2008年5月6日火曜日

「島国根性」

 昨日書いた日本の閉鎖性は、最も動きの早い経済の領域で最も顕著に出始めていることをNewsWeek誌が報じている。This Nation Is An Island
 大きな問題であることは事実である。ただ昨日書いたことを補足する意味も込めて言えば、10年や20年の短期的な視野で現象を見ることの限界も忘れてはならない。
 文化史・文明史的に見れば、日本列島に住む人々が「外部」との関係において真の意味で積極性を見せた時は皆無といってよい。侵略性を露にした時代は言うまでもなく、正の意味での対外交流であるように見える、唐との交渉も「文明開化」も敗戦後の「民主日本」建設も、徹底的に正面から向き合ったというよりは寧ろ表面的な文物の「導入」に留まった――或いは留めようとした――といったほうが正確であろう。
 あの列島に住む人は、幸か不幸か、「島国根性」でこれまで何とかやって来られたのである。
 しかし、グローバリゼーションは人類が初めて経験する段階に入った。
 このグローバリゼーションの徹底化の中で、その千数百年に及ぶ「島国根性」の歴史が果たして終わるのか、逆にそれが日本を衰退に追いやるのか、それともこれまで通り、「島国根性」を抱えたまま何とか乗り切ってしまうのか。
 興味深く観察させていただこう。

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