2008年2月20日水曜日

「コミュニケーション能力」

 今朝10時前、掃除のAlbenaと久しぶりにトイレで顔を合わせた時――後期は一番早いクラスでも10時なので彼女に会うことは少なくなったのである――、掃除中だと気づいて出ようとしたら彼女は何か早口で二言三言言ってすぐに出て行った。その中で僕が理解できたのは"много(とても)"という副詞だけだった。
 しかし、彼女の表情と身振りから「いや私が出て行くからいい。床が滑りやすいから気をつけて。」というようなことを言いたいのだということは即座に分かった。誰かあとで彼女に確認してくれてもいいが、私はこの解釈に100%自信がある。
 僕の言う「コミュニケーション能力」というのは、彼女がいつも発揮するこういう種類の能力のことなのである。それは目標言語の単語をいくつ知っているか、とか、文法にどれほど詳しいか、ということとはほとんど――まったくと言っていいほど――関係がない種類の能力だ。
 そして――いや、しかし、と言ったほうがいいのか――、それは、スキルとかタスクというようなものでも説明し切れぬものであるような気もするのだ。しかし、よく分からない。ひょっとしたら現時点では幼稚としかいいようのないそのような手法も、無限に微分化を続けていけば最終的には解決に至ることのできる問題なのかもしれない。
 要するに、よく分からない。

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