2008年7月31日木曜日

日本における弁護士の位置

In rural Japan, a shortage of lawyers
 読者を色々と考えさせる視点をちりばめた面白い記事だ。日本の記者なら書かない/書けないだろうと私が面白く思ったのは、まだ弁護士が挨拶に来ないと市長が怒っているというエピソードだった。この挿話からは以下のような種々の視点が導き出せるだろう。
 日本社会において法というものがどのような位置を占めているか、弁護士という職業がどのような眼差しで捉えられているか、さらにはそもそも日本社会においては歴史的に種々の利害対立をどのように処理してきたのか、などというところまで読者は考えようとするかもしれない。
 
日本に取材したNorimitsu Onishiの記事は以前からNYTimesでよく読んできたが、読者の問題意識を喚起しようという姿勢を明確に持ったこのような優秀な人の手になる記事をさらに期待する。

2008年7月29日火曜日

進路について

「一流会社の二流社員」か、「二流会社の一流社員」か?

 山崎元が今日もいいことを言っている。「自分が好きだと思える仕事をすることと、なるべく早く自分の仕事のスキル・レベルを上げて自分の人材価値を作ること」。
 「人材価値」という表現などに表れる金融専門家らしい価値観に違和感を感じることが時折りあることも事実だが、しらっとした顔でこんな誰でも言いそうなことを言う、その底の、この人の芯の部分にある「まっとうさ」を私はかなり信頼している。

きょうのLiaison情報

ケニアのハーブティ

2008年7月28日月曜日

EHRENREICH, Barbara

 America's last taboo
 Guardian魂はまだ残っていると感じさせてくれるインタヴューではあるが、もう少し切り込んでほしかった。

2008年7月26日土曜日

宇宙・時間・エントロピー

Mysteries of time, and the multiverse
 Sean Carrollは明晰な説明のできる稀有な科学者だ。

日本像の変容

Japan's newest growth industry: Asian tourists
 これも一つの表れだろう。経済効果は別として、(東)アジアの平和と安定にも貢献できるものだとすれば観光だといって馬鹿にするのは間違いなのだろう。

El otoño del patriarca

 Gabriel García Márquez。1975年作品。
 彼の作品のいずれにも言えることだが、私の場合はどうも意識下で大きな影響を受けるらしく、彼の作品を読んでいる間は奇妙な夢を見ることが多い。
 それはこの『族長の秋』にもあてはまる。目覚めてからも、ああさっきの夢はあのシーンの焼きなおしだなとか、さっきの夢の中の僕の台詞は彼の文体の真似をしていたんだなとか、と気づくことが多い。
 恐るべき作家である。

2008年7月25日金曜日

ブルガリアのベビーブーム

The baby boom in Bulgaria
 珍しく現代ブルガリアを(/の一面でも)分析したものかと期待したのだが失望した。おまえがまだブルガリア語ができないからだという声が聞こえてきそうだが、現代のブルガリア社会を分析したもので自信をもって推薦できるものがあるなら教えてほしい。辞書と首っ引きをしながらでも読むから。

ミツバチ

 室内で育てている鉢植えの花に次から次へとミツバチがやってくる。開け放した窓を通って、いまも一匹やって来ている。一生懸命花から花へと蜜を集めている。それはいいのだが、窓ガラスに阻まれて外に出られずじたばたしていることが多い。
 この前ヨーロッパ中のミツバチがほぼ壊滅した時にも全く被害を受けなかったブルガリアのしたたかなハチたち。
 がんばれよ、と声をかけて窓外に送り出す。

Arthur Schnitzler, "ANDREAS THAMEYERS LETZTER BRIEF"

 森林太郎訳「アンドレアス・タアマイエルが遺書」。
 人間の内奥を容赦なく抉ってやまぬ。怖るべき作品。

Mirrors Don’t Lie. Mislead? Oh, Yes.
 そもそも僕は鏡を使って自分を見るという習慣を持っていないのだが、それにも実は僕自身が認めたがらないような深い意味があるのかもしれないね。 

きょうのLiaison日記

トウフクロ展 そのまま。

2008年7月24日木曜日

戦後日本と産業

 Japan Sees a Chance to Promote Its Energy-Frugal Ways
 戦後日本は新憲法の下で「人類の幸福と平和」をキーワードに、よたよたしながらも、歩みを進めてきたと思う。それは産業人にとっても同様だったはずだ。
 ますますグローバル化が進み、自国民の幸福と平和は地球大のそれと密接不可分になりつつある。矮小な「国益」「社益」概念のみに囚われぬスケールの大きな見取り図のもとに着実に歩みを進めることが重要だ。「平和」「環境」「衛生」「健康」。。。一見耳障りのよいことばたちが偽善的な口実に成り果てることのないよう望む。

huge living-box

 Michail Ryklin, In the burning house
 ただただ息を呑む。

きょうのLiaison日記

彩--irodoru--いよいよ明日から。

2008年7月23日水曜日

mall of education

 ヘーゲルもマルクスもフロイトも教えない大学は大学ではない。
 Gone, and Being Forgotten

安西篤子『千姫微笑』

 読ませる。直木賞を取るような作家とはこういうものなのだろう。成熟を感じる。

孤独の密かな楽しみ

 短いがいい文章だ。
 A Secret Society of 30 Million
 Klinkenborgさん、もっといい方法がありますよ。読者が3人ほどしかいないブログを営々と続けること。これです。
 と、ここまで書いて、Klinkenborgの文章にはほんの四日前にも惹かれると書いたばかりだということに気づいた。また一人好きな書き手を見つけることができて幸せなことである。

きょうのLiaison情報

フェアトレードひょうごネット特別セミナー&フェアトレードフェア

2008年7月21日月曜日

銀河の衝突

(Click the pic. to enlarge)
The Colliding Spiral Galaxies of Arp 271
NGC 5426とNGC 5427。二つの螺旋銀河の衝突。通常はより大きな銀河のほうが小さいほうを呑み尽くすのだが、このケースは衝突後も双方共に生き残ると予想されている。

きょうのLiaison

オーガニックコットンTシャツsummer sale

2008年7月20日日曜日

『蟹工船』

 数日前にここでも触れた多喜二の『蟹工船』ブームを東京新聞の名社説シリーズ「週のはじめに考える」が取り上げた。いつもほめるのは少し癪にも触るのだが、日本の新聞の社説ではこの「週のはじめに考える」が飛びぬけてすばらしい。日本研究を志す学生諸君にはせめてこのあたりを出発点にしてほしい。
 『蟹工船』が着く港

もう1年まだ1年

 1年前のちょうど今日、私はここSofiaにやってきた(厳密に言うと延着のせいで日付は変わっていたが)。

 自分では気がついていなかった。何人かの人に指摘されて気がついた。

 自分よりも周囲の人たちのほうが私の生活のことをよく知っているというこの事実が、端的に、私が日本を出、ここで充実した生を送ることができていることが、己の力によるものではまったくなく、実はひとえに多くの人々の善意や理解によってもたらされたものに他ならないということを物語っている。

 仏教徒がよく使う「生かされている」ということばはこういうことを指しているのかもしれない。

2008年7月19日土曜日

第4回ブルガリア日本語教育セミナー

 会員の方はお忘れなく。また翌日の日曜日には教師会の「懇談会」と「日本語勉強会」も開催されます。詳細はお問い合わせください。
国際交流基金「海外日本語教育ネットワーク形成助成プログラム」支援
「第4回ブルガリア日本語教育セミナー」
非漢字圏出身学習者に対する漢字教育: KanjiKreativ採択セミナー&ワークショップ
日程:2008年7月24日(木)~26日(土)
会場:ブルガリア・ソフィア大学東洋言語文化センター 
(79 Todor Alexandrow Blvd, Sofia 1303, Bulgaria)
テーマ*:非漢字圏出身学習者に対する漢字教育:
KanjiKreativ eラーニング・プログラム採択-「漢文字から漢字文脈化」へ
講師:山田ボヒネック頼子 (ベルリン自由大学日本学科准教授)
問い合わせ:アルベナ・トドロヴァ(albena_bem@yahoo.com

In Egypt, inflation means one precious day at the beach
 確かに海はいい。人として生を受ける時に賦与されたはずの無条件の平等を享受させてくれる場はこの世知辛い現代では他にはほとんどない。ここブルガリアでもSofiaっ子の多くが夏になれば黒海まで出かけていきたくなることの中にもそういう気持ちが働いているのだろうか。
 この記事の文章には単なる外国事情紹介とは一線を画した一種の詩情があって好感を持った。

Ephesusと木星

(Click the pic.to enlarge)
Jupiter over Ephesus

治安

 ブカレストのCASA LUI HIRAMIEさんの周辺で物騒なことが頻発しているようだ。
 僕の周辺はこの1年平穏無事だったんだよなあ。裏で火事があった(おかげでSofiaの消防士の技術水準が分かった)のと、時折り銃声らしいのが聞こえた(近くじゃないからここまでは流れ弾は飛んでこないよと友人に言われた)のと、Sofia郊外の軍の武器庫が大爆発した(早朝から花火かよと起こされた。さすがにこの事件はBBCでも取り上げられた)ぐらいしかない。いつもリュックのファスナーが開いていると友人にたしなめられるが、まだすりにも引ったくりにもお目にかかっていない。
 まあ、そろそろなんでしょう。

今日のLiaison情報

Ogura Taketo展

2008年7月18日金曜日

кайсия

 スモモ。アプリコット。
 最近とても好きになった。食べやすく、僕の大好きな熱帯のフルーツ類に近い味を持つ。

ブルガリアの腐敗

 来週水曜に公表されるはずだったEU CommisionのOLAF reportがリークされ大騒ぎである。EUがメンバー国に対してここまで容赦ない批判を加えた例はこれまでなかったという。ブルガリアは610,000,000€(1,06o億円)の補助金を失い、Schengen zoneへの参加も危ぶまれることになる。
 既に加盟している諸国やEU参加を目指す諸国への一罰百戒の狙いも込められているようだが、なぜ努力しない国のために我々の税が浪費されねばならないのかというEU市民の批判も頷ける。
 私の知る若い人たちの多くは現政府に対して憤りを感じている。それが希望といえば希望だろう。
 EU plans to block aid to Bulgaria

2008年度京都教育大学国文学会

下記要領で開催されます。会員の方は振るってご参加ください。
日時 2008年8月2日(土)13:20~
場所 京都教育大学 F16(F棟16教室)
研究発表・講演者および題目
■研究発表
1. 「~たり~たりする」という形は標準的か?
  ―コーパスからみる母語話者と学習者の実態―
     大阪府立大学大学院・本学非常勤講師  中俣尚己
2. 小学校二年生の国語教室―一年間の取り組みを通して―(仮題)
     草津市立志津小学校教諭        橋詰加奈
3. 言語感覚育成の取り組み―連句創作、俳句創作の試みを通して―(仮題)
     私立東山高等学校教諭         柴田昌平
4. 漢文をジャンルで考える
     本学准教授              谷口匡
総会 16:20~
懇親会 17:00~ 会場・職員会館(会費3,500円)
(問い合わせ先:事務局
kokubun@kyokyo-u.ac.jpまで)

VERLYN KLINKENBORG

Summer Wind
 THE RURAL LIFEはNYTimesの中でも僕が最近愛読している欄である。こういう種類の文章を愛するようになったこと。このこともここブルガリアに住むようになってからの僕がいかに変わってしまったかを物語っているように思う。一番驚いているのはもちろん僕自身である。

楊逸の芥川賞受賞

 各紙社説が取り上げている。
 読売新聞(芥川賞 外国人が日本語で書く時代)がひどかった。一応祝福はしているものの、どうも文学には暗いらしい(筆者は恐らく受賞作を読んでさえいない。)読売のいつもの社説らしく、極めて浅薄な話に終始している。「日本文学」は「日本人」の手になる文学だという未検討の俗説に未だ囚われている。「日本語文学」という新しい概念も知らないようだ。「外国人の感性が刺激となって、日本文学にも新たな活力が生み出されていくことだろう。」という結びの言葉がその限界を端的に物語っている。せめて、朝日新聞(芥川賞―外から吹き込んだ新風)や東京新聞(芥川賞 新しい物語の始まりだ)程度の教養のある者を編集委員に加えるべきだろう。

木たちと私たち

 Alan Jocobsの手にかかると、単なる書評が一個の作品となる。
 The Life of Trees

2008年7月17日木曜日

ゲリラ的哲学・文学愛好者のための宝箱

 但し一切の始末をご自分でなさる覚悟をお持ちの方のみ蓋をお開け下さい。
 Textz

卒業文集

 学生会からの依頼でアンケートに回答したのだが、みっともなくてよそには言えない事情で教師たちの回答は掲載されなかった。ブログに載せたらという勧めに従いここに載せる。
ーーー
氏名:駒田聡
学年:51年生
使える言語:日本語を少々。
日本語を学んでいる理由:まだ十分に日本語ができないから。
趣味:勉強。
特技:なし。
好きな/嫌いな食べ物:ほどよい塩味のсирене/塩からすぎるсирене
好きな/嫌いな映画:10回観てもまだ新しい発見がある映画/9回観れば全部分かってしまう映画
好きな/嫌いな歌:「風に向かって立つライオン」/「君が代」
好きな/嫌いな動物:人間以外のすべて/人間
皆へのメッセージ:Haiho!

杉本苑子『穢土荘厳』

 歴史に関する該博な知識が魅力。人物造型や物語としての結構には物足りなさを感じる。
 前に触れた海音寺潮五郎もそうだが、歴史小説を読む際には、また独特の期待値を設定したほうがよいようだ。

2008年7月16日水曜日

バラの谷

 ブルガリアの夏の早朝の空気の気持ちよさは世界一だ。
 言うまでもなく私は香水に興味はないが、朝露をのせたバラに溢れた谷を歩いてみたいとは思う。
 乱開発に泣くブルガリアの美しい自然。100年後もその輝きを保ち続けられるか。
 自然環境の真の価値がいつ本当の意味で認識されるか。それがこの国の将来を占う鍵の一つになる。

Bulgarian valley turns from guns to roses

2008年7月15日火曜日

芥川龍之介「鬼ごつこ」

 「妙に真剣な顔」。必死で何かを追い求めている顔。

Satireというもの

 THE NEW YORKERの今週号の表紙が物議を醸している。
 The Politics of Fear
 いつも薬味の効いたイラストを描いているBarry Blittの作品だが、Obama陣営(彼の選挙マシーンの特徴だが、微妙な問題に関しては今回も本人は記者会見で肩をすくめるだけにとどめ、まず陣営のコメントとして出している)は"tasteless and offensive"とコメントしている。ライヴァルの共和党候補からもやりすぎと批判され、THE NEW YORKERは共和党陣営がObamaに被せようとしているイメージを逆手にとってからかったものと説明している。
 候補者たちにとっては生死を賭けた戦いである選挙という文脈においては「洒落にならない」ということなのだろうが、しかし、その文脈を離れてみれば、この程度のSatireは同誌には珍しくないし、愛読者の一人としては逆にそれぐらい批判精神に基づいたからかいを抜きにしては同誌の魅力は半減する。
 暖炉で星条旗が燃やされ壁にOsama Bin Ladenの肖像がかかる大統領執務室でイスラム教徒の(ような)格好をしたObamaがカラシニコフを担いで戦闘服を着た奥さんとfist bumpをしている。これほど露骨にこれはSatireですよとメタメッセージを込めているのにそれでも大騒ぎするということは、逆にそれらの要素そのもののもつ問題性を抉ってゆくという知的営為の芽を摘んでしまう危険がある。よもやそんなことはないと思うが、同誌がこれに怯んで自己検閲を強めぬことを望む。
 Satireとは何か。鍵はObama陣営の言うtastelessにあるだろう。tasteがなければ洒落は成立しない。こちらをにやりと笑わせ、次なる思考へと導いてくれるような高度な知性を持たないのであれば、そもそもSatireという手段に訴えてはならない。
 え? はいはい。気をつけます。

日本の仏教

 なかなかよく取材している。
 In Japan, Buddhism May Be Dying Out
 日本の社会における「宗教」の位置というテーマはとても面白いものだと思うが、よほど深い調査分析をした上でなければただのお喋りになってしまうテーマでもある。その意味でこの記事は分かったような顔をしない、禁欲的で落ち着いた記述で好感を持った。

2008年7月14日月曜日

Kanun

 文化・伝統・信仰の自由などという口実のもとに外部からの批判に耳を傾けようとしない事例は世界中で枚挙に暇がない。しかしあまり知られていないAlbaniaのこの問題も地球人としての人権の問題として国連人権法廷あたりに拘束力を持たせて解決への道を探る必要があると思う。
Tradition of blood feuds isolates Albanian men

小林多喜二「蟹工船」

 最近日本の若者の間で広く読まれているという。
 30年ぶりに読み返した。この80年前のプロレタリア小説に共感を覚える若者が増え、書店に平積みまでされる時代が来るとは思わなかった。
 もちろん、若いやつにも多喜二のすばらしさが分かるか、とか、若い世代の文学回帰が始まったか、などと喜ぶような単純な話ではない。下関、秋葉原などの事件や「ワーキング・プア」(寧ろ被搾取労働者階級と呼ぶべきだろう)急増問題などと背景を同じくするものと捉えるべきである。
 既に何人もの人が指摘している如く、こことここを修正すれば、というような個別的な問題ではなく、政治・社会・経済・教育・文化、あらゆる要素が絡み合った、日本社会に極めて構造的な問題であり、高度に知性的なリーダーシップのもとでの抜本的な革命が必要だ。
 戦後日本社会が最大の危機を迎えつつある。

2008年7月13日日曜日

Frankfurt空港

 他のEU国へ行くたびに、ひどいインフレ下にあるとは言えやはりブルガリアはまだまだ暮らしやすい国だなあといつも思う。
 今回の出張で乗り換えに利用したFrankfurt空港の中にとても良心的な店を一つ見つけた。Terminal1のLevel1にあるKampsという店だ。いつも列ができているが、並んでいるのはほとんど空港職員かクルーばかり。言うまでもなくこういう店は間違いがない。コーヒーがカップで1.5€、いっぱい入ったTo goで2€。買わなかったがサンドイッチ類も2€台でおいしそうなものがたくさん並んでいた。他の店の概ね半分から3分の1の価格といってよいだろう。
 この空港をご利用になる際にはここをお勧めする。

2008年7月11日金曜日

2008年度欧州日本語教師研修会@アルザス

 本日で自分の担当科目が二つとも終了した。参加者のみなさんと一緒に楽しく飲んだ今夜のワインはとりあけうまかった。ワインCaveでいろいろ試飲させてもらって愛想のいいおじいちゃんから買ったワインだったということも手伝っていただろう。
 アルザスは予想以上にすばらしかった。しかしあさってはわが愛するSofiaに帰る。

2008年7月9日水曜日

Chauvet洞窟壁画

(Click the pic. to enlarge)
 遅くとも32,000年前に描かれたと言われている。よろしいか、320世紀前、である。ピカソの言を待たずとも、「すべては発明されていた」のである。

2008年7月8日火曜日

ソクラテスと懐疑

 いまアルザスの深夜である。日付も変わろうとしている。早朝コウノトリたちが降り立っていた草原をいま涼しく夜風が吹き渡る。

 Socratic Skepticism
をきっかけに(プラトンが描く)ソクラテスを少し読み直し始めたところである。
 願わくば、我々の新しいAgora Sofiaもこのような対話を目指す「広場」にしたいものだ。

2008年7月6日日曜日

成長

 教え子からの久しぶりのメール。
「なにはともあれ、僕は僕の必要に応じて、出来る事を一つ一つやるしかない。」
 全文を引用するとその人の素性が分かってしまうので控えるが、いろいろと大変な人生を抱えつつも彼が一歩一歩着実に成長していることを如実に物語るような文章だった。そのことがとてもうれしい。

 明日より1週間アルザス出張。余裕があればアルザスの山あいでブログを書く。

2008年7月1日火曜日

京都教育大学職員サッカー部紅白戦のお知らせ

 部員の方々には既に村田監督よりご案内があったと思いますが、7.12.(土)朝8時ホイッスルです。場所などの詳細については監督までお問い合わせ下さい。新聞報道等でご存じの通り私は既にブルガリアでレフスキ・ソフィアとプロ契約を結んでおり皆さんのようなアマチュアと遊んでいる暇はありません。遠くから応援させていただくことにします。怪我にだけは気をつけて好試合を。

現代ブルガリア文学

Nominees for novel of the year award announced
 現代ブルガリア文学にいまもっとも必要なのは、激動の現代ブルガリア社会に生きる「普通の人々」を描くことのできる本当に優れた作家だろう。

ある変化

 あれほど好きで毎日少しずつ読んでいたKurt Vonnegutにこの一週間ほど読む喜びを感じなくなっている。
 僕はまたすこし変わり始めているのかもしれない。

森鷗外「寒山拾得」

 では豐干は誰だったのだろう。