2008年3月2日日曜日

芥川龍之介「一つの作が出来上るまで」

 冒頭にこう書いている。
 「或る一つの作品を書かうと思つて、それが色々の径路を辿つてから出来上がる場合と、直ぐ初めの計画通りに書き上がる場合とがある。例へば最初は土瓶を書かうと思つてゐて、それが何時の間にか鉄瓶に出来上がることもあり、又初めから土瓶を書かうと思ふと土瓶がそのまま出来上がることもある。その土瓶にしても蔓を籐にしようと思つてゐたのが竹になつたりすることもある。」
 神の創造に関しても冗談めかして同じようなものだろうと言っている。
 そういう立派なものに限らないだろう。生きるということはそういうことだと誰もが言うだろう。
 その中でも僕のはどちらかと言うとその程度が激しい部類に入るとは思うが。

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