2021年11月30日火曜日

映画「Uncut Gems」(2019)

130分間みんなが怒鳴り合っている映画。Safdie brothersおそるべし。Adam Sandlerはクズ役をやらせたら現在彼の右に出る者はいないのではと思わせる名演。登場人物全てが「原石」(Uncut Gems)でした。

野村胡堂「銭形平次捕物控100 ガラッ八祝言」

Agora日本語読解辞典』において、野村胡堂銭形平次捕物控100 ガラッ八祝言」冒頭部解析完了。

映画「La Llorona/La Llorona」(2019)

Jayro Bustamanteは見事なキャストを最大限に活かし映画的マジカルリアリズムを実現させている。

2021年11月25日木曜日

映画「Don't Worry, He Won't Get Far on Foot」(2018)

Gus Van Santの持ち味のよく出た作品。Joaquin Phoenixの名演をここでも観ることが出来る。

映画「Nuovo Cinema Paradiso」(1988)

今回観たのはインターナショナル版(123/124分)。映画館「パラダイス座」が物語の中心となっている版と言われているが、焦点が絞られている分この版が一番良いのかもしれない。家族・記憶・愛・映画・郷愁などを主題にした名作。映画好きにとっては心のふるさとのような存在の作品。何度観てもあきるということがない。

2021年11月24日水曜日

映画「Minding the Gap」(2018)

とても温かく、同時にとても痛々しい。すばらしいドキュメンタリーである。

2021年11月23日火曜日

映画「Dragged Across Concrete」(2018)

ゴールデンラズベリー賞で「人命と公共財を軽視する無謀さに対する最低賞」にノミネートされるほどの残虐さを見せながら、その表層の血腥い展開の下で一貫して「隠す」というテーマを通奏低音として響かせ続ける力量。S. Craig Zahler。ただものではない。

2021年11月22日月曜日

映画「Billy Elliot」(2000)

一見在り来たりの話を、Stephen Daldryの卓越した演出と主演をはじめとする達者なキャストが名作に仕上げている。イギリスの面目躍如と言える作品。

2021年11月21日日曜日

映画「Birds of Prey (and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)」(2020)

何でもこなすMargot Robbieは賞賛されてしかるべきだが、私はこの手の映画は好みではないので最後までは見なかった。

2021年11月19日金曜日

映画「The Curious Case of Benjamin Button」(2008)

そもそもFitzgeraldの原作にどれほどの深みがあったのかは読んでいないので分からない。しかし、超一流の作家の原作を超一流の監督が超一流のキャストとスタッフを駆使して創り上げた世界が、これほど表層の素晴らしさと深層の薄っぺらさを共存させたものに終わるとは。

映画「Calamity Jane」(1953)

この3年後「The Man Who Knew Too Much」で永遠のスターとなるDoris Dayも、今となっては時代遅れの学芸会のようなこの作品においては才能の無駄遣いとなっている。

2021年11月17日水曜日

映画「The War Below」(2021)

サスペンスは十分あってそれなりに楽しめ、様々な観点を盛り込んではいるものの、盛り込み過ぎて各観点の掘り下げ方が浅いのが欠点。

映画「Monsieur Hire」(1989)

脚本・カメラ・キャスト、すべてにおいて完璧。不滅のフランス名画。
2022.06.12.二度目の観賞。今回も評価は変わらない。100点満点。

2021年11月16日火曜日

映画「SUR MES LEVRES/READ MY LIPS」(2001)

脚本・映像・音響。Jacques Audiardの才能全開(彼はこの17年後名作「The Sisters Brothers」を撮るのである)。Emmanuelle Devosの名演も忘れ難い。
2022.03.30.二度目の観賞。何度観ても面白い。

映画「乱」(1985)

無常を描く豪華絢爛な黒澤絵巻。武者たちの落馬シーンに息を呑む。しかし結局最後に残ったのは原田美枝子の壮絶な芝居。唯一彼女に助演女優賞の2位を与えた全米映画批評家協会はさすがである。日本映画の黄金時代は去り、この国から役者が消えたことを思い知らされた作品ともなった。

2021年11月15日月曜日

映画「Twelve Monkeys」(1995)

Terry Gilliamの名作。すべてのピースは最終的に見事にはまるのだがそれをわかりやすく提示しないのがGilliam。観れば観る程、理解は深まる。一般的に評価の高いBrad Pittの狂気は私にはそのわざとらしさが鼻につく。
2022.03.07.2度目の観賞。前回は書き忘れたが、全体を貫くコミカルな要素は明らかにMonty Pythonの系譜を継ぐ。

2021年11月13日土曜日

映画「The Hanging Tree」(1959)

Gary Cooperをはじめとする役者陣は良い演技をしているのだが、いかんせん勧善懲悪に終始する荒っぽい作りがいかにも古くさい。当時としては仕方がないという弁護もできるのだろうが、しかし時代遅れは時代遅れなのである。

2021年11月10日水曜日

映画「I, Daniel Blake」(2016)

Ken Loach80歳の作品。そのパワーはまだまだ全開。その怒りは3年後のSorry We Missed Youでさらに激しさを増すことになる。

映画「Boże Ciało」(2019)

宗教というものの持つ力と限界を描く。Bartosz Bieleniaの演技が印象的。

映画「Code 8」(2019)

陳腐なSFアクションの裏に社会の少数派に対する排除の論理の問題点を指摘しようとする姿勢が垣間見える。しかし、それだけ。深くも鋭くもない。

映画「The Magnificent Seven」(2016)

戦闘シーンの迫力だけが見どころ。あらゆる点でオリジナルに遙かに及ばないが、黒沢作品への控え目なオマージュとして観れば許せるかもしれない。

2021年11月9日火曜日

映画「La Promesse de l'aube」(2017)

母と息子。生きることと死ぬこと。そして書くこと。フランス映画の中でもこういうのを私は好む。フランス人はこういう作品は本当に得意である。いつものようにCharlotte Gainsbourgはすばらしい。

2021年11月8日月曜日

映画「Cliffhanger」(1993)

今でも通用するスケールと迫力。そして他に類例のないほど薄っぺらな映画。第66回(1993年度)アカデミー賞で3部門にノミネートされると同時に第14回(1993年度)ゴールデンラズベリー賞でも4部門にノミネートされた事実がすべてを物語る。もう30年もすればこの映画は誰からも顧みられることはなくなるだろう。

映画「I See You」(2019)

脚本がいい。うまく伏線回収されていて、演出もいい。キャストもいいし、もう少し深いところまで抉っていたら名作となっていたはずの作品。惜しい。

2021年11月5日金曜日

映画「THESE THOUSAND HILLS」(1958)

「古き良き時代」の西部劇の佳作。映像の美しさは特筆してよい。先住民が徹頭徹尾野蛮人扱いされているのが嘲笑もの。「フォート・ブロックの決斗」という邦題も日本の映画配給会社の嘲笑もの。

映画「João, O Maestro」(2017)

映画としての出来は深みに欠け、満足すべきものとは言い難い。João Carlos Martinsの実人生は安物のドラマでは到底描くことに出来ぬ壮絶なものだ。最晩年に近づきつつある今、変なドラマ化をせずいいドキュメンタリー映画を作るべきだ。

2021年11月4日木曜日

映画「The King」(2019)

シェイクスピアの持つ力とTimothée Chalametのいつもながらの存在感。

映画「Nomadland」(2021)

原作の持つ問題提起力、Terrence Malickの影響を受けたと言う、その通りマジック・アワーを活かしたChloé Zhaoの映像の魔力、ますます完成度を高めるFrances McDormandの名演、実際の車上生活者たちの存在感、すべてが相俟って上質の哲学を提起する芸術となって結実した。間違いなく映画史に残る不滅の作品となるだろう。
2021.11.11.2度目の観賞。あまり注目されてないようだが、饒舌を避けたこの作品にとって映像だけでなく音楽もまた重要な役割を演じている。この作品の他の面が余りにも傑出しているので目立たぬが、Ludovico Einaudiの音楽も多くのことを語っている。
この作品では言うまでもなくhomeが一つの大きな主題である。夫も住む家も、つまりhomeもhouseも失ったファーンは車上生活者となる。若くしてhomeを捨てたファーンとの同居(新たなhomeの形成、或いはhomeの再建)を望む姉の願いも断り、デイブとの同居(新たなhomeの形成)も逡巡の末に断念し、亡き夫との思い出を整理してファーンはroadをhomeと覚悟を決め再び旅立つ。homelessではなくhouseless。See you down the road.

映画「Il gattopardo/Le Guépard」(1963)

Luchino Viscontiの名作。豪華絢爛な映像世界と暴力と滅びの美学が特にBurt Lancasterの名演を中心に展開する。これは間違いなく永遠に滅びることのない作品であろう。
2022.06.23.二度目の鑑賞。完全復元版(187分)。構図といい色彩といいルネサンス絵画を思わせる映像美。ただただ美しい。

映画「Adrift」(2018)

話はありきたりだが、現実の物語の進行と回想シーンとのスイッチングがうまくいっている。それにShailene Woodleyの名演が印象的。

2021年11月3日水曜日

映画「Ema」(2019)

良くも悪くも無茶苦茶な映画。それも主演の新人Mariana Di Girolamoの存在感がひとり支えているという印象。

2021年11月2日火曜日

映画「Terms of Endearment」(1983)

お涙頂戴映画の古典的名作。しかし名優たちの名演が楽しめる。それにしても邦題が「愛と追憶の日々」とは、日本の映画配給会社のおつむの程度が知れる。

2021年11月1日月曜日

映画「Waiting for Anya」(2020)

外見は美しいが極めて杜撰な作りの家を見せられた気分。原作は児童書だそうだが、それをそのまま映画化しても芸術にはならないことを監督は知るべきだ。しかし、山間の美しい映像は忘れ難い。

映画「Songs My Brothers Taught Me」(2015)

映像的にはTerrence Malickに通じるものがあるが、より現実的であろうとする姿勢において異なる。Chloé Zhaoの登場を大いなる期待をもって喜びたい。
2022.03.14.二度目の観賞。NOMADLANDにおいてもそうだが、Chloé Zhaoの偉大な特質の一つに「共感する力」を挙げてもいいと思う。