2008年11月29日土曜日

話し相手

偉くてマナーの悪い人物をどう扱うか
 別に相手が偉かろうが偉くなかろうがこんな奴がいたら僕は平気で機嫌を損ねるが、それでも後味は決してよいものではない。確かに世界中どこにでもこういう手合いがいる。聴衆の99%がすばらしい人たちでも1%こういうのがいたときの講演は最悪だ。
 講演に限らない。講義でも演習でも日常のおしゃべりでもそうだ。
 最高の話し相手は自分のすばらしさに気づいていないすばらしい人。当然のことだがこういう人にはめったに出会えない。逆に最低は自分の馬鹿に気づいていない馬鹿。これも少数だが存在する。
 結局のところ、リスクが大きすぎるのである。商売上講演が必要悪である山崎さんのような人でない限り、自分の馬鹿に気づいている馬鹿が心静かに生きてゆくためには、できる限り人との付き合いを減らしたほうがいい、という結論にしかならないのである。

Recuerdos de la Alhambra

 年のせいかこういう旋律にますます弱くなってきたということを前に書いたような類の一つ。Narciso Yepesの演奏をMP3ファイルで持っているのでご希望の方には差し上げます。

レヴィ=ストロース先生、100歳のお誕生日、おめでとうございます。

Lévi-Strauss, a French icon, turns 100
 思えば19歳の夏休みに初めて『悲しき南回帰線』を読んで以来、私は彼から構造という概念の重要性を学び続けた。どんな学問領域であろうと彼を読んでいない奴はすべてニセモノだとさえ私は思っている。

年末プレゼントでお悩みの親のみなさんへ

Best Illustrated Children’s Books 2008
 どれも読んでみたくなりません?
 前にも紹介したMariko TAMAKIが選ばれていることやWabi-Sabiが入っていることも面白い。

2008年11月26日水曜日

ブルガリアの学生たち

Bulgarian students lack motivation, skills and knowledge
 言うまでもなく、大学は経済界の下請け機関ではない。しかし経済界の不満も身に沁みてよく分かる。これも言うまでもなく、その責任はほとんど学生たちの側にはない。最も残念なのは、優秀な学生たちがあたら資質を伸ばすチャンスを摘み取られることである。

Foodscapes

Foodscapes: amazing food art by Carl Warner
 このレヴェルまで来ると「楽しい」では済まない。高い批評性まで看取することができる。

2008年11月25日火曜日

Kapka Kassobova

 きのう紹介した、見事な啖呵を切っている人は、私が知らなかっただけで、スコットランドではある程度名の知れた作家らしい。HPはこちら

Homo Sacer

"The exception is what cannot be included in the whole of which it is a member and cannot be a member of the whole in which it is always already included."
Agambenが紹介するBadiouのテーゼである。
主権国家Aから主権国家Bへと本拠を移し、生活し続けるための手続きを模索している現在の私にとっては、これは理論ではなく実存である。

伊藤豊雄

A Berkeley Museum Wrapped in Honeycomb
 財政的に大変だろうが、何としても実現させてもらいたい。彼の最高傑作というだけでなく、建築史に残る作品になることは間違いない。

2008年11月24日月曜日

啖呵

'Britain is scarier than Bulgaria'
 すばらしい啖呵を切ってくれるものである。小気味よいとはこのことだ。この人は優秀だ。この文章を最近ずっとヨーロッパ中から厄介者扱いされてしょげているブルガリアの人たちみんなに読ませてあげたい。

山頭火

「今日此頃の新漬――菜漬のおいしさはどうだ、ことに昨日のそれはおいしかつた、私が漬物の味を知つたのは四十を過ぎてからである、日本人として漬物と味噌汁と(そして豆腐と)のうまさを味はひえないものは何といふ不幸だらう(さういふ不幸は日本人らしい日本人にはないけれど)。
酒のうまさを知ることは幸福でもあり不幸でもある、いはゞ不幸な幸福であらうか、『不幸にして酒の趣味を解し……』といふやうな文章を読んだことはないか知ら、酒飲みと酒好きとは別物だが、酒好きの多くは酒飲みだ、一合は一合の不幸、一升は一升の不幸、一杯二杯三杯で陶然として自然人生に同化するのが幸福だ(こゝでまた若山牧水、葛西善蔵、そして放哉坊を思ひ出さずにはゐられない、酔うてニコ/\するのが本当だ、酔うて乱れるのは無理な酒を飲むからである)。」
 山頭火は師にはならぬ。「断念」がいかにも徹底を欠いている。しかしそれが私が彼を好きな理由でもある。

冬到来




 昨日の朝の写真(クリックで拡大)である。今年も我が家につららの季節がやってきた。ソフィアのまとまった雪はこれでも去年より一ヶ月遅いのだ。
 去年苦労した凍結坂道(!)対策に冬靴を買った。高級品ではないがここの人たちに愛されているブランドだ。さすがによく氷を噛んでくれる(ここで「テクレル」を使う日本語の面白さを分かってほしい)。おおすばらしい、と調子に乗って歩いてたらツルッといきかけた。注意注意。頭を打つのはまだ早い。

2008年11月23日日曜日

きょうのLiaison

アペロクロスのクリスマスカード
KTSのニット・ドレス
冬じたく展今日から。。。

衝撃。

 イラクに派兵しているブルガリアから9月にクルド族反対勢力に輸送機3機分の武器が輸送されたのではというニュースが飛び込んできた。
 事実だとすれば、これは国家評価において致命的な要素だ。主体が軍であろうとマフィアであろうと、全く何の言い訳も通用しない事態である。評価は決定的に地に落ちる。たとえ蘇生したとしても、国家としての信頼を取り戻すまでに何十年もかかることになるだろう。
Kurds in N. Iraq Receive Arms From Bulgaria

65年前の今日

 日本帝国軍はタラワ・マキン環礁の支配権を米軍に奪われた。
 この日は枢軸国側に付いていたここブルガリアの首都ソフィアが連合国軍から一回目の大規模空襲を受けた日でもある。

Books Not Bombs

Books Not Bombs
 最後にラオスに行ったのはいつだ。あのアフガニスタンのプロジェクトはどこへ行った。
 隔靴掻痒。「僕」が3人ほしい。

2008年11月21日金曜日

俗物

「バルザツクのペエル・ラシエエズの墓地に葬らるるや、棺側に侍するものに内相バロツシユあり。送葬の途上同じく棺側にありしユウゴオを顧みて尋ぬるやう、「バルザツク氏は材能の士なりしにや」と。ユウゴオ咈吁として答ふらく「天才なり」と。バロツシユその答にや憤りけん傍人に囁いて云ひけるは、「このユウゴオ氏も聞きしに勝る狂人[ママ]なり」と。仏蘭西の台閣亦這般の俗漢なきにあらず。日東帝国の大臣諸公、意を安んじて可なりと云ふべし。」(芥川龍之介「骨董羹」1920)
 英語ができない「藪」大統領も漢字が読めない「漫画大好き」首相も嘆く勿れ。馬鹿は君たちだけではない。

ギャンブル

人はギャンブルから何かを学べるか?
 山崎元は今日もいいことを言っている。
 競馬・競輪・競艇・パチンコ。ぼくも若い頃はギャンブラーだった。今も本質的にはそうである。ただ、ソフィアに来たときから自分の人生そのものが完全にギャンブルと化したため、他のギャンブルがもうギャンブルには見えなくなったのも事実である。

きょうのLiaison

トウフクロのギフトパンツ

『ぼく、オタリーマン。』

 しかし私が感じるのは、でもやはり日本の人は生真面目だなあ、ということである。

2008年11月15日土曜日

きょうのLiaison

ガザ地区完全封鎖

The Birthday Book

The Birthday Book
 馬鹿にしてはいけない。私だってまだこれらの持つ魅力は分かるのだ。

2008年11月14日金曜日

Mixed race identity

Mixed race identity
 あと10年でイギリス「最大のマイノリティ」になるという。こういう若きパイオニアたちを見ていると、人種とは何か、民族という概念に一体どういう意味があるのだろう、と考えさせてもらえる。彼らもGuardianもイギリスもあっぱれである。

Michael Crichton

 追悼記事をいくつか読んでいたら、EATERS OF THE DEAD: The Manuscript of Ibn Fadlan,
Relating His Experiences with the Northmen in A.D. 922
という作品にBulgarsが出てくることを知った。それに作品としても評価が高いものらしい。少しずつ読み始めた。Word版をダウンロードして持っているので、ご希望の方は差し上げますよ。

Reports of distant planets, now on film


Reports of distant planets, now on film
 観測技術の発達は専門家による研究を進めるばかりではなく、このように私のような素人をも楽しませてくれる映像を提供してくれる。

2008年11月11日火曜日

日本のコンビニ、恐るべし。

 2年生諸君、これが先週のクラスで話の出た「コンビニ」です。でもいいことばかりじゃないよ。関心のある人はさらに深く分析してみてください。
Japanese Stores Take Convenience To a New Level

きょうのLiaison

People treeのフェアトレードチョコレート入荷しています。

日本における高齢者による犯罪の激増

 法務省の報告によれば、2007年、65歳以上の被逮捕者数が48,605人(交通違反を除く)となった。2002年の24,247人と比べるとたった5年で2倍以上になったことになる。前年と比べても、全被逮捕者数は366,002で4.8%減となっているにもかかわらず高齢者に関しては4.2%増である。万引きとスリが多い。法務省は激増の原因を生活苦・健康不安・孤独を上げている。特に目新しい理由ではない。それらの問題がひどさを増していると考えるべきなのかもしれない。

2008年11月10日月曜日

きょうのLiaison

『福図鑑 り』始まってます。

"On or about December, 1910,"

世界は変わった、と Virginia Woolfは書いた。彼女の捉えた近代の始まりは、この98年の間(恐らくインターネットが大衆化した1980年の前後10年)に再び大きく変容した。様々な議論がある。私は近代が終了したとは思っていない。しかし、この1世紀の変化は、地球規模で起こった――そしてこれからもますますそうなるだろうことが決定づけられたという点でも、間違いなく人類最大の大変動の世紀だったことは認めざるを得ないものである。

2008年11月8日土曜日

筑紫哲也逝く

Cancer claims TBS anchor Chikushi, 73
 私も大学生の頃一時そうだったが、彼の後ろ姿を見てジャーナリストを志した若者も多かった。
 その死は早すぎた。

2008年11月5日水曜日

дребен? кратък?

 オンライン辞典の見出し項目数が4000になろうとしている中、きのうдребен(小さい・小型の)をまだ載せていないことに気づいた。кратък(短い)をアップしたのもごく最近だ。дивак(野蛮人・無作法者)やатеист(無神論者)、материалист(唯物主義者)、мизантроп(人間嫌い)などの単語はごく初期にエントリーしているにもかかわらず、である。
 僕がブルガリア語をどのように学んでいるかはそのあたりから推し量ることができるはずだ。

変化

 きのう休憩時間に廊下を歩いていたら、2年生の3人のグループに呼び止められ、終わったばかりの授業の中で紹介した文のうちの一つの格関係に関する質問をしてきた。三人で議論をしていたという。この大学に来て1年が過ぎて、そもそも授業以外で、廊下で呼び止められて、教科内容に関して質問をされたのは全学年ではじめてである。2年生で、それも日本語での質問だ。
 それがどうしたと言われるかもしれないが、兆しはこれだけではない。何かが変わり始めている。それが何かということは、様々な要素が絡み合っているだろうから軽々には言えないが、しかし2年目に入り、全学年において、何かいい方向への変化が起こり始めている。それを強く感じる。
 教師はそのような日々の変化を肌身に感じながら仕事をすることができる。ありがたい職業である。

2008年11月4日火曜日

Tomaso Giovanni Albinoni

Adagio in G Minor. 年齢のせいか、季節のせいか、こういう種類のイタリアの短調にぐっと来るこの頃である。

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)復活

The Double Ring Galaxies of Arp 147 from Hubble(写真をクリックで拡大)
Credit: M Livio et al. (STScI), ESA, NASA
Arp 147はくじら座の方向約4億4000万光年の距離に位置。右側の青いリングは左側の銀河に突き抜けられた銀河のなれの果てで、リングの左下に見える赤い部分は元は銀河の核だったのではないかと考えられれているそうだ。
 美しいではないか。

2008年11月3日月曜日

芥川龍之介「黒衣聖母」1921

 龍之介はこの類の題材が好きなようだ。一種のコンプレックスのなせる業なのだろうか。僕はどうも感心しない。

BGM

 仕事中はずっとBeethovenOnly.comを流していると前に書いたが、いくらベートヴェンを愛するぼくでも時にはしんどい思いをするときもある。最近そういう時の逃げ場所としてKlassik Radioを流すようになった。いわゆるクラシック・イージーリスニングである。時々僕の好きなメランコリックな曲が流れてきて不覚を取ることもあるが、基本的には落ち着いて仕事ができる。

翻訳クラス

 最近ブログの更新が少ないという指摘がある。サボっているわけではなく、授業が忙しいのだ。特に4年生のクラスでは昨年後期からブルガリア語→日本語翻訳をやっている。もちろん何人もの仲間に助けられながらだが、それでも準備・授業・訂正・改良・辞書へのアップ、など作業は大変である。他の学年の授業に関わる諸業務を加えれば、学期中は殆ど他の勉強はできないと言っていい。
 しかし、自分自身を含めあらゆる意味での参加者が「前進」している(ように見える)ことは喜ばしいことである。

2008年11月2日日曜日

言語

 「言語は、永遠の例外状態の中で、言語の外部には何ものも存在せず、かつ言語は常にそれ自身を超えて在る、ということを宣言する、主権である。」
 「話す(dire)ということは、この意味において、常に「法を話す(ius dicere)」ということである。」
(Giorgio Agamben, "Homo Sacer")

「Barack Obama大統領」

 The Daily Showに、きょうは中継で出演していた。ホストのJohn Stuartからの直球・変化球をすべてものの見事に打ち返し、John自身をケラケラ笑わせ、政策を説明する場面ではスタジオの人々からも盛大な拍手を浴びていた。
 世界中の何億という人々が共に仕事をしたいと思っているリーダーがいよいよ誕生する。
 アメリカ合州国が復活する、というよりも、新しいアメリカ合州国が、あさって誕生する。

2008年11月1日土曜日

きょうのLiaison

DRAWING SONG+PRINTED

ソフィア経済データ(2007-2008)

・外国直接投資の78%はソフィアに投下
・賃金労働者数・・・約70万人
・平均月収は287ユーロで全国平均より31%高い
・ブルガリア全体のGDPの33%を生み出しており、経済成長率は年率13~15%
(10.31.発表)