2010年2月4日木曜日

音節とモーラ(拍)

Sun MicrosystemsのCEO、Jonathan Schwartzが辞任表明をTwitterで行った際に、俳句、いやHaikuを発表した。
"Financial crisis
Stalled too many customers
CEO no more."
彼の苦渋や感慨はさておき、このHaikuは私にとても興味深いことを気づかせてくれた。
この「作品」は、確かに「5-7-5」のリズムで構成されているのだが、指摘されなければこれが俳句の形式だとは日本語母語話者の誰も気づかないだろう。俳句だと気づかない、というのは、取り立ててここで、文字が、とか、季語が、とか、情緒が、とかなどというようなことを言いたいのではなく、これが私に音節とモーラ(拍)との違いを再確認させてくれたということだ。
この5-7-5音節のHaikuを5-7-5モーラ(拍)の俳句のリズムで詠みかえるのに、私は3分ほど苦労しなければならなかった。つまり、音節とモーラ(拍)とは、少なくともも日本語の話し手にとっては、似ても似つかないものだということだ。日本語のリズムから抜け切れない日本語母語話者が外国語を話す時の「なまり」や、多くの日本語非母語話者の話す日本語の「なまり」のうちの恐らく60%ぐらいはこの音韻のリズムの違いに起因するのではないかと私は思っている。

2 件のコメント:

Nakamata Naoki さんのコメント...

中俣です。ご無沙汰しております。
大変興味深い記事でした。

学生にモーラとシラブルの違いを教えるときの格好の材料になると思いました。
モーラの説明に俳句を持ち出すのは半ば常習と化していますが、シラブルで英語俳句は見たことがありません。

KOMADA, Satoshi(駒田聡) さんのコメント...

久しぶり!
このモーラというリズムは、日本語の兄弟語といってもいい韓国/朝鮮語にも認められるとされているの?人類の言語でこんなものを日本語ほど強く持っている言語は他にないんじゃないの?何でこんな独特なものがユーラシアの東の端に(のみ)生まれたんだろう。また教えてね。