2019年5月10日金曜日

古巣

職員野球部の練習のために12年ぶりに前任大学に行った。みなが言うほどキャンパス自体は変わったとは思えないが、なんといっても違うのはこちらの心持である。かつて自分の家のように愛したこの大学の中に、いまは半分よそ者として立っているという感覚。これはなかなか得難い経験である。白髪のじじいを場違いの者として眺めながらすれ違う学生たちはともかく、教員も職員も野球部員も半分あるいはそれ以上は私を知らない人々だ。誰かとすれ違うたびにこの人が旧知の人なのか否かを確かめながら歩くのに少し疲れた。知っている人なら無視することになってしまうからだ。
しかし、まったく変わらないものがある。それはこの大学のもつ独特の温かさである。人も木々(新緑の季節でもあり、また12年の歳月でみんな成長している)も人の心を穏かにするような風土を持っている。これはこの大学のもつ最大の長所であり、私がこの大学を愛する最大の理由である。それが変わらずにいてくれたことがうれしかった。
こいつ誰だという視線や生協食堂で毎回組合員証の提示を求められる(大学生協には再加入した)新鮮な経験を繰り返しながら、これからしばらくこの古巣に通うことになる。

2019年5月7日火曜日

Jacques-Louis DAVID

今回のパリでは、古代ギリシャ以前から20世紀まで数千点の美術作品を見た。今回の私の主要目的は西洋絵画における遠近法の歴史を確認することだったのだが、それにとどまらず旧知のものとの再会(そしてその中でも数多くの新しい気づき)から全く新しい発見まで、非常に意義深い滞在だった。
その中でも、特筆すべき新発見の一つはダヴィッドのMadame Charles-Louis Trudaineであった。新古典主義の巨頭としてのダヴィッドとは一線を画したこの描き方により、彼は哀しみ、苦悩、諦念、そして何よりも誇り高き一人の女性像を描き出した。18世紀終わりに描かれたこの作品は既に20世紀人を描くことに成功している。

モラヴィア作、米川良夫訳「暑さの悪戯《いたずら》」

『Agora日本語読解辞典』において、モラヴィア作、米川良夫訳「暑さの悪戯《いたずら》」冒頭部分析完了。

2019年5月6日月曜日

一飛びで蛙鳴く夜に戻りけり

パリから戻る。
「一飛びで蛙《かはづ》鳴く夜に戻りけり」

2019年5月2日木曜日

黒塊のマロニエの赤に乗りかかる

焼けたノートルダム寺院を満開のマロニエの下から眺む。
「黒塊《こくかい》のマロニエの赤に乗りかかる」

2019年4月25日木曜日

2019年4月19日金曜日

春風に押し競し居り鬱金香

ようやく咲き揃い始めた。
「春風に押し競《くら》し居り鬱金香《チューリップ》」

2019年4月14日日曜日

散り初めの花弁の一つ浮かびけり

弥生ケ丘霊園。懐かしき人々との再会。
「散り初《そ》めの花弁の一つ浮かびけり」

金子薫園「松園女史の思い出」

2019年4月4日木曜日

赤蕾の先づ出でにけり鬱金香

赤蕾《せきらい》の先づ出でにけり鬱金香《チューリップ》

2019年3月29日金曜日

「かなし」にはさまざまありて桜咲く

リヒテルのモーツァルト。
「「かなし」にはさまざまありて桜咲く」

室生犀星「愛の詩集」

『Agora日本語読解辞典』において、室生犀星「愛の詩集」冒頭部分析完了。

花は五分近代ここに始まりき

フェルメール「手紙を書く夫人と召使」を観る。
「花は五分《ごぶ》近代ここに始まりき」

2019年3月20日水曜日

2019年3月19日火曜日

砂漠

私は砂漠へ行きたい。
街でなく、海でなく、
私は砂漠へ行きたい。

国木田独歩「初孫」

『Agora日本語読解辞典』において、国木田独歩「初孫」冒頭部分析完了。

2019年3月3日日曜日

春北風兵どもの脚重し

長浜城から小谷城本丸まで4時間歩く。
「春北風《はるならい》兵《つわもの》どもの脚重し」

2019年2月27日水曜日

2019年2月19日火曜日

2019年2月5日火曜日

2019年1月26日土曜日

琵琶の湖渡る吹雪も優しげに

初吹雪。
「琵琶の湖《うみ》渡る吹雪も優しげに」

2019年1月23日水曜日

冬空を雲疾く明く翔け居りて

快晴の強風。
「冬空を雲疾《と》く明《あか》く翔《か》け居《を》りて」

淡島寒月「江戸か東京か」

2019年1月12日土曜日

2019年1月3日木曜日

親族

全国から15名が集まってくれた。中には30年ぶりぐらいの者もいる。しかし、親族というものは、没交渉の期間や少々の過去の軋轢などまるでなかったかのように、まるで毎日顔を合わせている間柄であるかのように、再会するとたちまち睦み合えるものであることを改めて感じる。

2019年1月1日火曜日

初日の出息を切らして拝みけり

風邪も治り2週間ぶりのジョギング。
「初日の出息を切らして拝みけり」

初春は星々もまた新たにて

夜明け前。
「初春は星々もまた新たにて」