2009年12月31日木曜日

大局観

大晦日に考える 日本人の見えざる変化
 少々荒削りでもよい、反論の余地が少なからず残ってもよい。こういう節目の時にこそ、稀有壮大な話がほしい。
 いつもながら、その期待に東京新聞の社説だけは応えてくれる。

2009年12月26日土曜日

声の力

郡山市立郡山第二中学校(金賞) 課題曲「YELL」
 何も特別な音楽教育を受けた特別な中学生たちではない。普通の市立中学校の生徒たちだ。
 それが、この合唱のすばらしさはどうだろう。
 先生の指導もすばらしいのだろう。生徒たちの表情も声の出し方もとても自然で、それでいて極めて高い音楽性を達成している。
 すばらしい。

2009年12月25日金曜日

狂言の恐ろしさ

 たとえば「猿座頭」。所詮は狂言だ、面白おかしく笑っていればいいと言う人がいるかもしれないが、私は痛々しくて今日は最後まで見られなかった。身体においても言葉においても、私はハンディキャップにつけこんで人をだますげすどもを憎む。

2009年12月24日木曜日

アントニーとクレオパトラの最期

Threshold to Cleopatra's mausoleum discovered off Alexandria coast
 研究というもののすごさを再認識するとともに、もしこれが事実なら、プルタークへの評価が一層高まるだろうと思う。

夜明け


(Credit & Copyright: Anthony Ayiomamitis (TWAN) )
 Cape Sounion。2,400年前のポセイドン神殿に朝日が昇る。
 最初から最後まで、下らない事件や下らない者たちに鼻面を引き回されたような感しか残っていない私の2009年が終わろうとしている。
 この写真を本当に美しいと思う。私は朝日にもなれないしポセイドン神殿にもなれない。しかし少なくとも、げすどものほうではなく、朝日やポセイドン神殿のほうにできるだけ近いところで生きてゆこう、と新しき年を前に誓う。

2009年12月23日水曜日

よかったよかった。

 みなさん、喜んでください!今年もサンタクロースが来てくれるようです!
 暗いニュースばかりの私の身の回りでも、これは最高のニュースです。
 私は子どもでも美女でも勇敢な男でもないけれども、何とか2009年も生き延びることができそうなので、今年も僕の靴下に何か入れてくれるかもね。:)
 では、ニュースをお読みください。

Exclusive Statement during Bulgarian Government Meeting

Novinite.com reports today exclusively from the secret meeting of the Bulgarian Government, held earlier at the Council of Ministers building in Sofia.
By popular demand and due to the global economic crisis that has recently struck Bulgaria, it has been voted that the budget normally allotted for bringing Santa Claus to Bulgaria will be frozen.
Nevertheless, the Prime Minister read an exclusive statement by Santa Claus, who declares that he will come to Bulgaria on his own expenses and will bring a lot of presents, joy and smiles not only to the kids but also to the beautiful Bulgarian women and to the brave Bulgarian men who managed to survive the 2009 crisis year.
Novinite.com is the only news agency to cover the unique event, as Santa Claus, an English-speaking gentleman, is a committed reader of the media and knows that Novinite.com is the most influential from among all media in the country.
Happy Holidays and sincere wishes for millions of GOOD news in 2010 form your fully dedicated and professional team of Novinite.com! :)

2009年12月21日月曜日

まるかいてブルガリア

 ちょっと離れているうちに、私はますます世間から遠ざかりつつあるようだ。。。そして、私の精神のためには、そのほうがどうやらよさそうだ。
 まるかいてブルガリア

2009年12月18日金曜日

分析

At Japanese Cliffs, a Campaign to Combat Suicide
 日本における自殺の問題が極めて重大な問題であることは言うを俟たない。肝要なのは、緻密で深い分析に基づいた構造的な対策である。しかしNYTimesでさえこの程度の浅薄な記事しか書けないようでは、解決までの道のりは遠いと言わざるを得ない。経済的・心理学的説明だけで解決しないことは長年の失敗の蓄積を見れば容易に判る。そうではなく、歴史的・宗教的・社会的・文化的、その他あらゆる側面からの検討を進め、それらを総合してゆかなければ、この問題へは取り組めない。それほどまでに構造的な問題なのだ、これは。

2009年12月17日木曜日

喧嘩

羽毛田宮内庁長官を「少し」応援する
 今日の山崎さんも正論を吐いている。列島を一歩出たらほとんど見向きもされないような瑣末な問題を私は一々日本のメディアで追っているわけではないので詳細は知らないが、しかし、政治家や官僚がどんどん喧嘩するというのは基本的には悪いことではあるまい。ただし皆さん、納税者に食わせてもらっている方々である以上、どうせ喧嘩を始めるのなら首をかけてやっていただかないと困る。納税者は痴話喧嘩に現を抜かせるためにあなた方に月給を払っているわけではない。

2009年12月15日火曜日

経済原則

Ancient Tablets Decoded; Shed Light on Assyrian Empire
 すばらしい。まとまった解読成果を早く読みたい。
 それと共にここにも行政の問題があることを知る。同じ経済至上主義の原則に立ったとしても、その地に今すぐダムを作るという経済原則に従うか、100年後200年後の国家・地域経済に資する長期的なコスト・アンド・ベネフィット原則に立つか、という選択はトルコ政府に残されていることを知るべきである。

2009年12月14日月曜日

人間としての醜さ

 今朝の出勤途中、黄色の安全服を着て道路清掃をしていたロマ系ブルガリア人女性に向かって、ブルガール系ブルガリア人の若者たちが雪玉を投げつけていた。
 彼らは私には投げつけなかった。そのことにほっとする私の醜さは、あの馬鹿者どもの醜さとさほど変わらないものだ。

会議の思い出

会議の思い出
 私は会議というものはほとんど大学の教授会しか経験がないので、そうか、企業の会議というものはそんなにつまらないものなのか、と改めて教えられた。教授会は退屈だという教員は多いのだが、僕には実はそれほど退屈なものではなかった。議決権所有者は全員が研究者だから、あらゆる議論が知性の勝負の場となる。教授会初心者の時代の数年は喧嘩っ早い性格も手伝って山崎さんの言う「正統派」的行動、つまりしょっちゅう発言する、ということもしていたが、10年を過ぎたあたりから、実はものごとは会議自体ではなくほとんどそれ以外の場で決まっていくということが分かり始め、ここぞという場面でしか発言をしないように変わっていった。そして教授会を同僚たちのおつむの中身を評価する包括的機会として捉えるようになっていった。誰かが発言すれば、それが取りも直さずそいつのおつむの程度の評価資料になる。ああ、こいつ、成長したな、とか相変わらず馬鹿だな、とか、ああ、やっぱりこの人は今日も鋭いことを言うな、とか、そういうことを考えながら座っていた。大学運営に少し関わり始めた頃からは、それらの評価結果を、誰にどんな仕事をお願いするか、ということを決定する際の重要な参考にした。
 自分の人生の一つの重要な場としてあれほど長年慣れ親しんでいた教授会というものから離れてはや3年が過ぎようとしている。会議というものが、議論というものが、大げさに言えば研究者生命を賭けた知性のぶつかり合いというものが、どういうものだったかを忘れ始めている自分を見出す時、人生というものは変わる時には本当にがらりと変わってしまうものだ、と苦笑を禁じえない。しかし、かと言ってノスタルジアを感じているわけでもない。この人生においては、話し合えば解決できる、というような程度の「問題」など、実は問題の内には入らない、ということを悟り始めているからでもあろう。

2009年12月13日日曜日

16,000語突破

ブルガリア語―日本語―ブルガリア語フリーオンライン辞典」の見出し語数がいつのまにか16,000を超えてることに気づいた。もう1,000語単位の区切りでいちいち感慨を催すような段階ではなくなったということだ。これからは1万語の区切りごとに感激させていただくことにする。

2009年12月10日木曜日

Студентски Празник

 ブルガリア中の大学が休みになる「学生の日」。ソフィア大学日本専攻の学生たちは今年も一泊旅行に繰り出した。私は光栄にも今年も招待教師の中に入れていただいた。教師として大変名誉なことだ。学生諸君からの厳しくかつ温かい評価を通じてしか教師という生物は成長しないようにできている。この大学で教える最後の年度。最後の学生旅行。最後まで一生懸命私と付き合ってくれている学生諸君に敬意を表する。
 旅行自体も、Златиをリーダーとする学生諸君の運営ぶりに感心した。計画段階から終了まで、完璧だったといってよい。教師たちは完全に「お客様」――文字通りそうであった。またそうであるべきなのだが。――としてただ旅を楽しんでさえいればよかった。
 最後の年度に、学生たちのすばらしい成長を見せていただいた。これで安心して大学を去ることができる。
 諸君、ありがとう。

2009年12月2日水曜日

プレゼント

 いかにもこの季節らしい、スマートな贈り物だ。いい時代になった。
Looking over the Shoulder of the Creator of “A Christmas Carol”

Rainer Maria Rilke

Rose, oh reiner Widerspruch, Lust,
Niemandes Schlaf zu sein unter soviel
Lidern.
 永遠のコスモポリタン。しかし、彼には詩があった。私には何がある?