2009年10月29日木曜日

移動

 比重のある時間が、多義的な古い夢のように君にのしかかってくる。きみはその時間をくぐり抜けるように移動をつづける。たとえ世界の縁までいっても、君はそんな時間から逃れることはできないだろう。でも、もしそうだとしても、君はやはり世界の縁まで行かないわけにはいかない。世界の縁まで行かないことにはできないことだってあるのだから。
(村上春樹『海辺のカフカ』2002)

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