2010年10月1日金曜日

リメイクということ

Time誌がTop 10 Hollywood Remakesなるものを発表した。
ハリウッドのリメイクなんぞにもちろん関心はないが、その中に黒澤の「七人の侍」と「用心棒」のリメイクが入っていることに気付き、少し考えた。
考えてみればこの2作品もJohn Fordのリメイクみたいなものだ。リメイクというものも定義によって様々だろうが、基本的に、真似ができるということは、その対象そのものがそれだけのものであることを証明している、と考えてよいだろう。リメイクしやすいものを誰かがリメイクし、それをまた誰かがリメイクする、という循環だ。黒澤が小津などと比べてはるかに一般受けしている理由はそこにある。
小津も戦前のハリウッド映画に大きな影響を受けた。戦後の小津にはそれが明示的には見えなくなっている。
キアロスタミの、画面を大きく斜めに横切る線のフォルム。その何気ない1カット。そういうものに出会うたびに、私はキアロスタミの小津に対する尊敬の深さを感じる。
それは、いかなる意味においても、リメイクではない。

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