前はどれぐらいだ。」「そうだな。中級の下といったところかな。」「それならいい所がある。そこに行こう。」、というわけで、出かけた。
 山の名は覚えていない。標高2999メートルだったということと、生まれて初めて雪崩というものを見て空恐ろしくなったことを覚えている。
 標高差約2000メートルを一気に滑り降りる。途中で休憩しながら2、3時間かけてゆっくり下まで行くから大丈夫、と彼は言う。
 滑降開始。
 。。。
 もちろん結果は言うまでもない。日本の優しいゲレンデの「中級」はアルプスの「中級」と同義ではないということが骨身に沁みてよく分かったという結果しか残らなかった。
 しかし、アルプスでは極めて珍しいという360度雲一つない真っ青な空の現実感の乏しい美しさも、隣接するアイガー、ユングフラウなどの名だたる山々の頂上を手の届きそうな距離に感じた興奮も、これは死ぬまで忘れない。
 Jürg Born。Social Workerを目指すと言っていた彼はいまどうしているだろうか。

加藤周一逝く

 加藤周一が亡くなった。戦後日本の民主主義のオピニオン・リーダーの一人として極めて重要な人物であった。高度な理論にとどまることなく市民との対話を常に心がけていた人でもあった。今も彼の声や話しぶりは私の耳にも残っている。
 ご冥福をお祈りする。

異文化不適応

 異文化間心理学はそれもプロセスの一つだと教える。乗り越える者は乗り越える、そのための方法はこれこれだ、と。
 しかし、その渦中にある者にはそれらは所詮ことばでしかない。当事者たちが苦しんでいるのは実存のレヴェルだ。
 これは結構タフなものである。

2008年12月5日金曜日

クラスター爆弾

 東京新聞も社説で取り上げた。
集束爆弾禁止 この流れ定着させたい

坊主頭

 頭を剃った。
 京教大時代(の前半)の僕を知る人にはああ、あのツルツル頭か、と思い当たるであろう。そうです、あれです。
 なに、特に理由はない。あの頃と同じ理由である。髪が伸びたから、である。それと気分転換。
 ただ、厳冬を迎えようとしているこのソフィアで、なんでよりによって今、とみんなに言われるだろう。そうだね、寒いね。いま室内なのに帽子をかぶっています。
 しかしこれでこの冬風邪をひいたら正真正銘のバカである。くしゃみ一つしようものなら、ほらあ、せんせえ、とからかわれるに決まっている。
 緊張の冬が始まった。

2008年12月3日水曜日

LAの夜空

Credit & Copyright: Dave Jurasevich (Mt. Wilson Observatory)(写真クリックで拡大)
 大きく見える天体は上から木星・金星・月、である。
 心身ともに疲れている時にはこういう景色がどうしようもなく恋しくなる。

「クラスター爆弾禁止条約」今日オスロで調印

 毎日新聞も社説で取り上げた。
クラスター爆弾 地球で使えない兵器となれ
 対人地雷禁止条約の際にその力が認められたNGOたちの実力が今回も実を結ぼうとしている。後世の歴史は、このような胎動をきっかけに世界は400年ほど自らを呪縛していた国民国家中心思考から脱却し始めたと記述するだろう。

2008年12月1日月曜日

Yahoo百科事典

 新しいサービスがスタートします。Yahoo百科事典。『日本大百科全書』が全部入っています。
 いい時代になりました。学生諸君も『ブルガリア語ー日本語ーブルガリア語フリーオンライン辞典』の編集者のみなさんもどんどん活用してください。

学者たち

 科学アカデミーのブルガリア-ハンガリー文学理論国際シンポジウムにご招待いただいた。2日間にわたるものなので大きなものだと予想して気軽な気持ちで行ったら、とんでもない、僕が行った今日の午前の部では僕の他には全部で9名しかいない極めて高密度のものであった。ハンガリー側4名ブルガリア側5名の両国を代表する文学理論家たちの、極めて高レヴェルの議論が展開された。Радосвет Коларовが仕切り、そもそも学会なぞ馬鹿にして人前にさえ出てこないというАнгел Ангеловがどの発表に対しても厳しいが的確な批判を展開する、というような、「身内の研究会」と言ったほうがよさそうなものだった。
 温かく迎えていただいたとは言うものの場違いも甚だしい。発表言語も議論で使用される言語も英語だとは言えそもそも専門外の議論なのだから最初からオブザーバーとしての参加であっても一言も言えず(そもそも当てにもされていないしその資格も持たない)完全に「お客様」である。
 しかし、である。面白かった。自分でも恐ろしさのようなものを感じるほど知的な興奮を経験した。今日言及された理論や引用された学者の多くに関して全く知らないわけではない。しかしここまで高度な議論の真っ只中に座るのは恥ずかしながら私の人生でも初めてである。ヨーロッパの知的伝統の一端を垣間見る思いであった。
 本務とぶつかるので今回は半日だけしか参加できないが、人文・社会系の学会・研究会でこのレベルのものにはこれからも声をかけてくれるという。
 ヨーロッパで、それも学問が日々息づく高度な知的環境の中でまた一からゆっくり勉強したいという若き日に抱いた夢が今ようやく実現し始めていると本当に実感できた日であった。
 私の人生は、これまでも大変だったし、今も大変だし、これからはもっと大変だろう。
 しかし、残された人生の根拠をここに移動させるという選択は基本的には(つまり自分の実存だけを考慮すれば)正しかったと今は確信をもって言うことができる。

2008年11月29日土曜日

話し相手

偉くてマナーの悪い人物をどう扱うか
 別に相手が偉かろうが偉くなかろうがこんな奴がいたら僕は平気で機嫌を損ねるが、それでも後味は決してよいものではない。確かに世界中どこにでもこういう手合いがいる。聴衆の99%がすばらしい人たちでも1%こういうのがいたときの講演は最悪だ。
 講演に限らない。講義でも演習でも日常のおしゃべりでもそうだ。
 最高の話し相手は自分のすばらしさに気づいていないすばらしい人。当然のことだがこういう人にはめったに出会えない。逆に最低は自分の馬鹿に気づいていない馬鹿。これも少数だが存在する。
 結局のところ、リスクが大きすぎるのである。商売上講演が必要悪である山崎さんのような人でない限り、自分の馬鹿に気づいている馬鹿が心静かに生きてゆくためには、できる限り人との付き合いを減らしたほうがいい、という結論にしかならないのである。

Recuerdos de la Alhambra

 年のせいかこういう旋律にますます弱くなってきたということを前に書いたような類の一つ。Narciso Yepesの演奏をMP3ファイルで持っているのでご希望の方には差し上げます。

レヴィ=ストロース先生、100歳のお誕生日、おめでとうございます。

Lévi-Strauss, a French icon, turns 100
 思えば19歳の夏休みに初めて『悲しき南回帰線』を読んで以来、私は彼から構造という概念の重要性を学び続けた。どんな学問領域であろうと彼を読んでいない奴はすべてニセモノだとさえ私は思っている。

年末プレゼントでお悩みの親のみなさんへ

Best Illustrated Children’s Books 2008
 どれも読んでみたくなりません?
 前にも紹介したMariko TAMAKIが選ばれていることやWabi-Sabiが入っていることも面白い。

2008年11月26日水曜日

ブルガリアの学生たち

Bulgarian students lack motivation, skills and knowledge
 言うまでもなく、大学は経済界の下請け機関ではない。しかし経済界の不満も身に沁みてよく分かる。これも言うまでもなく、その責任はほとんど学生たちの側にはない。最も残念なのは、優秀な学生たちがあたら資質を伸ばすチャンスを摘み取られることである。

Foodscapes

Foodscapes: amazing food art by Carl Warner
 このレヴェルまで来ると「楽しい」では済まない。高い批評性まで看取することができる。

2008年11月25日火曜日

Kapka Kassobova

 きのう紹介した、見事な啖呵を切っている人は、私が知らなかっただけで、スコットランドではある程度名の知れた作家らしい。HPはこちら

Homo Sacer

"The exception is what cannot be included in the whole of which it is a member and cannot be a member of the whole in which it is always already included."
Agambenが紹介するBadiouのテーゼである。
主権国家Aから主権国家Bへと本拠を移し、生活し続けるための手続きを模索している現在の私にとっては、これは理論ではなく実存である。

伊藤豊雄

A Berkeley Museum Wrapped in Honeycomb
 財政的に大変だろうが、何としても実現させてもらいたい。彼の最高傑作というだけでなく、建築史に残る作品になることは間違いない。

2008年11月24日月曜日

啖呵

'Britain is scarier than Bulgaria'
 すばらしい啖呵を切ってくれるものである。小気味よいとはこのことだ。この人は優秀だ。この文章を最近ずっとヨーロッパ中から厄介者扱いされてしょげているブルガリアの人たちみんなに読ませてあげたい。

山頭火

「今日此頃の新漬――菜漬のおいしさはどうだ、ことに昨日のそれはおいしかつた、私が漬物の味を知つたのは四十を過ぎてからである、日本人として漬物と味噌汁と(そして豆腐と)のうまさを味はひえないものは何といふ不幸だらう(さういふ不幸は日本人らしい日本人にはないけれど)。
酒のうまさを知ることは幸福でもあり不幸でもある、いはゞ不幸な幸福であらうか、『不幸にして酒の趣味を解し……』といふやうな文章を読んだことはないか知ら、酒飲みと酒好きとは別物だが、酒好きの多くは酒飲みだ、一合は一合の不幸、一升は一升の不幸、一杯二杯三杯で陶然として自然人生に同化するのが幸福だ(こゝでまた若山牧水、葛西善蔵、そして放哉坊を思ひ出さずにはゐられない、酔うてニコ/\するのが本当だ、酔うて乱れるのは無理な酒を飲むからである)。」
 山頭火は師にはならぬ。「断念」がいかにも徹底を欠いている。しかしそれが私が彼を好きな理由でもある。

冬到来




 昨日の朝の写真(クリックで拡大)である。今年も我が家につららの季節がやってきた。ソフィアのまとまった雪はこれでも去年より一ヶ月遅いのだ。
 去年苦労した凍結坂道(!)対策に冬靴を買った。高級品ではないがここの人たちに愛されているブランドだ。さすがによく氷を噛んでくれる(ここで「テクレル」を使う日本語の面白さを分かってほしい)。おおすばらしい、と調子に乗って歩いてたらツルッといきかけた。注意注意。頭を打つのはまだ早い。

2008年11月23日日曜日

きょうのLiaison

アペロクロスのクリスマスカード
KTSのニット・ドレス
冬じたく展今日から。。。

衝撃。

 イラクに派兵しているブルガリアから9月にクルド族反対勢力に輸送機3機分の武器が輸送されたのではというニュースが飛び込んできた。
 事実だとすれば、これは国家評価において致命的な要素だ。主体が軍であろうとマフィアであろうと、全く何の言い訳も通用しない事態である。評価は決定的に地に落ちる。たとえ蘇生したとしても、国家としての信頼を取り戻すまでに何十年もかかることになるだろう。
Kurds in N. Iraq Receive Arms From Bulgaria

65年前の今日

 日本帝国軍はタラワ・マキン環礁の支配権を米軍に奪われた。
 この日は枢軸国側に付いていたここブルガリアの首都ソフィアが連合国軍から一回目の大規模空襲を受けた日でもある。

Books Not Bombs

Books Not Bombs
 最後にラオスに行ったのはいつだ。あのアフガニスタンのプロジェクトはどこへ行った。
 隔靴掻痒。「僕」が3人ほしい。

2008年11月21日金曜日

俗物

「バルザツクのペエル・ラシエエズの墓地に葬らるるや、棺側に侍するものに内相バロツシユあり。送葬の途上同じく棺側にありしユウゴオを顧みて尋ぬるやう、「バルザツク氏は材能の士なりしにや」と。ユウゴオ咈吁として答ふらく「天才なり」と。バロツシユその答にや憤りけん傍人に囁いて云ひけるは、「このユウゴオ氏も聞きしに勝る狂人[ママ]なり」と。仏蘭西の台閣亦這般の俗漢なきにあらず。日東帝国の大臣諸公、意を安んじて可なりと云ふべし。」(芥川龍之介「骨董羹」1920)
 英語ができない「藪」大統領も漢字が読めない「漫画大好き」首相も嘆く勿れ。馬鹿は君たちだけではない。

ギャンブル

人はギャンブルから何かを学べるか?
 山崎元は今日もいいことを言っている。
 競馬・競輪・競艇・パチンコ。ぼくも若い頃はギャンブラーだった。今も本質的にはそうである。ただ、ソフィアに来たときから自分の人生そのものが完全にギャンブルと化したため、他のギャンブルがもうギャンブルには見えなくなったのも事実である。

きょうのLiaison

トウフクロのギフトパンツ

『ぼく、オタリーマン。』

 しかし私が感じるのは、でもやはり日本の人は生真面目だなあ、ということである。

2008年11月15日土曜日

きょうのLiaison

ガザ地区完全封鎖

The Birthday Book

The Birthday Book
 馬鹿にしてはいけない。私だってまだこれらの持つ魅力は分かるのだ。

2008年11月14日金曜日

Mixed race identity

Mixed race identity
 あと10年でイギリス「最大のマイノリティ」になるという。こういう若きパイオニアたちを見ていると、人種とは何か、民族という概念に一体どういう意味があるのだろう、と考えさせてもらえる。彼らもGuardianもイギリスもあっぱれである。

Michael Crichton

 追悼記事をいくつか読んでいたら、EATERS OF THE DEAD: The Manuscript of Ibn Fadlan,
Relating His Experiences with the Northmen in A.D. 922
という作品にBulgarsが出てくることを知った。それに作品としても評価が高いものらしい。少しずつ読み始めた。Word版をダウンロードして持っているので、ご希望の方は差し上げますよ。

Reports of distant planets, now on film


Reports of distant planets, now on film
 観測技術の発達は専門家による研究を進めるばかりではなく、このように私のような素人をも楽しませてくれる映像を提供してくれる。

2008年11月11日火曜日

日本のコンビニ、恐るべし。

 2年生諸君、これが先週のクラスで話の出た「コンビニ」です。でもいいことばかりじゃないよ。関心のある人はさらに深く分析してみてください。
Japanese Stores Take Convenience To a New Level

きょうのLiaison

People treeのフェアトレードチョコレート入荷しています。

日本における高齢者による犯罪の激増

 法務省の報告によれば、2007年、65歳以上の被逮捕者数が48,605人(交通違反を除く)となった。2002年の24,247人と比べるとたった5年で2倍以上になったことになる。前年と比べても、全被逮捕者数は366,002で4.8%減となっているにもかかわらず高齢者に関しては4.2%増である。万引きとスリが多い。法務省は激増の原因を生活苦・健康不安・孤独を上げている。特に目新しい理由ではない。それらの問題がひどさを増していると考えるべきなのかもしれない。

2008年11月10日月曜日

きょうのLiaison

『福図鑑 り』始まってます。

"On or about December, 1910,"

世界は変わった、と Virginia Woolfは書いた。彼女の捉えた近代の始まりは、この98年の間(恐らくインターネットが大衆化した1980年の前後10年)に再び大きく変容した。様々な議論がある。私は近代が終了したとは思っていない。しかし、この1世紀の変化は、地球規模で起こった――そしてこれからもますますそうなるだろうことが決定づけられたという点でも、間違いなく人類最大の大変動の世紀だったことは認めざるを得ないものである。

2008年11月8日土曜日

筑紫哲也逝く

Cancer claims TBS anchor Chikushi, 73
 私も大学生の頃一時そうだったが、彼の後ろ姿を見てジャーナリストを志した若者も多かった。
 その死は早すぎた。

2008年11月5日水曜日

дребен? кратък?

 オンライン辞典の見出し項目数が4000になろうとしている中、きのうдребен(小さい・小型の)をまだ載せていないことに気づいた。кратък(短い)をアップしたのもごく最近だ。дивак(野蛮人・無作法者)やатеист(無神論者)、материалист(唯物主義者)、мизантроп(人間嫌い)などの単語はごく初期にエントリーしているにもかかわらず、である。
 僕がブルガリア語をどのように学んでいるかはそのあたりから推し量ることができるはずだ。

変化

 きのう休憩時間に廊下を歩いていたら、2年生の3人のグループに呼び止められ、終わったばかりの授業の中で紹介した文のうちの一つの格関係に関する質問をしてきた。三人で議論をしていたという。この大学に来て1年が過ぎて、そもそも授業以外で、廊下で呼び止められて、教科内容に関して質問をされたのは全学年ではじめてである。2年生で、それも日本語での質問だ。
 それがどうしたと言われるかもしれないが、兆しはこれだけではない。何かが変わり始めている。それが何かということは、様々な要素が絡み合っているだろうから軽々には言えないが、しかし2年目に入り、全学年において、何かいい方向への変化が起こり始めている。それを強く感じる。
 教師はそのような日々の変化を肌身に感じながら仕事をすることができる。ありがたい職業である。

2008年11月4日火曜日

Tomaso Giovanni Albinoni

Adagio in G Minor. 年齢のせいか、季節のせいか、こういう種類のイタリアの短調にぐっと来るこの頃である。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)復活

The Double Ring Galaxies of Arp 147 from Hubble(写真をクリックで拡大)
Credit: M Livio et al. (STScI), ESA, NASA
Arp 147はくじら座の方向約4億4000万光年の距離に位置。右側の青いリングは左側の銀河に突き抜けられた銀河のなれの果てで、リングの左下に見える赤い部分は元は銀河の核だったのではないかと考えられれているそうだ。
 美しいではないか。

2008年11月3日月曜日

芥川龍之介「黒衣聖母」1921

 龍之介はこの類の題材が好きなようだ。一種のコンプレックスのなせる業なのだろうか。僕はどうも感心しない。

BGM

 仕事中はずっとBeethovenOnly.comを流していると前に書いたが、いくらベートヴェンを愛するぼくでも時にはしんどい思いをするときもある。最近そういう時の逃げ場所としてKlassik Radioを流すようになった。いわゆるクラシック・イージーリスニングである。時々僕の好きなメランコリックな曲が流れてきて不覚を取ることもあるが、基本的には落ち着いて仕事ができる。

翻訳クラス

 最近ブログの更新が少ないという指摘がある。サボっているわけではなく、授業が忙しいのだ。特に4年生のクラスでは昨年後期からブルガリア語→日本語翻訳をやっている。もちろん何人もの仲間に助けられながらだが、それでも準備・授業・訂正・改良・辞書へのアップ、など作業は大変である。他の学年の授業に関わる諸業務を加えれば、学期中は殆ど他の勉強はできないと言っていい。
 しかし、自分自身を含めあらゆる意味での参加者が「前進」している(ように見える)ことは喜ばしいことである。

2008年11月2日日曜日

言語

 「言語は、永遠の例外状態の中で、言語の外部には何ものも存在せず、かつ言語は常にそれ自身を超えて在る、ということを宣言する、主権である。」
 「話す(dire)ということは、この意味において、常に「法を話す(ius dicere)」ということである。」
(Giorgio Agamben, "Homo Sacer")

「Barack Obama大統領」

 The Daily Showに、きょうは中継で出演していた。ホストのJohn Stuartからの直球・変化球をすべてものの見事に打ち返し、John自身をケラケラ笑わせ、政策を説明する場面ではスタジオの人々からも盛大な拍手を浴びていた。
 世界中の何億という人々が共に仕事をしたいと思っているリーダーがいよいよ誕生する。
 アメリカ合州国が復活する、というよりも、新しいアメリカ合州国が、あさって誕生する。

2008年11月1日土曜日

きょうのLiaison

DRAWING SONG+PRINTED

ソフィア経済データ(2007-2008)

・外国直接投資の78%はソフィアに投下
・賃金労働者数・・・約70万人
・平均月収は287ユーロで全国平均より31%高い
・ブルガリア全体のGDPの33%を生み出しており、経済成長率は年率13~15%
(10.31.発表)

2008年10月31日金曜日

きょうのLiaison

ノクシカタ・カード

A Witch by Starlight



Credit & Copyright: Star Shadows Remote Observatory
(Steve Mazlin, Jack Harvey, Rick Gilbert, Teri Smoot, Daniel Verschatse)
Witch Head Nebula。確かにRigelを見つめる魔女の横顔に見える。(画像をクリックで拡大)

2008年10月30日木曜日

最近の私

 最近の「ノマドの窓」は勉強のメモばかりで一向に肉声が聞こえてこないという苦情も来ているし、久しぶりに一つ。
 ブルガリアに来て15ヶ月。自分が大きく変わったと思うことは本当に勉強が好きになったということである。それ以外のことには殆ど興味がなくなってしまった。勉強といっても狭義のそれだけではなく、広い意味で自分が価値あることと思うようなことが学べることなら何でもよい。大学の授業にしても業務にしても、さらに単なるおしゃべりにしても、自分が本当に必要とされているものやことに関しては自分もやりがいを感じて一生懸命やるし楽しい。それは自分も学ぶことが多いからだ。しかし、僕でなくてもできるだろうと思えるようなことは全くやる気が湧いてこない。要するに自分だけの「居場所」がほしいのだろう。しかし、生きていると、それが見出せない場所や時間の中に身を置かねばならぬ羽目に陥ることもある。僕のように24時間我儘放題に生きているように見える人間でもそういう場面に投げ込まれてしまうことも時にはある。それは極めて苦痛な時間である。一刻も早く逃げ出さなければ神経がおかしくなってしまいそうにさえなる。パーティなどでも、一人でぼうっとしていなければならない時間もある。その度にいつも、自分は一体ここで何をしているんだろう、こんなことに時間を浪費していたくない、と思う。
 日本にいたときからずっとお前はそういう人間じゃないかとおっしゃる方も多いだろう。だとすれば、それがますます昂じて、殆ど「鬼」の領域に入りつつある、と考えていただくのがよいかもしれない。
 困ったことではあると思う(特に周りは迷惑している)が、どうやらこの生き方を死ぬまで続けていく、そしてますます激しくそうなっていく、だろうことだけは間違いなさそうだ。
 はい、「最近の私」でした。

2008年10月26日日曜日

Il Canto

Luciano Pavarotti - Il Canto
 前にも紹介したが、今日はあるブルガリアのサイトのおかげでテクストも入手できたので改めて紹介する。聴くたびに「鬼」が涙ぐんでしまう歌というものはめったにあるものではない。それにヴィデオに出てくる素人の人たちもみんないい。ブルガリアの人たちとも共通する「地中海人」の温かさを感じる。哀しみと温かさ。これはちょっとよそにはない。

Luciano Pavarotti - Il Canto текст
(видян: 86 пъти)
La notte qui non torna più
dal giorno che sei andata via,
ed il cielo ha smesso di giocare
con le stelle e con la luna,
e le nuvole sono ferme qui
come lacrime che non cadono.
Vedi come il tempo
perde anche il ricordi,
resta solo il canto
di un amore che non muore,
Prendi la mia mano,
danza con il vento.
Apro le mie ali,
posso solo amarti cosí.
Vieni, vieni
via con me.

(The night hasn't returned here,
Since the day you went away,
and the sky has ended its game with the stars and the moon,
and the clouds are still standing
like tears that cannot fall.

Look how time changes memories as well,
There remains only the chant
of a love that never dies
Take my hand, dance with the wind,
I spread my wings,
I can only love you this way,
Come, come away with me.

Look how time.... )

Massive Stars in Open Cluster Pismis 24


(写真クリックで拡大)
Credit: NASA, ESA and J. M. Apellániz (IAA, Spain)

きょうのLiaison

11月のフェルデンクライス メソッド

VERLYN KLINKENBORG

The ‘If Only’ Train
 こんな経験は誰にでもあるし、このぐらいのことなら誰だって言える。と、思いますか。
 私はこの人の文章にはそんな不遜な者を黙らせてしまうだけの、とてつもない筆力を感じる。それも、どの文章を読んでも、殆どいつも。
 それは実は大変なことなのだと思う。

2008年10月25日土曜日

NGC 602 and Beyond


NGC 602 and Beyond
Credit: NASA, ESA, and the Hubble Heritage Team (STScI / AURA) - ESA/Hubble Collaboration
 銀河の写真にはそろそろ飽きてきてもいるのだが、この一枚には不思議に心を惹かれたのでアップする。

きょうのLiaison

岡本教会バザー

Visionaries

 BBCが時おり行う特集である。視聴者による投票により史上最もVisionaryな芸術家を選ぶ。今回は作曲家特集で、武満徹がショスタコーヴィッチに21%対79%で敗れた。これは投票前から予想されていた結果だ。寧ろ世界で史上最もVisionaryな作曲家10名のノミネーに武満を入れたBBCの見識が高く評価されるべきだろう。
 ちなみにその10名の中でも古今東西最もVisionayな作曲家はという話になって、出演していた5名の音楽家たちは異口同音にバッハを挙げた。賛成する。

2008年10月24日金曜日

Barbara Ehrenreich

Report From the Socialist International Conspiracy
 そこいらのゴミの書くものと比べればもちろん面白いことは面白いのだが、彼女の真価を知る者にはこの文章でも物足りなく感じてしまう。そこらじゅうに書き散らしてばかりいないでじっくりと腰を据えて書けばいいのに、と、ファンは思うのである。

Leonid Andrejew「犬」

 森鷗外訳。日本人のロシア文学好き、特に短編への愛は20世紀への変わり目前後に形成されたと見てよいだろう。

2008年10月23日木曜日

はあ。。。

A manga adventure through the world of wine
 幼稚すぎると今頃になって馬鹿にしないでね。それは気づくのが遅いあなたの問題であって彼らの問題ではありません。

温かさ

 年がら年中人の悪口ばかり言っているように見えるかもしれないが、そしてそれは殆どその通りなのだが、時にブルガリアの人々の温かさにほろっとすることもある。
 きのうはこういうことがあった。
 ブルガリアでは、誕生日など何かおめでたいことがあった時にそのおめでたいことの当人がチョコレートなどを買って周囲の人にそのおめでたいことを知らせ、相手もそのチョコレートをいただき当人に祝福のことばを述べる、という素敵な習慣がある。
 きのうは、日曜日に結婚したばかりの学生が、クラス開始前にとてつもなく大きなチョコの箱を持って僕の所にやってきた。「ああ、結婚の?」と言いかける僕の前で学生はニコニコしながらそのばかでかいアソーティッドチョコの箱の蓋を取る。
 そこには真ん中にぽつんとチョコが一つ。

2008年10月22日水曜日

きょうのLiaison

指人形
ゆうきなこ展

弦楽三重奏曲第3番 ニ長調 Op.9-2

 ここ2年ほど聞き流しながら仕事をしているBeethovenOnly.comでさっき弦楽三重奏曲第3番ニ長調 Op.9-2をやっていた。28歳という若い時の作品で完成度を後期の至高の名曲群と比べることはできないし有名な曲でもないようだが、これも僕の曲だという第一印象を受けた。
 いくつになっても、愛するものが増えていくということは幸せなことである。

2008年10月20日月曜日

Universal Declaration of Human Rights: children's edition

Universal Declaration of Human Rights: children's edition (15 pictures)
 こういうのを見るとThe Guardianはまだ死んでいないと思う。

静寂。


Moons, Rings, and Unexpected Colors on Saturn(写真クリックで拡大)
Credit: Cassini Imaging Team, SSI, JPL, ESA, NASA

2008年10月19日日曜日

Paulo Coelho

 新たに3作品を発表した。pdf版で無料ダウンロードしてもいいし、購入してもよい。
Internet books
 我が道を行くCoelho。

言語における内部と外部

 Giorgio Agambenは、言語というものがそれ自身同時に「内部」でも「外部」でもあり、「直接的なもの」(非言語的なもの)が言語そのものの前提以外のなにものでもないことを真に理解した最初の人物はHegelだという(Homo Sacer)。
 「言語というものは、外部が内部的であるのと同程度に内部が外部的である、完璧な要素である。」(ヘーゲル『精神の現象学』拙訳)。
 言語教師として、常に私が立ち返る大原則の一つである。

2008年10月18日土曜日

きょうのLiaison

1.Liaison ショップカード新しくなりました。

2.福図鑑 り

新たに明るみになった日本軍による「虐殺」事件

Britain covered up Japan massacre of POWs: BBC</span>
 このような事件が無数にあっただろうことは想像に難くない。これも連合軍に報告した稀有な元日本兵の正義があったればこそ明らかになったわけで、そうでなければ他の虐殺と同様間違いなく永久に歴史の闇に葬られていただろう。
 心から真相究明を望む。またその勇気ある元日本兵のことも調査してもらいたい。そういうことを一つ一つ積み重ねていくことによってしか、日本は本当に歴史と向き合い、乗り越えていくことはできない。

国連非常任理事国

 Turkey, Austria and Japan gain at UN
 今回の選挙結果を受けた国別の当選回数は下記の通り。(Wikipediaによる)
年 国
20 日本
18 ブラジル
16 アルゼンチン
12 インド、カナダ、コロンビア、パキスタン、イタリア
10 ベルギー、パナマ
9 オランダ、ポーランド
8 オーストラリア、スペイン、チリ、デンマーク、ドイツ(西ドイツを含む)、ノルウェー、ベネズエラ、ペルー
7 エジプト、ユーゴスラビア、ルーマニア、メキシコ、トルコ
6 アルジェリア、インドネシア、ウクライナ、エクアドル、ガーナ、キューバ、ザンビア、シリア、スウェーデン、チュニジア、ナイジェリア、ブルガリア、コスタリカ、オーストリア
5 アイルランド、コスタリカ、ニュージーランド、マレーシア、ウガンダ
4 イラク、エチオピア、ガイアナ、ガボン、カメルーン、ギニア、ギリシア、ケニア、コートジボワール、コンゴ共和国、ザイール、ジャマイカ、ジンバブエ、セネガル、タンザニア、ニカラグア、ネパール、ハンガリー、バングラデシュ、フィンランド、ベナン、ボリビア、ポルトガル、マリ、モーリタニア、モロッコ、ヨルダン
3 チェコスロバキア、ブルキナファソ、リビア
2 アラブ首長国連邦、アラブ連合共和国、アンゴラ、イエメン、イラン、ウルグアイ、オーマン、カタール、カボベルデ、ガンビア、ギニアビサオ、クウェート、シエラレオネ、ジブチ、シンガポール、スーダン、スリランカ、スロバキア、スロベニア、ソマリア、タイ、大韓民国、チェコ共和国、トーゴ、トリニダード・トバゴ、ナミビア、ニジェール、バーレーン、パラグアイ、東ドイツ、ブルンジ、ベラルーシ、ボツワナ、ホンジュラス、マダガスカル、マルタ、南アフリカ共和国、モーリシャス、ルワンダ、レバノン
1 クロアチア、ベトナム、リベリア

 すぐに目に付くのは、アジア枠で日本が選ばれることが多すぎることや、中南米枠の2ヶ国、東欧枠の1ヶ国は多すぎる、というようなことである。また、地域枠だけでなく経済的階層別の枠も設けたほうがいい。
 もちろん最大の問題が拒否権を持つ五つの常任理事国(60年以上も前の第2次世界大戦の「戦勝国」)に与えられる権力が大きすぎるという点にあることは言うまでもない。そのうちの約半数は自分の力がいまだにその権力に追いついていないと言われても仕方のない国々である。
 国連が真に人類全体のガヴァナンスに大きな力を発揮できるように生まれ変わるのはまだまだ先である。

2008年10月15日水曜日

HEAVY LIGHT



 例えばこれらの二つのHiroh Kikaiの作品の持つ温かさ、私はこの温かさのようなものが日本列島に住む人々のもつ最大の魅力であると思う。
HEAVY LIGHT

学校における相互寄生関係

 Digging Out Roots of Cheating in High School
 子どもたちに対して「道徳」や「倫理」を説く前に、学校や教師はそもそもそのような子どもでもできるような「不正」を許す課題しか子どもたちに対して要求していないという構造的な視点から考えてみるべきであろう。

2008年10月14日火曜日

Александр Гельевич Дугин

Russian nationalist advocates Eurasian alliance against the U.S.
 Neo-Eurasianismだか何だか知らないが、学者とはとても呼べない知性の低さ。嘲笑するのは簡単だが、しかしポピュリストいうものはそういうものなのだろう。

ケラケラ。

 第一報を聞いた時から予想されたことだが、やはり騒いでいるようだ。
 南部さんは日本人?米国人? 人材流動化で意見百出
 先進国でございという顔をしたいなら国籍主義しかないでしょう。

2008年10月13日月曜日

Helen Simpson, Early One Morning

Early One Morning
哀しく、しかし温かい小品。

オンライン辞書

 「日本語-ブルガリア語-日本語フリーオンライン辞典」を見つけてくれる人がぽつぽつと出てきた。しかし「調べたい単語が載ってない」という指摘を受けると、申し訳ない気持ちになる。残念ながら収録語彙は現在一日20語程度しか増加していない。さらに加筆・訂正には原理的に終わりというものが存在しないことを考えると、ある程度使えるものになるのにさえ少なくとも10年はかかる。
 こればっかりは気長にやるしかない。

Úrsulaの死

 長く付き合ってきたOne Hundred Years of Solitudeにもようやく終わりが近づいてきた。

2008年10月12日日曜日

これも日本

In Japan, Hope Fades for Disposable Workers
 このNORIMITSU ONISHIはいつも本当によい取材をする。例えば現在BBCに優れた日本担当が欠けているのに比べ、NYTimesはONISHIといういい記者を持つ。

コスモポリタン漱石

「墓の此方側なるすべてのいさくさは、肉一重の垣に隔てられた因果に、枯れ果てたる骸骨にいらぬ情けの油を注して、要なき屍に長夜の踊をおどらしむる滑稽である。遐(はるか)なる心を持てるものは、遐なる国をこそ慕え。」(『虞美人草』1907)
 漱石をおらが偉人と崇める愛国主義者どもはたぶん漱石を読んでいない、あるいは読んでも理解できていないらしい。

森鷗外「鶏」

 鷗外のこのような類の「苦みばしった」ユーモアは日本の文学では異色のものではないかと思う。

2008年10月11日土曜日

島国根性

Le Clezio -- who's he?
 自分の無知を正直に告白する姿はほほえましい。しかしそれが大新聞の編集委員の台詞だとすると、それは滑稽なものでしかない。

PICASSO...PICASSO...

 この展覧会は掛け値なしにすばらしいはずだ。
 From across the centuries, a different view of Picasso

爆発流星


Bright Bolide
Credit & Copyright: Howard Edin (Oklahoma City Astronomy Club)
 こんな光景がいきなり視界に飛び込んできたら驚くだろうなあ。
 しかし、どうせいつか終わりが来るのなら、こういう激しい消え方がいいな、僕は。

The Global Competitiveness Report 2008-2009

 最新版が発表された。The Global Competitiveness Report 2008-2009
 日本は昨年度より1ランク下がって9位になった。一昨年度は5位だったから、「世界第2位の経済大国」にも翳りが見え始めていることが裏付けられた形となっている。
 「World Economic Forum? そんなもの!」と軽蔑される方も多いだろうし、それはそれで理解もできるのではあるが、興味深い発見もないわけではないので、ここではその一つを紹介したい。
 日本におけるビジネス阻害要因の上位6位までを挙げると、
1.Inefficient government bureaucracy
2.Tax regulations
3.Tax rates
4.Policy
5.Restrictive labor regulations
6.Government instability/coups
となっている。
 「経済一流政治三流」という悪口を言われ続けて久しい国であるが、日本の政治の無能はもはや世界の常識なのだから言葉にする必要もなく、むしろ「経済一流政府三流」としたほうが意味があるのではないかと思う。

2008年10月10日金曜日

Jualian Barnes

彼の作品に総じて言えることだが、お子ちゃまはご遠慮ください。
 60/40

「血を分けた子ども」信仰

 それだけではない。「国家の威信」「偏見」「宗教」「経済」「戦争」等々、様々な問題が複雑に絡み合う。この記者には前から注目しているが、鋭い切り込み方ができる人なのだから、さらに深い分析の段階にまで踏み込んでほしい。
 Korea Aims to End Stigma of Adoption and Stop ‘Exporting’ Babies

Elizabeth Peyton

なかなかよさそうだ。いつかちゃんと観てみたい。
The Personal and the Painterly

Slavoj Žižek

Don’t Just Do Something, Talk
 Žižekにしてはあまりにもありきたりのことしか言っていないので少しがっかりした。それにしても”dialectical-materialist philosopher and psychoanalyst”という肩書きは笑える。本人公認なんだろう。彼らしい。

2008年10月8日水曜日

LETTERS FROM KOBE

 Life keeps right on moving 
 廃墟と化した日本を見たElizabeth Ryanは日本は今後50年は立ち直れないだろうと予想した。しかし、敗戦後23年で日本は資本主義国の中でGNP第2位の経済大国となった。今後中国などに抜かれるだろうが、しかしこれで40年間まだ2位を保っている。
 書簡に描写されている、廃墟と化した東京で、横浜で、神戸で、黙々と働き続ける人々。この人たちが戦後日本を作り上げたのだ。

新学期

 1年経過していろいろな点で慣れてきた(私が、ではない、学生諸君を含めたブルガリアに住む人たちが僕に、である、念のため)のだろう、落ち着いたスタートである。
 何をしても言っても周りから驚かれたり呆れられたりばかりしていると、だんだん自分を変な、変わった人間であるかのように自分で思い込む錯誤に陥るから、これはこれで結構なことである。

2008年10月7日火曜日

きょうのLiaison

ブラジルから今年もやってきました。

パズル

Islamist movement banned in Bulgaria
 急速に進むグローバリゼーション下、宗教・民族間対立/差別と社会の安定の間のバランスをいかにして取っていくか。ブルガリアの本当の試練は実はまだ「始まりの始まり」の段階でさえない。

Romanticismの終焉、ここにも。

トリが恋歌を歌っている時、脳は幸せを感じる
 はいはい、私たちは脳内プログラム、さらに言えば遺伝子の指示によって、愛を語り合っているんですね。

男女格差

女性研究者採用したら6百万円 文科省、増員狙い補助へ
 私の乏しい経験では国立大学で一人の研究者を30年間雇用するコストは諸コストを含めれば優に3億円を超える。「1800万円の補助」というのは5%程度の割引でしかない。どういう風に考えればそれっぽっち(しかしそれは納税者が負担するのだ)で事態の根本的な解決に繫がるという論理になるのか知りたい。

2008年10月6日月曜日

夏目漱石「琴のそら音」

 漱石はこんなものも書くのか。取り立てて言うほどのこともない凡作。

negational identity

Metaphors of the Mind: Why Loneliness Feels Cold and Sins Feel Dirty
 表題になっているトピックよりも僕がより面白いと思ったのは、人は自分が「誰であるか」よりも「誰でないか」というアイデンティティ規定の仕方によって現実世界における諸決定をする、という箇所だった。このnegational identityというのは、僕の常套句「あんなのと一緒にしないでよ。」をうまく説明する。

勝者と敗者

Occupiers favored with postwar plenty
 権力/特権を持つ者には持たざる者の苦しみは分からない。

2008年10月5日日曜日

西田幾多郎「アブセンス・オブ・マインド」

 天才はやはりうっかりも尋常ではない。

森鷗外「栗山大膳」

 こういうものは鷗外にしか書けない。

三木清(1932)「ゲーテに於ける自然と歴史」

 「然しゲーテのモナドには窓がないのでなく、その窓は広く世界に向つて開いてゐる。」
 モナドの窓。。。

きょうのLiaison

『おいしいコーヒーの真実』の裏側

Earth at Night


Credit: C. Mayhew & R. Simmon (NASA/GSFC), NOAA/NGDC, DMSP Digital Archive
 あらためて「格差」を思う。人は明るさを求める。この明暗の差を埋めていくことができるか否か。

芥川龍之介「孔雀」

 龍之介はここでも苛立っている。

In Praise of Melancholy

American culture's overemphasis on happiness misses an essential part of a full life
 名文。しかし人々がみんなJohn Keatsになれるわけではない。弱い私ははどうすればよいのか、という命題が残る。(指摘があり調べたが、残念ながらこれももう入れなくなっている。テクストをご希望の方は添付ファイルでお送りするのでkomadasatoshi@gmail.comまでご連絡ください。)

Fraternization — and consequences

Young, reckless, open-eyed GIs broke social taboos, found war brides, racist laws, VD
 悲劇なのか、喜劇なのか。これが60年前の日本の姿である。

芥川龍之介「好色」

 龍之介にとって女性という存在は永遠の「他者」であった。それはこの古典の翻案からも読み取れる。

脳と感覚

 The Itch:Its mysterious power may be a clue to a new theory about brains and bodies.
 押さえるべき所を押さえつつ書いている。とても勉強になった。

2008年10月4日土曜日

A Solar Prominence Unfurls


Credit: STEREO Project, NASA
 この程度で驚いていてはいけない。いまの私の頭の中を見せたい(笑)。

Junot Díaz

The Brief Wondrous Life of Oscar Wao
 この作品はすばらしい。Junot Díazを見直した。スペイン語が分かる者にはこの作品をさらに深く味わえるだろう。

Mixed-race babies in lurch

Fact of Occupation life: Abandoned kids from GI-Japanese liaisons
 軍が支配する地域に普遍的な問題であるが、この何万人なのか概数さえ分からない明確ではないこの日本のケースをきちんと追跡調査している人はいるのだろうか。

2008年10月3日金曜日

ロマ

 簡潔によく書かれている。
 Exploring Bulgaria’s Minority Population: The Gypsies
(N.B.指摘があり再度リンクを試みたが繫がらない。ご希望の方は、ダウンロードしてあったWordファイルを添付でお送りするのでkomadasatoshi@gmail.comまでお知らせください。)

きょうのLiaison

フェルデンクライスメソッド

日本は民主主義国家である、と誰が言っているのか。

 麻生内閣(発足時(笑))閣僚18名中、なんと4名が元首相の子どもか孫であり、10名は元国会議員の子どもである。まるで商店街の二代目クラブみたいなものだ。
 これで世界第2位(いまのところ、だが)の経済大国がやっていけているのだから、日本というのは本当に不思議な国である。

EUと移民問題

A rising tide of migrants unsettles Athens
 スペイン・イタリア・ギリシャ。EUの地中海沿岸諸国が苦闘している。折りしもEUは/も景気後退が顕在化したところだ。移民の多くを占める紛争地域からの人々に対する人権政策と経済・治安問題。このディレンマをどのように軟着陸させるか。ここでもEUの力量が試されている。

芥川龍之介「虎の話」

 いい話である。これは評価の分かれるところだと思うが、僕はとてもいい作品だと思う。

「○○様は我が村の偉人である」

Macedonia dispute has an Asian flavor
 念のため、言わずもがなのことをここで改めて断っておきますが、例えばここでマケドニアとギリシャの論争をリンクするからといって特に彼らを軽蔑的に見ているというわけではありません。私は、自民族中心主義、ナショナリズム、国粋主義、さらにはナルシシズムや偏狭性といったようなさまざまな普遍的な概念を考えていただくための材料を目に付いたところからアットランダムにアップしているに過ぎません。現在の私の諸条件から、結果として、日本・英語圏特にアメリカ合州国・バルカン・ヨーロッパなどに偏って出てくることにならざるを得ないだけのことで、もし私が将来他の言語や地域に移動するようなことがあれば、そこにも間違いなく存在するはずの同様の事例を挙げることになります。
 普遍的問題を考察する材料としていただくための個別事例を挙げているに過ぎないにしては私のことばが少し過激であることは認めますが。はい。

アメリカ文学とノーベル賞

Nobel judge attacks 'ignorant' US literature
No Nobel prizes for American writers: they're too parochial
 アメリカ合州国を大きな島国と形容したのは柄谷行人だったが、その偏狭性はあの国の特徴の一つであるだろう。偏狭性はどこにでも遍在するものだが、アメリカの場合世界における影響力が異常に大きくなってしまっただけにそれが際立ってしまう。
 そもそもその時その時の「ごほうび」と歴史の評価は原理的にまったく別物であるのだが、それでも世間は大騒ぎしてしまう。

2008年10月2日木曜日

きょうのLiaison

秋 修一・わたなべ克也  写真展 本日始まります。

芥川龍之介「湖南の扇」

 これも不思議な一編である。自らの掌中に珠を転がすように話を扱える場合でないと龍之介の魅力は半減する。

HIV拡大の起源

Colonial clue to the rise of HIV
 人口が集中したある特定の都市においてHIV感染が勢いを得たというこの新説は、Jared DiamondがGuns, Germs and Steelで行っている一般的なウィルス拡大に関する説明とも一致する。

2008年10月1日水曜日

Homophobia...

80% of Bulgarians Have Homophobic Sentiments - Report
 以前紹介したイギリスの世論調査との違いは歴然としている。たった一年だが僕の経験則ともほぼ一致する。また人種差別(特にロマの人々とトルコ系の人々に対する)もセクシュアリティ差別も、世代が若くなるほど少なくなってゆくような印象も受ける。教育(嫌いな言葉だが「啓蒙」と言ったほうがいいのかもしれない)は重要である。

不安定性

 This Economy Does Not Compute
 さしたる明確な原因もなく突如として不安定性が顕現するのは実はマーケットだけではない。人(々)の心理が関与するあらゆる構造的現象において見られることである。政治を政治家だけに任せてはいけないのと同様に、マーケットのメカニズムの解明を経済学だけに任せておいていいはずがない。

2008年9月30日火曜日

 日本では別れと出会いの季節は春だ。ヨーロッパではそれは秋だ。
 学生たちも卒業・留学で旅立つ者もいれば、帰国してくる者・入学してくる者もいる。さまざまに人々が交錯する。
 そして、僕の最も近い仲間の一人も、あと数時間で日本への研究留学に旅立つ。

ボリショイ

 ガラ公演を見た。NDK大ホールは初めてある。内部は外観の胡散臭さと違い意外にこぎれいにしてあった。
 いろいろな点で興味深かった。まず公演開始・休憩後の再開ともに15分遅れ。これはもう驚かない。驚いたのはボリショイのスターのガラだというのに、音楽がオケではなくテープだった。それも音響設備が悪いのか録音が悪いのか、ノイズだらけ。さらに一度はかける音楽を間違えて舞台袖から出かけた踊り手がもう一度引っ込むご愛嬌も。照明も時代遅れ。まるで小学校の学芸会である。バレエをサーカスと勘違いしている観客が結構いたのも面白かった。
 そんな悪条件の中、現在世界を代表するダンサーたちが古典からモダン・実験的演出まで身体芸術の粋を見せた。名前は失念したが、2、3名のバレエは本当にすごかった。上記の周辺的な数々の失点を考慮に入れても90Levaを返せとは言わせない水準だった。

悪臭

 LETTERS FROM KOBE
 1947.4.1.付の記事にElizabeth Ryanはそごうと大丸に行き、そのあまりの悪臭に辟易したと書いている。帰宅したらすぐにその臭いをこすり落とし、うがいをしなければならなかったという。どういう種類の臭いだったんだろう。それが書かれていないのが残念だ。
 また商店に行くと必ずtourist priceを吹っかけられるとこぼしているのが面白かった。

2008年9月29日月曜日

夏目漱石「教育と文芸」

 分かったような、分からぬような。漱石はやはり学者にはなれない。だから、もちろん、彼が文学に転向してくれて、我々は計り知れないほどの恩恵を受けているのだ。
 「浪漫主義」が漱石の作った訳語だ(と彼が言っている)ということも知った。

きょうのLiaison

上宮川ワンコインシアター

森鷗外訳「不可説」

 龍之介はおそらくこれを読んでいるであろう。

睡眠発作

 Japan experts identify daytime sleepiness gene
 この発見自体は、日本人の多くが乗り物に乗った途端寝てしまうあの有名な現象を直接説明するものではない。しかし、何らかの関連があるのかもしれない。

組織の崩壊

Use of outdated code led to ambush that killed Yamamoto, U.S. files show
 暗号担当者が知ってか知らずか古いヴァージョンを使ったのか、或いは新しいものがまだ届いていなかったのか。
 いずれにしても何かが崩壊していく時の過程は同じだ。「天下の難事は必ず易きよりなり」(韓非子)
 重要なことはその「易き」を起こしにくい構造を作ることだ。常に既に、構造がすべてを決定する。

2008年9月28日日曜日

"The civil National Guard"???

Nationalists Buy Truck for Their National Guard
 なぜ軍以外の者が軍用トラックを購入できるのだ? なぜその見せびらかしをソフィア市が許可しているのだ?

温家宝首相

 CNNでFareed Zakariaのインタビューを受けていた。愛読書はマルクス・アウレリウスで、何百回読んだか分からないという。
 中国は現在グローバル・プレイヤーとして世界に認知されるかもう少し待たされるかの分かれ目にある。国家として苦しいこの時期にこの首相はよくやっている。Zakariaが彼を尊敬していることも見て取れた。

森鷗外「空車」

 この「空車」という概念は鷗外を理解する鍵概念の一つだろう。
 この比喩に惹かれている自分に気づく。

Save the Abandoned Children of Bulgaria

Save the Abandoned Children of Bulgaria: Online Petition Page
 Reports (1 of 5)

2008年9月27日土曜日

芥川龍之介「枯野抄」

 龍之介の「鬼」の側面がよく出ている好短編。

利他主義の起源

 最近私はどうも気が弱くなってきて、自分と異なる思想にも少し胸襟を開いて耳を傾けてみようという気になっている。それでこの記事も読んだ。Mathematics and faith explain altruism
 結論:Martin Nowakよ、もう少ししっかりしろよ。

匿名性

 私は残したい文書はディスクに残すようにしているが、残し方は色々で、著者名で残す場合は名字をアルファベット順にしてファイルしている。例えばFOUCAULT, Michelという名前のファイルには本人の文章、フーコー論、その他関連文書が雑多に放り込んであるという具合だ。
 ところが最近はブログでも面白いのがたくさん出てきて、その中にはペンネーム(何て言うのかね。ブログ名?)で投稿してあるものもある。99%はゴミなので心配しなくていいのだが、たまに残したいものがあると、その整理の仕方に困る。agnostic(氏?さん?君?)によるこの投稿もなかなか面白い。およそ知的でなく、かなり無理がある――無茶苦茶と言ってもいい――が、しかし面白さは持っている。
Graphs on the death of Marxism, postmodernism, and other stupid academic fads
 agnostic(不可知論者)のようにユニークなブログ名ならまだ何とかなるが、もっと一般的なブログ名の人の面白いのを整理し始めたら、一体どうなっていくのだろう。

もう笑えない?いやまだ笑えます。

Tourism minister apologizes for gaffes
 国を憂える「良識派」が憤るのは当然だし、言論によって「攻撃された」当の人々が憤るのは正当だ。
 しかし、ユーラシアの反対の極から見ていると、その発言内容と「弁明」は結構笑える茶番劇でしかない。クビになっても(当然クビだが)「元国土交通大臣」という肩書きは永久に残り、死んだら/或いは死ぬ直前に、勲章が「下賜」される。

Mary Kaldor

'New thinking' needs new direction グローバリゼーションを「戦争」の観点から論じる中では世界最高の研究者である――と私は評価している――彼女は、常に極めて平易な言葉でHuman Securityを論じる。
 そろそろ人類が彼女に追いついてもいい頃だ。そしてその兆候が見え始めたようだ。

田舎者

The innocents in Bulgaria
 これはシリーズ4本目の記事なのだが、いつも読んでいて微笑・苦笑・哄笑が交錯する。その底に流れるのはこのイギリス人夫婦と私に共通する「当惑」である。ブルガリアのことが何も分かっていない田舎者がこの国で感じることの多い当惑である。

2008年9月25日木曜日

CASA LUI HIRAMIE復活

 hiramieファンの皆様、お待たせしました。2か月ぶりにCASA LUI HIRAMIE再開です。

Bulent Ersoy

Turkish singer defiant in court
 命の次に大切なもの、局面によっては命よりも大切なもの、それは「自由」だ。
 思想・宗教・居住・職業・婚姻、あらゆる局面にわたってその自由が保障されねばならない。その根底にあるのはいうまでもなく言論の自由だ。
 人はそ(れら)の自由を保障する手段として納税し公的制度を維持する。国家も軍も法などもそれぞれその社会制度の一つに過ぎない。

メラミン事件

 今回の事件でもっとも驚いたことは、中国には「国家免検産品」制度というものがあり、特別なブランドには品質検査が免除され、そのブランドの製品にはそれを証明するマークが貼られていたということだ。事件を起こしたすべてのブランドがその対象だったという。
 国家による品質検査を免除する、なぜならその品質に関しては国家がアプリオリに保証するからだ、という循環論が今まで通用してきたということに何よりも驚く。

2008年9月24日水曜日

夏目漱石「学者と名誉」

 漱石は時として驚くほどまっすぐなことを言う。この一文もそうである。

森鷗外「駆落」

 「エリス」との恋とその顛末を知る読者は、鷗外は果たしてどのような想いでリルケのこの作品を読み、どのような想いで翻訳していたのであろうと思う。

ブルガリアとロシア間の旅行者数の不均衡

Russian tourists in Bulgaria are 30 times more than Bulgarian tourists in Russia
 経済力の差を考えると30倍という数字はある程度は致し方ないかなとも思うが、ブルガリアへ来るロシア人旅行者がトルコへのそれの十分の一しかいないという事態は何とかする余地はありそうだ。

太陽!


Active Region 1002 on an Unusually Quiet Sun
Credit: SOHO Consortium, EIT, ESA, NASA
 最近太陽活動があまり活発ではないようである。太陽風もこの50年でもっとも少ないそうだ。しかし、それにしてもこのエネルギーはどうだ。
 いろいろあるけど、まあ頑張ろう!という気持ちにならないか。(Click the picture to enlarge)

夏目漱石「岡本一平著並画『探訪画趣』序」

 漱石の慧眼。
 日本の何百年という漫画の伝統は、私の知る限り、実は世界的な人気とは裏腹に、断絶したままである。漫画は日本の文化だと開き直っていいらっしゃる新首相をはじめとする皆さんには、皆さんのお好きな「伝統」をまずおさらいしてから言っていただきたいものである。底の浅いチャラチャラしたものは「商品」として使い捨てればよいのであって、「文化」「や「伝統」などと血迷ったことは言わないでいただきたい。
 当の岡本一平の「漱石先生」を見よ。

森鷗外「魚玄機」

 薄幸の女性詩人へ注ぐ鷗外の眼差しは温かい。

夏目漱石「永日小品」

 しみじみとした味わい。肩肘張らぬ漱石は彼の一番よいところが出ていて好ましい。

質問

ベラルーシのサッカーチーム名から来たことは知っていますが、SofiaのБорисов市長をБате Борисовと呼ぶのはなぜですか。マフィアとしても十二分に通用するあの容貌と行動パターンの単細胞性から来ているのですか。日本語で言う「兄(あん)ちゃん」のようなものだと考えていいのでしょうか。

ブログ見っけ。。。

How to Marry a Bulgarian
 ブルガリア語以外の言語で書かれたブルガリア関係のブログでは僕の知る限り今のところ読むに値する唯一のもの。

大学入試個別試験「読解・作文」科目模擬問題

日本経済新聞「日本勢は米金融危機を好機にできるか」
読売新聞「米証券への出資 日本の金融機関が攻勢に出た」
 問:両社説の間に見られる論旨の異同と優劣を800字以内で論じよ。

2008年9月23日火曜日

ブルガリアにおけるムスリム

Imams Scarcity Closes Bulgaria Mosques
 Imam不足に関してMustafa Haciは二つの理由を挙げる。まず共産主義時代にイスラム教育が禁止されていたことを挙げるが、もう30年近くも前の話だ。その間何をやっていたのか。第2の理由は資金不足でImamたちに給料が払えず、彼らが働かない、あるいは経済的に恵まれた地に移ってしまうのでモスクが閉鎖されている地域が増えたと言う。彼によれば「日を追うごとに信者が増えている」そんな日の出の勢いの宗教のImamたちがなぜ欲得ずくで行動し、また資金不足にも陥るのか。
 そんな初歩レヴェルで論理的に破綻しているようなことばかり平気で言うほうも言うほうだが、それをそのまま掲載するメディアもどうかしている。

芥川龍之介「古千屋」

 ここに描かれているような「家康」を大将に据えて戦をしてみたいと思うのは私ばかりではあるまい。龍之介もそうだったと思う。
Guardian Angels Are Here, Say Most Americans
 驚くべき結果だとも言えるし、アメリカ合州国のことだからまあそうだろうな、とも思う。
 生きていくというのはどうやら大変なことらしい、とも思う。

「意識」調査

日本人の不安感:地震、温暖化、がん…意識調査で順位化
 「新聞に掲載された主要な災難から選んだ51項目について、「まったく不安ではない」の0点から「非常に不安だ」の5点までの6段階で点数を付けてもらい分析した。また、被害を抑える組織への信頼度も尋ねた。」とある。
 警察庁との共同研究だからこうなってしまうのだろうという「理解のある」見方も可能かもしれないが、そもそも「不安」の問題が(この記事から判断される限りでの)このような調査で浮き彫りにされると考えることはできない。
 意識化されるか否かにかかわらず、「不安」というものは新聞に報道されるような表層の「事件」を引き起こす/から呼び起こされる、はるかに捉え難いものだからだ。

2008年9月22日月曜日

国連への提訴

Roma sue the state for discrimination
Roma People Complain of Bulgaria to the UN
 国連が調査を開始してから2ヶ月が経過しようとしている。進行状況はどうなのだろうか。

文字

 例えば漱石の『永日小品』などを読んでいて「盤桓磅礴」などということばに出会い、あ、これもオンライン辞書に載せようと、他の作品の用例などを調べたりしながらしばらくいじくり回したのち、気分を変えようとJunot DíazのThe Brief Wondrous Life of Oscar Waoなどを読んでいると、これが共に「文学」の範疇に入れられているのが不思議なほど別物のように感じられる。時代とか作家の個性などというものだけではない。この違和感の最大の原因は明らかに使用されている文字の違いのなせる業だ。
 つくづく日本語という言語は変な言語だと思う。

エネルギー問題

 気宇壮大な論考。草稿はここで読むことができる。David J.C. MacKay:Sustainable Energy - Without the Hot Air

私は取り込まれている。。。

 30分足らず前にここにアップした記事がもうGoogle検索に引っかかりAlert Mailが私のところに送られてきた。そのあまりの速さに空恐ろしささえ覚える。まさにウェブ(クモの巣)である。

アメリカ人の「孤独」

A talk with John Cacioppo
 インタヴューを読む限りでは日本の問題との共通性を感じる。CACIOPPOは欧米間の違いの原因を移動の多寡に求めているようだが、ヨーロッパも今や移動社会である。日米の問題の性質の共通性を考えると、高度資本主義社会に内在する構造的な問題点をも考えてみるべきではないか。そうすると、国レヴェルだけではなく高度資本主義化・都市化の程度のファクターを考慮に入れることができるだろう。

'reverse migration'

East European workers quit UK to head home
 さてブルガリアは?

寒気団

 1週間ほど前に、数ヶ月慣れ親しんだ半ズボンに別れを告げて長ズボンに替えた。それ以来バルカン半島に寒気団が居座っている。
 ここにはクリの花が2度開花すると次の冬は寒くなるという言い伝えがある。今年も去年に続いて2度咲いた。
 半ズボンと草履で歩き回っていた日々がもう恋しくなりはじめた。

2008年9月21日日曜日

きょうのLiaison

タラ・プロジェクトのビーズ入荷しました。

芥川龍之介「玄鶴山房」

 救いというもののない生。強い印象を残す作品。

プロというもの

 Yellow Science
 科学の重要性を説きながら文章の論理自体があまり「科学的」でないことは事実だが、先ほどの阪急の話と考え合わせておもしろかった。
 プロ自身のプロ意識の維持と社会からの尊敬。鶏が先か卵が先かという価値のない議論をしている限り話は進まない。負のスパイラルを正のそれに転換することができるか否か。構造的な改革を企図しない限りそれは不可能だ。それはあらゆることに当てはまると思う。

敗戦と阪急

Theater, stores cheered up locals
 中井久夫がどこかに、阪急電車が敗戦後すぐ戦中のベニヤ板を窓ガラス戻し、煌く陽の光の差し込む電車を復活させて走らせたのを見てとても勇気づけられた記憶について書いていた。その事実とこの宝塚歌劇の復活の記述を合わせて考えると、敗戦直後の打ちひしがれた日本人たちを元気づけるために当時の阪急の経営姿勢の果たした役割の大きさを思う。
 企業も社会の一員であるという明確な意識と責任感を少なくとも一部の企業は有していた時代だった。

森鷗外「牛鍋」

 冷徹かつ温かいまなざし。

ブラームス間奏曲第3番op.117.

 さっきRado Lupuの演奏がBBC Radio3から流れてきて、勉強の手がまったく止まってしまい、ずっと聴き入っていた。
 誰にでもそういう音楽がある。具体的にこれという特定のエピソードや思い出を持っているわけではない、或いは存在していたとしても覚えていない、にもかかわらず、その第1音が耳に飛び込んできた途端身体全体が揺り動かされる始める「記憶」。
 私にとってこの曲はそういう曲の一つである。

...

Stuff White People Like
 人気のあるブログの一つだそうだ。控えめに言っても僕には子どもの遊びにしか見えない。さらに言えば、徹底的に自らをも洒落のめす能力を持つごく少数の者を除けば、極めて危険である。
 「黄色人種の好きなもの」「日本人の好きなもの」「ブルガリア人の好きなもの」という類の問題設定の仕方をしている者を見て、あなたはどう思うか。

2008年9月20日土曜日

森鷗外「雁」

 これで何度目か知らないが、当然のことだが読むたびに少しずつ異なる読み方をしている自分に気づく。
 若い頃は「僕」や岡田に近い視点から作品世界を経験していた。先ほど読み終えて、今回は自分がお玉に近いところから世界を見ていたことに気がついた。なぜかは分からない。

"Atonement"

Part Oneを読み終えた。登場人物たちの心理描写が詳細過ぎたような印象もあるが、しかし、読ませる作家である。読みながら、何度か体の振動するのを感じた。
 さて、お楽しみはこれからだ。

きょうのLiaison

秋物商品続々入荷中です。

我々はなぜ発熱するか

"A few microbes are more sensitive to heat than our own bodies are. By raising our body
temperature, we in effect try to bake the germs to death before we get baked ourselves." (Jared DIAMOND, Guns, germs and steel)
彼はこの書物ではとても生真面目であまり冗談を言わないのだが、たまに言うと面白い。

芥川龍之介「犬養君に就いて」

 分かったような分からぬような比喩。龍之介が犬養を評価していないことだけは看取できる。

「ブルガリア的寛容」の危機?

Ethnic Turkish Party Say Religious Tolerance in Bulgaria Artificial
Ethnic Turkish Party MRF Wants to Question Interior Minister over Mosque Attacks
 ムスリムはかなりの権力を持っているから、自分たちの主張を展開することができる。より深刻な問題は、おそらく彼らと同数程度いると推測されるロマの人々のために声を上げる人が驚くほど少ないことである。

芥川龍之介「犬と笛」

 優しい龍之介。

「睡眠」の役割

Sleep on It: How Snoozing Makes You Smarter
 分かりやすく書かれていて読みやすい。十分な睡眠をとったあと書かれた記事なのであろう。
 私がいまだに馬鹿なのは、ずっと寝る間を惜しんで勉強してきたからであって、決して私自身の責任でないことがこれによって証明されたことも喜ばしい。

2008年9月19日金曜日

???

National Assembly presents Prof. Georgi Markov's book "Bulgaria's Independence during the 1908-1909 Balkan Crisis”
Bulgaria finally took down the fez with the proclamation of the independence: professor
 この記者の頭が悪いのか、頭の悪いのは実はこのMARKOVなのか分からないが、この二つの記事を読んだ限りでは、およそ学術書とは呼べないような書物だという印象しか受けない。

Van GOGH

Nocturnal van Gogh, Illuminating the Darkness
 一人の日本の中学生の絵画への眼を開いてくれた画家の一人だった。そしていまなお変わらぬ愛を感じるごく少数の画家の一人でもある。
 逸品ぞろい。来年1月5日までです。NYにいらっしゃる方は必見。

2008年9月18日木曜日

芥川龍之介「結婚難並びに恋愛難」

 また一つ、ここにも不可解な一篇。

敗戦直後の日本の姿

Letter trove details Occupation life
LETTERS FROM KOBE
 そこらへんのくだらぬ「日本論」よりはるかに面白そうだ。英語版だけでなく、日本語訳も出版して日本の人たちにも読んでほしい。

「塀の上のブルガリア」

プラウダ紙が厳しい論調の記事をきょう掲載したようだ。Russian Press: Bulgaria Is Playing Dangerous Game with Russia and Georgia

きょうのLiaison

時に内は外  始まります。

芥川龍之介「芸術その他」

 龍之介がいかに生真面目な人物だったかがよく分かる文章。これでは確かに身が持たぬ。

想起というもの、その2

 たった今、先ほどの話は前に読んだことがあるという指摘をいただいた。せっかくアップしたので消さないが、さっき触れた「記憶」というものと「記憶力が悪い」と言う際のこの「記憶」とはまったく質の異なるものだということも面白い。

想起というもの

 さっき、ふと思いついて、砂糖を皿に入れ、それにパン切れを押し付けて食べるという、幼稚園に通っていた頃のうちのおやつを思い出してやってみた。
 舌の感触・味・香りは言うまでもなく、四十数年前の「記憶」が身体全体に蘇る。その記憶は具体的な言葉にはならない、名状しがたいものの記憶であり、現在の私の中に4、5歳の私が今も生き続けている、というような感覚だろうか。
 プルーストのマドレーヌとの絶対的な階級差は感じるが。

悲喜劇

In Japan, a ghost town becomes a boom town
 誰を、何を嗤えばよいのか。人間の愛すべき愚かしさはいつもいずこも同じ。

ブルガリア人の対ロ感情

Bulgarians not concerned about Russia’s role as an energy provider, survey shows
 オスマントルコ帝国からの独立を助けてくれた(と信じている)という歴史的経緯もかなり関与しているのだろうが、ソ連の衛星国だった時代への郷愁も現在のロシアの政策への共感も他国に比べ比較的強いという印象がある。

ヨーロッパの人種差別問題

Anti-Jewish and anti-Muslim attitudes rise in Europe
History repeating
 ユダヤ・モスレム・ロマ…。社会・経済的な袋小路にある時、必ず少数派がスケープゴートにされる。人類はまだその問題を克服してない。

2008年9月17日水曜日

芥川龍之介「軽井沢で」

 天才。しかしこれも痛々しい。

N.B.笑い話ではない

Leading scientist urges teaching of creationism in schools
 あの国は長年基本的にしっかりしたものを社会の基底に育んできている国だから心配する必要はまったくないとは言うものの、いやはや。。。

日本における性奴隷史

Cenotaph unveiled for wartime sex slaves on Miyako Island
 日本近代史における醜悪極まりない汚点の一つ。聞きたくない事に対して耳をふさぐ「愛国心」は幼児的であることを通り越して犯罪的である。健全な歴史意識も永久に育たない。
 折りしも明日BBCRadioは日本軍の性奴隷問題を特集する。

被害届問題

Crime tendencies in Bulgaria negative -study
 この記事に書かれている程度ではもう驚かなくなった。ただ、ブルガリア人が警察に被害届を出すのを渋る傾向が強い理由として”fearing that their anonymity might be lost and they will suffer negative consequences.”と書いているのだが、これでは何のことか分からない。何となく想像はつくが、なぜジャーナリズムまでがこんな回りくどい言い方しかしないのかが分からない。誰か教えて。

"EUROZINE"

 また一つかなり良質のサイトに出会ったので紹介する。EUROZINE
 EU言語の中では英語とデンマーク語ぐらいしか分からない私はいまはNewslettersのsummariesを読むぐらいであるが、他のEU言語も使い、かつできれば日本語も使う人といろいろなトピックで議論してみたいと思ったので紹介する。

2008年9月16日火曜日

???

The Sex Industry in Bulgaria Generates 1 Billion Euro Income
 最近またショッキングな記事ばかりアップしているような気もするが、僕自身が本当に驚いているのだから仕方がない。
 ブルガリアの産業のトップが麻薬ビジネスで、2位が盗難車ビジネスで、3位が性産業の10億€? 売春婦一人当たりの月収が12,000~18,000€? ほんとなの?間違いじゃないの?

きょうのLiaison

写真展ワークショップ受付終了のおしらせ

日本研究資料

The withered middle-aged guy becomes a hot item in Japan's dating market
 このKaori Shojiという人は悪くない。もっと読みたい人はこちら

男と女

As Barriers Disappear, Some Gender Gaps Widen
 evolutionary psychologistsとsocial-role psychologists。研究の最先端でも見方は大きく分かれている。素人の僕に分かるわけがない。僕に聞かないでください。

EU脱税ランキング

Bulgaria Ranked Third in EU in Tax Evasion
 2位のルーマニア、3位のブルガリアに関してはもはや驚かなくなったが、驚いたのは1位のイタリアの数字だ。GDPの23%。最も脱税の少ないスウェーデンは3%だから8倍近くということになる。

2008年9月15日月曜日

芥川龍之介「二つの手紙」

 前にも書いたが、龍之介はこのような神経症的な素材を扱う時、一層の凄みを身に帯びる。

synesthetes?

Poetry Comes from Our Tree-Climbing Ancestors, Neuroscientist Says
 例によって論文ではないので、これだけでは何か言ったことにはならない。"a vision-informed mental map"と"a touch-informed mental map of our limbs' positions"との間の相関、というのはよく分かるが、それがどのようなプロセスを経てsynesthetesを生み出すに至るかにはこの文章から判断する限り論理上の大きな飛躍がある。
 もちろん彼の専門的な論文を読もうと思うまでの関心はないので、少し楽しませてもらった、ということでいいのだが。

新聞購読と投票行動

 アメリカ合衆国においては、その新聞の基本的思想とは関係なく、新聞を読む人は読まない人に比べ民主党候補に投票する傾向があるとこの論文は結論づけている。Does The Media Matter? A Field Experiment Measuring the Effect of Newspapers on Voting Behavior and Political Opinions

日本の余剰米

 Washington Postから日本政府への批判が続いている。Release the Rice (III)
 これまでの記事も含め、日本の構造的な問題にメスを入れようという狙いも併せ持った鋭い指摘である。日本政府は有効な手を打てないでいるようだが、Washington Postは言いっ放しでいつの間にかおとなしくなってしまうようなメディアではない。さて日本はどう出るか。

新学期

 ブルガリアでは高等教育機関を除く公教育ではきょうが新年度開始である。60,000 First Grade Students Start School in Bulgaria
 約25%がドロップアウトするというのは、数字を突きつけられてみるとやはり愕然とする数字である。統計手法にもよると思うが、日本の約10倍と考えてよかろう。

2008年9月14日日曜日

Georgi Kitov死す

World-famous Bulgarian archeologist Georgi Kitov dies at 65
 いろいろ物議を醸しもした人だったが、M.Unitedの何とかさんと並んでとにかくブルガリアでは有名人物であったことは確かだ。

"Guns, Germs and Steel"メモ

 Jared Diamondによれば、メキシコ高地とエクアドル高地との間の距離は約1200マイルで、これは「肥沃な三角地帯」とバルカン半島間の距離とほぼ同じである。
 後者は共に同緯度にありその伝播ルートの各地も含めて同様の気候を持つため、バルカン半島はメソポタミアの2000年に及ぶ穀物と家畜のほとんどを一挙に「パッケージ」として受け取ることができた。(バルカン半島は現在もこの賜物を享受している。その豊かさはここに住んだ者にしかわからない。)
 反対に前者は南北に長い軸であり、伝播ルートの途中に暑い中央アメリカの低地があるため、メキシコトウモロコシなど少数の例外を除き、ほとんどメキシコの農作物・家畜が南アメリカには広がらなかった。

心も魂も・・・


The Heart and Soul Nebulas
Credit: Digitized Sky Survey, ESA/ESO/NASA FITS Liberator;
Color Composite: Davide De Martin (Skyfactory)

芥川龍之介「袈裟と盛遠」

 恐ろしい。そしてすばらしい。

人類に宇宙を破壊する能力があるか否か

A 1-in-1,000 Chance of Götterdämmerung
 ある意味では既に大した技術ではないロケット事業などよりも高度な、かつ意義ある事業だと思う。世界を駆け巡った数々のデマは無知と狂信者たちの仕業として無視してよいが、人類の科学がここまで進歩したことを私は素直に喜ぶ。

2008年9月13日土曜日

芥川龍之介「金将軍」

 至極まっとうな歴史意識。まともな者ほど潰されていく時代であった。それがもはや過去のものとなったかどうかは・・・自信がない。

Correction

 さきほど嘘を教えた。夢の中でとはいえ寝覚めも悪かったので、ここにお詫びすると共に訂正する。
 正しくは「身體髪膚、受之父母、不敢毀傷、孝之始也」(身体髪膚これ父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり)(『孝経』)である。

2008年9月11日木曜日

ユーラシア

 すでにローマ帝国時代、帝国の農作物のうちイタリア原産のものはカラスムギとケシだけで、残りはすべて他地域から招来されたものだった。それは、アイルランドから日本までユーラシアがほぼ同緯度で東西に広く広がっているということが「肥沃な三角地帯」を原産地とする農作物をユーラシア全域に広く・早く行き渡らせたからだとJared Diamondはいう。「食の国際化」は2000年前からのありふれた現象なのだ。

芥川龍之介「金春会の『隅田川』」

 名優による「隅田川」。龍之介が用いた「戦慄」ということばがこれほど相応しいものはない。個人的にも、私が能の魅力にとりつかれるようになったきっかけも同様の体験だった。

2008年9月10日水曜日

But I don't think people have babies because it is their patriotic duty.

The new Hungary finds a population growing old
 問題は複雑かつ困難なもののように見える、一見。しかし実は簡単な問題である。誰も出て行きたいと思わないような社会、その国に住みたいと多くの人が思う国にすればよい。

2008年9月9日火曜日

日本の次期首相候補たち

首相候補たちをドリンクにたとえて品定め
 山崎氏の評価がほぼ私のと一致することに驚いた。しかしそんなことはどうでもいい。愕然とするのは、これが次期のリーダーとなるべき候補者たちの顔ぶれか、ということである。
 日本は本当に危機にある。

素粒子物理学ラップ

The Large Hadron Rap
 すばらしい。。。面白い。。。

「離婚遺伝子」の発見

男性の“離婚遺伝子”発見、「破たん」か「危機」が2倍
 2倍というのは馬鹿にできない数字である。結婚したいと考えている女性(そんな物好きな人がいればの話だが)はこれからは候補者がAVPR1A遺伝子を持つかどうかをテストしてからにしたほうがいい。

学習意欲というもの

「学習意欲」、本能かかわる脳中枢に 大阪市大など解明
 記者は意外だと言うが、直観的には人類の進化の過程と整合する事実だと思う。簡単に言えば、「好奇心が正の方向に満たされれば人はさらに好奇心を育む。その繰り返しを正の方向に活かしてきた者だけが生き残ってきた」ということだ。

2008年9月8日月曜日

科学の終わり?

Looking Back at the End of Science
 少なくとも最前線で闘っている人々だけは本当にまじめに考えているということだけは分かる。

マンガ

'Manga' viewed as vibrant info conduit
 この記事を読む限り、マンガは子供向けだという批判をいまだに乗り越えられてはいない。

消費

 日本人は衣服・電化製品・生活用品を合わせた額よりも多くを余暇のために消費する。 
Guccis or Gadgets?
What Your Global Neighbors Are Buying

2008年9月7日日曜日

BBC Learning English

 いいのを教えてもらいました。BBC Learning English.
 こういう良質なものを基本に据えて、ウェブ上の辞書なども併用して、Skypeなどで会話にも慣れていくようにすれば、高いだけで馬鹿な教科書や偉そうなだけで馬鹿な教師に我慢せずとも自律的に学習できる時代になりました。
 少なくとも英語に関しては完全にそういう段階に入りました。日本語教育にも早くそういう時代が来ればいいと思います。
 

2008年9月3日水曜日

きょうのLiaison

ヒマラヤンマテリアルのリュック入荷しました。

芥川龍之介「近頃の幽霊」

 本当に彼は幽霊だの悪魔だのに取り付かれていたようだ。

サイエンス・ライター

 LIFE OF THE MIND
 すばらしい。研究の最前線を実に分かりやすく、平易な言葉で眼前に展開してみせる。日本語世界にもこういう書き手がほしいものだ。

「日本、降伏文書に調印」

1945: Japan signs unconditional surrender
 19450902。新生日本の出発点。19450815と共に、良くも悪くもこれが日本が常に回帰する一点である。

2008年9月2日火曜日

???

 この記事の内容で僕が理解・納得できる点が何一つない。なぞなぞのような話。僕もやはりこの国について何も分かっていないようだ。One in three Bulgarians of working age is unemployed

きょうのLiaison

MarieLeeミニギャラリー

Dimiter Kenarov

 すばらしい。これはブルガリア語に翻訳されているのだろうか。或いは彼はこれをブルガリア語でも書いているのだろうか。
 Game Over, Perseverance, All I Want Is Everything

経験

 ヨーグルトのTVコマーシャル。「お腹の中から美しく。」というナレーションをしている人が99%の確率でブルガリア人だと断言できること。ブルガリアに来て1年。何も学んでないようでいて、やはりなにがしかの経験を積んでいるらしい。

Julian Barnes "The Revival"

The Revival
老いたTurgenevの恋。文句なしの傑作。しかし子どもにはわからない。

芥川龍之介「教訓談」

 病む龍之介。ここにもまた一つ。

先住民族差別問題

Japan's Ainu minority discovers ethnic pride
 コップの中の醜悪な権力争いをする前に日本には先にやるべき宿題がたくさんある。

クズ

 自分のことを大切にされて当然の存在と考えているクズほど醜いものはない。
 もって自らの戒めとする。

福田首相辞任

 欧米のメディアが大騒ぎである。日本に対する通常の「無関心」を考えると異常とも言える注目の仕方である。それも、またぞろ「不可思議な日本」だ。
 日本を少し勉強した者なら日本における首相を含む「指導者」というものの位置がどのようなものか十分に知っている。この程度の「事件」はニュースではあるが「大ニュース」ではない。まったくもって何も分かっていない。日本はまったく理解されていない。
 ジャーナリズム一般の無知の問題はさておき、日本でさえこうなのだからさらに注目されることの少ない国や社会に対する世界の主流メディアの理解はよほど浅薄なものなのだろうと推論できる。
 隠遁してしまいたいという私の思いはますます強まってゆく。

2008年9月1日月曜日

芥川龍之介「凶」

 病む龍之介。。。

信仰か唯物論か

 宗教関係者や神秘主義者は読みたくないだろう。
 Flesh Made Soul

日本における旅行熱の低下

Less Yen for Foreign Travel In Aging, Risk-Averse Japan
 2000年も続いてきた東アジア人の「好奇心」がそれほど簡単に消滅するとは考えにくい。この記事のように半年後には有効性を失うような表層の現象に囚われず、時空間的に巨視的にものごとを見つめることが必要だ。

2008年8月31日日曜日

不愉快な出来事

 異文化の只中に暮らしているのだから、不愉快なことも多々ある。なんでそうなるんだ、おかしいじゃないか、というようなことも多い。
 その時、「ここはブルガリアだから仕方がないです。」と言われるか、僕の身になって一緒に闘おうとしてくれるか。そこは大きな分水嶺だ。後者のタイプの人は僕がブルガリアの悪口を言うたびに怒り出し「お前は何も分かっていない」とブルガリアを擁護するのだが、しかしいざ僕がそのような不愉快な出来事に巻き込まれるや否や、一転して猛然と自分が愛しているはずのブルガリアへの攻撃に転じる。こっちはそれに感激して(恐れをなして、ということもある)結局「も、もういいよ、まあまあ、そのへんで。。。」と言うはめとなる。そのような人があなたの前に現れたとき、あなたはその国を愛するようになる。

芥川龍之介「京都日記」

 しみじみとした味わい。久しぶりに京都時代の夢を見たのもそれが理由かもしれない。

2008年8月30日土曜日

チョモランマ頂上からの360度


The View from Everest
Credit & Copyright: Roddy Mackenzie
Click the picture to enlarge

2008年8月29日金曜日

日本のデザイン

Japanese Design's Greatest Hits
 伝統・コンパクト・ハイテク・カワイイ。こうやって並べてみると、なかなか興味深い国ではある。

きょうのLiaison

9月、10月のLiaisonアートスペース

きょうの山崎元

 すっかり「追っかけ」になっている。。。
 ホリエモン・ブログに思うネットの「野暮」と「粋」
 星野仙一氏のWBC監督就任に反対する
 なんでそんな下らない事柄にまで一生懸命関心を抱き続けるのだろう、と半ば呆れながらも、いつもながらの鋭く的確な分析に感心する。

きょうのLiaison

時に内は外

日本とドイツ

German women struggle with gender wage gap
Japanese Women Shy From Dual Mommy Role

 ドイツの状況に関しては歴史的・文化的な視点を、日本の状況に関しては経済的な視点を、それぞれ組み込みながら分析してほしかった。新聞だから仕方がないといっても、ウェブジャーナリズムとの差異化を図りたいなら、旧メディアには質的な進化が要求される。