2018年7月31日火曜日

徳富蘆花「草とり」

Agora日本語読解辞典』において、徳富蘆花草とり冒頭部分析完了。

No, you probably don’t have a book in you

こんな分り切ったことを編集者が言って聞かせなければならない人たちがどうやらいるらしい。

No, you probably don’t have a book in you

2018年7月30日月曜日

武田泰淳「流人島にて」

Agora日本語読解辞典』において、武田泰淳流人島にて抜粋分析完了。

有島武郎「クララの出家」

「夜の蝶」吉村公三郎(1957)

巨額の製作費をかけてまで映画にする意味があるのかと疑いたくなる一本。
高度経済成長の離陸期の日本は、ことほどさように浮かれ始めていた。

夜の蝶

2018年7月29日日曜日

「執炎」蔵原惟繕(1964)

説明臭く、主演二人の演技力も水準以下で、すばらしいカメラワークを除けば見るべきところのない作品だと言わざるを得ない。

執炎

複数の世界を持つ重要性

敢えて意識的に他言語を学ぶ事を選択するという筆者の提言(私もそれは正しいことだと思う。)がどこまで受け入れられてゆくか。そして、より重要なことは、その価値をどこまで人々に証明してゆくことができるか。すべてはそこにかかっている。

Behemoth, bully, thief: how the English language is taking over the planet

2018年7月28日土曜日

泉鏡花「照葉狂言」

Agora日本語読解辞典』において、泉鏡花照葉狂言冒頭部分析完了。

Diogenes Laertius

文字数稼ぎなのか、最後の二段落に傲慢さのようなものを感じて鼻白むのは私だけだろうか。
しかし、そこに至るまでは極めて秀逸な書評である。

Lovers of Wisdom

2018年7月27日金曜日

夏目漱石「幻影の盾」

Agora日本語読解辞典』において、夏目漱石幻影の盾冒頭部分析完了。

「大阪の宿」五所平之助(1954)

敗戦後間もない大阪。社会にも人々の心にも未だ深い爪痕が残る混乱期。しかし、人々はそれぞれのやり方で新しい時代を切り開いてゆこうとしている。当時の映画界も含め、廃墟の中から見事に立ち直った日本のエネルギーのようなものまで感じ取ることのできる秀作。恐らく当時多くの観る人の心を勇気づけたことだろう。
乙羽信子の傑出した存在感と共に女優陣の渋い演技が作品全体を締めている。

An Inn at Osaka - 大阪の宿 - Ôsaka no yado ( Heinosuke Gosho, 1954)

2018年7月25日水曜日

孤立

「孤独」ではない。「孤立」と呼んだ方がより適切だろう。
このような ‘loneliness’の例は米国や英国だけの話ではない。日本にも実に数多く存在する。そして日常的なレベルにおけるテロが毎日のように起っている。さらに在日外国人の数が増えてくれば間違いなく彼らを標的とするテロも増加するだろう。
言うまでもなく単純な処方箋などない。しかし、やはり基本となるのは幼い頃からの教育に帰着するのだろう。
およそ人間世界に関わるもので白か黒かで決めつけられるものなど存在しないこと。人の心は数式のような美しき単純性とは全く異なるものであること。曖昧なこと、どっちつかずであること、引き裂かれていること、自己の裡に葛藤があること、が通常の状態であるだけでなく望ましい状態でさえあること。
これらのことを最もよく教えてくれるものは文学をはじめとする芸術である。
AIの世紀の幕開けによりこれまでとは比較にならぬほど疎外感に苦しむ人間が増加するだろう。そのような時代だからこそ、このような芸術の役割は大切なものになるだろう。

In extremis

谷崎潤一郎「痴人の愛」

Agora日本語読解辞典』において、谷崎潤一郎痴人の愛冒頭部分析完了。

2018年7月24日火曜日

「綴方教室」山本嘉次郎(1938)

80年前の日本。その日の食べ物にもこと欠く階層があった。「綴り方」という支えがあった正子はそれを乗り越えてゆこうとしている。しかし、そのようなものを持たぬ子どもたちは一体どうやって耐えてゆけたであろうか。
もう一つ、憾むらくは、正子を支えたものがなぜ「綴り方」であったのか。「綴り方」そのものの持つ力をもっと描いてもよかったのではないか。なぜ「綴り方」でなければならなかったのか。なぜ絵画や音楽やスポーツでないのか、という事である。悲惨な状況の中で何か子どもたちを支えるものが必要だというだけなら、支えられるものでさえあればそれは何でもよいということになり「綴り方」そのものの価値を訴える力に乏しいことになるのだ。
しかし全体に映画作品としては、子役時代の高峰秀子の名演をはじめとして脇役陣もよく、よくできた作品だと言えよう。

綴方教室(1938)

Vincent van Gogh

時に芸術はその作り手の生の悲劇性の度合いと反比例するかのようにその芸術を享受する者に幸福を与える。ゴッホもその一人である。

Vincent van Gogh: The Struggling Artist

2018年7月20日金曜日

武田泰淳「風媒花」

Agora日本語読解辞典』において、武田泰淳風媒花抜粋分析完了。

作者の死

30年前の個人的ノスタルジアの話は別にして、今の私にはポストモダニズムへの関心はもはやない。
しかし、絵画や音楽と異なり「ことば」そのものを扱うという宿命から、文学にはことばに関するチマチマした些末な論争が付きまといがちだ。
その宿痾から自由にならぬ限り、絵画や音楽が永遠に保つであろう価値を文学は早晩失うことになるだろう。

The Author Is Not as Dead as Claimed

2018年7月17日火曜日

谷崎潤一郎「少将滋幹の母」

渇望

私の場合を考えた。
中学生の時だった。私は外国の思想・芸術(特にクラシック音楽と西洋絵画)と後にはキリスト教に関心を持ち、憧れ、好きになろうと努めた。
その年齢の私自身、周囲の大人たち、また広く日本社会に対する失望から抜け出し、未来の自分を築いてゆくためには、(当時明確に言語化できていたわけではないが)「普遍性」の世界の中に生きなければならないというようなことを感じていた。そして当時の私は漠然と「普遍」への鍵はそれらの物事であるように感じていた。
「外国の思想・芸術、特にクラシック音楽とキリスト教」というのは端的には「ヨーロッパ」ということだろう。
現在私はヨーロッパの片隅に住み、宗教は別として、45年ほど前に私が思い描いた「未来の私」にかなり近い状態にある。そして、依然としてそれ以上のレベルの価値あるものを見出していない。付け加えるとすれば、そこにヨーロッパ思想・芸術と日本思想史・日本文学・日本画などとを比較対照する視点ぐらいだろう。
確かに、それらは長い過程において私が自分で選び取ってきたものだ。そして、それは中学生当時の私の言葉で言えば「なりたい自分」というようなものを追い求めてきた歴史の結果なのだろう。
私はこのままでよいのか。私にはまだ「なりたい自分」というものはあるのか。どうやらそのような感じがしなくもない。しかし、それはまだ何ら具体的な形をとっていないのも事実である。

Desiring to desire

2018年7月14日土曜日

夏目漱石「倫敦消息」

Agora日本語読解辞典』において、夏目漱石倫敦消息冒頭部分析完了。

「Shoah」Claude Lanzman(1985)

様々な議論がある。あり得る。
あなたは「ショア―」を観たか?「イスラエルのアイヒマン」を読んだか? 人はかくも簡単に「悪」に手を染めてしまう。すべてはそこから始まる。

Homage to Lanzmann

2018年7月12日木曜日

Cultural Appropriation論議の前提

私はブルガリアに住み、高度専門労働者としてEU圏のいずれにおいても自由に労働することを保証された61歳の日本人男性である。
「ブルガリア」は「ヨーロッパ」か否か。「日本」は「アジア」か否か。「日本人」は「先進国民」か「後進国民」か。「ヨーロッパ」や「アジア」は強者の側なのか弱者なのか。etc, etc.
私は多数派か少数派か。私は強者の側にいるのか弱者の側にいるのか。
そのアイデンティティのダイナミズムの中でアイデンティティポリティクスは展開する。

The Evils of Cultural Appropriation

2018年7月11日水曜日

HINOMARU

歌詞も曲も稚拙で、しょせん子どもの鼻歌だ。論ずるに値しない。右派・左派両方から賛否両論これで大騒ぎしている国はやはり平和な国である。

Radwimps - HINOMARU Subtitulada al Español

デジタル時代における人類

結局のところ、何か建設的なことを言ってるかというと、何もない。「西洋の没落」がいよいよ現実のものとなるのかもしれない、という、ありがたくもない暗い読後感が残る。
東浩紀がどこかで言っていたように思う。人類はまだインターネットを使いこなせるだけの進化段階に達していないというような意味のことを。それはこういうことを指しているのかもしれない。

Great Books in a Digital Age?

2018年7月10日火曜日

萩原朔太郎「青猫」

Agora日本語読解辞典』において、萩原朔太郎青猫冒頭部分析完了。

「暴力の街」山本薩夫(1950)

社会派の山本薩夫が興行的にも成功した最初の作品としても有名。
敗戦後わずか5年。当時の日本のエネルギーが垣間見える。

「ペン偽らず 暴力の街」

2018年7月7日土曜日

「夜の女たち」溝口健二(1948)

敗戦後3年しか経っていないという混乱状況のせいか少々説教臭いのが気になるが、溝口はいつも強烈な印象を残す。カメラも素晴らしい。
Yoru no onnatachi (1948) Women of the Night

谷崎潤一郎「春琴抄」

Agora日本語読解辞典』において、谷崎潤一郎春琴抄冒頭部分析完了。

終わりの始まり

史上最大の瓦解の危機を迎えているEU或いはヨーロッパ全体のムードのなせる業かと考えるのは穿ちすぎだろうか。

Habsburg culture is back in vogue

2018年7月6日金曜日

2018年7月4日水曜日

浅田次郎「地下鉄《メトロ》に乗って」

私は時々朗読を聞きながら仕事する。
しかし、この作品はながら仕事ができない。朗読者のレベルも高い。強くお勧めする。

朗読 浅田次郎「地下鉄に乗って」

絵文字の研究

明白なことは、まだ何もまともなことが明らかになっていないということだ。

ACADEMICS GATHERED TO SHARE EMOJI RESEARCH, AND IT WAS 🔥

2018年7月3日火曜日

ベスト8ならず

三度目の正直はならなかった。悔しい。世界のトップはまだ遠い。
しかし、優勝候補のベルギーをあわやというところまで追いつめた。日本は着実に強くなっている。この悔しさをバネにまた4年後に向けて準備を積み重ねればいい。
しかし、やはり悔しい。悔しくて悔しくて眠れそうにない。日本代表を讃えつつ今夜は久しぶりに酔っぱらうことにする。

『Agora日本語読解辞典』33万ページ

Agora日本語読解辞典』が33万ページを超えた。

2018年7月2日月曜日

「発表」というものの恐ろしさ

著作を出版したことのある者でいやしくも自己の限界を知る者は誰でも知っている。
それは末代まで恥をさらすことだ。

Sharp by Michelle Dean review – what do Dorothy Parker, Hannah Arendt and Susan Sontag have in common?

ワセリン

小津が、すべてを計算し掌握し映画を撮っていたことを物語る。

小津安二郎監督 伸ばした手で何を?