原作の持つ問題提起力、Terrence Malickの影響を受けたと言う、その通りマジック・アワーを活かしたChloé Zhaoの映像の魔力、ますます完成度を高めるFrances McDormandの名演、実際の車上生活者たちの存在感、すべてが相俟って上質の哲学を提起する芸術となって結実した。間違いなく映画史に残る不滅の作品となるだろう。
2021.11.11.2度目の観賞。あまり注目されてないようだが、饒舌を避けたこの作品にとって映像だけでなく音楽もまた重要な役割を演じている。この作品の他の面が余りにも傑出しているので目立たぬが、Ludovico Einaudiの音楽も多くのことを語っている。
この作品では言うまでもなくhomeが一つの大きな主題である。夫も住む家も、つまりhomeもhouseも失ったファーンは車上生活者となる。若くしてhomeを捨てたファーンとの同居(新たなhomeの形成、或いはhomeの再建)を望む姉の願いも断り、デイブとの同居(新たなhomeの形成)も逡巡の末に断念し、亡き夫との思い出を整理してファーンはroadをhomeと覚悟を決め再び旅立つ。homelessではなくhouseless。See you down the road.
2021年11月4日木曜日
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