2020年6月30日火曜日

映画「Million Dollar Baby」

クリント・イーストウッドもモーガン・フリーマンもかすむほどのヒラリー・スワンクの圧倒的な存在感。思想・信条上の問題を提起することにもなった作品だが、何度観ても感動を新たにする。魂を揺さぶられる作品というのはそうあるものではない。

2020年6月29日月曜日

映画「La fete des meres」

フランス映画の苦手な私にも受け入れやすかった作品。こういう種類の深みはヨーロッパ、とくにフランス映画にしかなかなか出せない。

映画「Dances with Wolves」

セッジウィック砦。それはお前が自身で選び取った人生。そこにお前はたった一人。その孤独の中でお前は様々な他者と出会う。先住民。女。馬。。そこに成立する(ように見える)相互理解。それは「狼とのダンス」。
作品の中で先住民の用いる言語において致命的な欠陥のあることが指摘されている。それを棚上げすれば(それは棚上げのほとんど不可能なほどの深刻な欠陥で、他者理解の困難さをここでも示すことになった)実にいい作品なのだが。

映画「8 Mile」

エミネムファンならずとも十分楽しめる作品。ラップが音のみならず言葉の芸術でもあるということがよく分かる。

映画「Before the Devil Knows You're Dead」

シドニー・ルメットの遺作。最後にこんなすごいのを作ってから死ぬとは幸せな人生だ。

2020年6月27日土曜日

映画「The Departed」(2006)

しかしまあ何と血腥い下品な映画だろう。主役級がすべて殺される。息をもつかせぬ150分。最後に残るは悲しみの余韻のみ。圧倒的な存在感。これぞ娯楽。

2020年6月26日金曜日

映画「In Time」

いくらアイデアが面白くても作り方がまずければ結果は悲惨なものになるといういい見本。

映画「不実な女と官能詩人」「欲望の航路」

昔からそうなのだが、全体的に私はどうもフランス映画が苦手である。相性の問題なのだろう。

2020年6月25日木曜日

映画「Zimna wojna」(2018)

すばらしい。映像の美しさ。音楽と情感の結びつき。ヨアンナ・クーリクの存在感。88分の上映時間を120分程度にしてもっと丁寧に長時間楽しませてほしかった。これはハリウッドには決して作れない映画である。私事だが、ポーランドの風物がブルガリアの様々な情景を想起させて個人的な感傷を呼び起こす。

映画「Men in Black」1~3

荒唐無稽で、笑えて、泣かせる。これぞ娯楽。2の出来はもう一つ。

スタンダール著(1822)、大岡昇平訳(1961)「恋愛論」

Agora日本語読解辞典』において、スタンダール著(1822)、大岡昇平訳(1961)「恋愛論冒頭部解析完了。

2020年6月24日水曜日

映画「Torn Curtain」

随所にヒッチコックらしいシーンも見られ、また散見される絵画的構図も魅力的だが、全体として、1966年の作品としては時代遅れの感は否めない。
20210526:2度目に観た。時代遅れというよりも稚拙さが目立つと言った方が適切かもしれない。二人の大スターを使いながらただのドタバタ劇に終わってしまっている。

映画「ザ・ウォール」

様々なものを隔てる「壁」。極限状況の中、互いの命を狙う敵兵同士の二人だけのダイアローグ。しかし脚本の魅力はここにとどまってしまった。ダイアローグこそがこの映画の勘所であるにも拘らず、その会話に深みがない。映画史に残る名作になったかもしれない作品なのに惜しい。。

2020年6月23日火曜日

映画「Jonathan」

日本を含む世界のあらゆる所において映画がお子様の娯楽に堕して久しいが、米国(それから言うまでもなく欧州)だけは数は少ないがまだ良質の作品を作り続けているのだと再認識させてくれる作品。

映画「Witness for the Prosecution」

監督・脚本・役者が揃えばこんな名作が出来上がる。初めて見たが、ただ圧倒されたの一言に尽きる。

映画「クワイエット・プレイス」

SFホラーの娯楽性と内面的な深みを結合させるのは至難である。この作品はそれに相当程度にまで成功している。

映画「Damage」(1992)

この作品中のミランダ・リチャードソンの演技の素晴らしさは言うまでもないが、ジュリエット・ビノシュももっと評価されていいのではないか。いくつかのシーンでの彼女の表情は忘れがたい余韻を残す。

2020年6月18日木曜日

映画「The Sisters Brothers」

フランス人のジャック・オーディアールが西部劇を監督すると、こういう佳品が出来上がる。役者もいい、カメラもすばらしい。やや筋立てが荒いという欠点を補って余りある。こういうのを見せられると、映画はやはり芸術だと再認識させられる。

2020年6月17日水曜日

映画「Vertigo」(1958)

ヒッチコック作品らしい、映像の面での新機軸の多い名作。映画を芸術として捉えたい私のような者にとっては面白さに満ちた作品だが、その筋立ては多くの現代人には陳腐なものなのだろう。

2020年6月16日火曜日

映画「El último traje」

心温まるロードムービー、と紋切型で言うのは易しいが、その歴史背景には筆舌に尽くしがたい地獄がある。主演もいいが、旅の途中、彼が様々な所で出会う様々な人物の造型、またそれを演じる脇役たちの演技がすばらしい。いい映画というものはこういう所までよくできているものである。

2020年6月15日月曜日

映画「ジェイソン・ボーン」もの3本

ポール・グリーングラス+マット・デイモンの組み合わせの三本。単純なストーリーに終始する作品であるにも拘らず、6時間一気に見られた。特に映像と音響に優れた見事なエンターテインメント。

映画「LA MALA NOCHE」

映画としての出来はよいとは言えないが、ドラマ仕立ての問題提起、と考えればかなりのインパクトを持つ作品。

2020年6月13日土曜日

Green Book

紋切型が少し鼻白むが、こういう時期だからこそ見るべき作品。それにしても、米国はこの問題に関しては60年間ほとんど進歩がない。

2020年6月12日金曜日

Wild Rovers

時代遅れの西部劇と侮るなかれ。忘れがたい余韻を残す佳品。

Overlord

私はB級映画には興味はないが、これは例外に属するものの一つ。バカの作ったA級映画より面白い。

2020年6月11日木曜日

Random Harvest

恐ろしく荒唐無稽でありながらオペラの古典的な魅力を持つ。原作自体の持つパワーもさることながら、この映画化作品の持つ力はどうだ。1942年公開。戦争の真っ最中にこういう映画を作ることのできる国を相手に日本は無謀な戦争を戦っていたのである。

2020年6月9日火曜日

Brokeback Mountain

誰の落ち度でもない。誰も悪くない。しかし、すべての者に哀しみが付き纏う。Ang Leeの映像美も息をのむ。確かにこれは紛れもなく名作である。