2009年2月12日木曜日

漱石『明暗』1916

「朝飯とも午飯とも片のつかない、極めて単純な西洋流の食事を済ました後で、津田は独りごとのように云った。
「今日は病気の報知かたがた無沙汰見舞に、ちょっと朝の内藤井の叔父の所まで行って来ようと思ってたのに、とうとう遅くなっちまった」
 彼の意味は仕方がないから午後にこの訪問の義務を果そうというのであった。」

 この最後の一文のもたらす胸がざわざわするような違和感はなんだろう。

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