最近日本の若者の間で広く読まれているという。
30年ぶりに読み返した。この80年前のプロレタリア小説に共感を覚える若者が増え、書店に平積みまでされる時代が来るとは思わなかった。
もちろん、若いやつにも多喜二のすばらしさが分かるか、とか、若い世代の文学回帰が始まったか、などと喜ぶような単純な話ではない。下関、秋葉原などの事件や「ワーキング・プア」(寧ろ被搾取労働者階級と呼ぶべきだろう)急増問題などと背景を同じくするものと捉えるべきである。
既に何人もの人が指摘している如く、こことここを修正すれば、というような個別的な問題ではなく、政治・社会・経済・教育・文化、あらゆる要素が絡み合った、日本社会に極めて構造的な問題であり、高度に知性的なリーダーシップのもとでの抜本的な革命が必要だ。
戦後日本社会が最大の危機を迎えつつある。
0 件のコメント:
コメントを投稿