Bernhard Schlinkの原作は昔日本語訳で読んでいた。昨夜その映画化作品を観た。原作の持っていた内省性は薄められ、ナチズム及びそれに「加担」した人々への批判性も弱められている印象は否めない。しかし、根本的な人間存在の底の底まで踏み込もうとするならば――この作品がそのあるべきレヴェルにまで十分到達しているとは言わないが――、このような方向での捉え方もあり得るのではないか、と思わせるような深みにまでは最低限届いている作品だと思う。しかし何と言ってもKate Winsletの名演がすべてを救っている。
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