2010年2月10日水曜日

死刑という問題

Record 85% favor death penalty
 85.6%というのは大変な数字である。ほぼ日本のコンセンサスといってもよい数字だ。年を追って凶悪犯罪が増加している、と日本国民の多くが考えている、という変数を考慮に入れても、調査の始まった1994年ですでに73.8%という多数が死刑を支持していたという事実は、日本国民が基本的に死刑という制度を支持し続けている、ということ、及びその基層に、時代の変化や社会状況やデマゴギーとは別の、何らかの問題が横たわっている可能性を考えなければならないことを示唆している。
 「馬鹿は死ななきゃ治らない」「死んでお詫びする」などの慣用表現が存在することからもわかるように、日本人は、管見では恐らく近世以降、一貫して独特の死生観を持ち続けているように思える。
 国際的にも多いとされる日本の自殺者の問題をも視野に入れれば、死刑制度の存続か廃止かという法的な側面で論じられる傾向の強いこの問題は、実際にはあの社会に住む人々の死生観から問い直す必要性のある問題であると思う。

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