2021年10月29日金曜日

映画「3:10 to Yuma」(2007)

西部劇の時代は終わったと言ったのは誰だ。優れた脚本と名演が佳作を生んだ。

映画「Beautiful Boy」(2018)

話としては粗が目立つ。Timothée ChalametとSteve Carellの特筆すべき演技が印象に残る。

映画「The Kids Are All Right」(2010)

脚本もキャストもすばらしい。ユーモアを交えつつ新しい家族の在り方を提起する意欲作。

2021年10月28日木曜日

映画「Captain Fantastic」(2016)

確かに、これは文字通り「ある視点」での佳作である。

映画「The Martian」(2015)

極めてよくできた作品。ただ、この種のSF作品にとって不幸なのは、50年後には古くさく見えてしまうだろうということだ。それが「2001年宇宙の旅」をはじめとする深遠な哲学を持った作品との違いだ。

映画「Se rokh/3 Faces」(2018)

批判と愛。Jafar Panahiの天才がよく分かる。ラストの曲がりくねった道の遠景はAbbas Kiarostamiへのオマージュだろうか。

2021年10月27日水曜日

映画「The Godfather Part II」(1974)

半世紀近くを経た今もその輝きを全く失わぬ映画史上不滅の最高傑作と私が考える三部作の第2部。三部作の中でも最高作と言えるかもしれない。観るたびに新しい発見があるが、今回はカメラワークにおいて、実に細やかな工夫がされている箇所が多く存在することに改めて気づかされた。

2021年10月26日火曜日

映画「The High Note」(2020)

楽しめる娯楽作品。しかし話はありきたり。
2021.02.04.二度目の観賞。いいキャスティング。しかし、それ以上の上積みはない。

映画「Upgrade」(2018)

よくできた作品。娯楽作品として楽しめる。
2021.11.22.二度目の観賞。周到に伏線が敷かれたよく練られた脚本だったことに気づく。

映画「The Hurt Locker」(2004)

手ぶれカメラを多用した映像は臨場感を出すことに成功している。このサスペンスは相当なものである。さらに戦争に、また死に憑りつかれたニヒリズムをよく描いている。ただし深さを期待してはいけない。

2021年10月25日月曜日

映画「The Meyerowitz Stories (New and Selected)」(2017)

いい脚本で、名優たちが大真面目にコメディを演じるとこういう佳作が出来上がる。

2021年10月22日金曜日

映画「Scarface」(1983)

派手な殺人とコカイン吸飲シーンの連続。その中を愛・友情・裏切りのドラマが展開する。ブライアン・デ・パルマオリバー・ストーンとアル・パチーノが組めばこうなる。この作品の影響を受けていないギャング映画は存在しないと言ってよい今や古典となった名作。

2021年10月21日木曜日

映画「Portrait de la jeune fille en feu」(2019)

ともすれば衒学的趣味に陥りがちなフランス映画だが、これは深遠さを湛えた本物のフランス精神。私でも最後まで堪能することが出来た。「見ること/見られること」を中心に据え、同性愛を美しい映像と共に繊細に描く。

映画「Seven/Se7en」(1995)

映像・演出・脚本・キャストの面で傑出している。David Fincherが巨匠への道を歩み始める契機となる記念碑的作品。

2021年10月20日水曜日

映画「Vox Lux」(2018)

淀みに浮かぶうたかたのような世界。そこでうたかたの人生を精一杯生きる一人の女性をNatalie Portmanが好演している。観る者の心に残るのはNatalie Portmanの名演だけである。それだけである。

2021年10月19日火曜日

映画「Downton Abbey」(2019)

人気のあるテレビドラマシリーズの続編という形らしい。実に多様なエピソードを巧みに練り込んである。テレビ版のほうを知らなくてもそれなりに楽しめる。評価の高いのもうなづける。しかし、「楽しめる」だけならテレビで十分。わざわざ映画にする必要はない。

映画「La dernière folie de Claire Darling/Claire Darling」(2019)

Catherine DeneuveとChiara Mastroianni。実の母娘が映画でも母娘を演じる。現在と過去。現実と幻想。憎しみと赦し。Julie Bertuccelli監督は見事なキャストの名演にも助けられてヨーロッパ映画の良い面を十二分に見せてくれた。

2021年10月18日月曜日

映画「Inglourious Basterds」(2009)

ここでもTarantino節全開。ただ、この作品もそうなのだが、まだ観ていないTarantino作品は観たいと思って必ず観る、そして大いに楽しむのだが、しかし一度観てしまうと、再び観たいとは余り思わないことが多い。その点がTerrence MalickやCohen兄弟との違いだ。恐らくは相性の問題なのだろう。

2021年10月16日土曜日

モーリス・ルヴェル作、田中早苗、訳「誰?」

Agora日本語読解辞典』において、モーリス・ルヴェル作、田中早苗、訳「誰?」冒頭部解析完了。

2021年10月15日金曜日

映画「Black Hawk Down」(2001)

なぜ戦争に行くのか。仲間のためだ。悲しいことにその台詞は自らは命を賭さず後方に隠れる人々の存在を露わにすることを妨げている。戦闘シーンの鮮烈さはさすがRidley Scott。

映画「Alone」(2020)

話としては陳腐なのだが、巧みな演出とJules Willcox、Marc Menchaca両者の名演が最後まで見せるサスペンスたらしめている。

2021年10月14日木曜日

映画「Marathon Man」(1976)

半世紀近く前のサスペンスだが、よくできた作品で最後まで緊張感を失わない。

2021年10月13日水曜日

映画「LA VENGEANCE D'UNE FEMME」(1989)

こういうのが好きな人もたくさんいるんだろうね。しかし私はフランス映画の中でもこの手のものは苦手。最後まで見ていられず自分の仕事に戻りたくなる。Jacques DoillonもPonetteのようなまっすぐな作品はいいのにね。

映画「Urban Cowboy」(1980)

主要な登場人物たちがまあ揃いも揃って誤ちばかり犯す愚かな人物として(良く言えば人間らしく)描かれているのは、1980年という時代のせいなのだろうか。しかしもしそういう意図があるのなら、それに見合う深みをもった切り込み方が要求される。その点が物足りぬこの作品は早晩忘れ去られることになるだろう。

映画「Blinded by the Light」(2019)

世界中の子どもたちに観てほしい作品。そして、15歳の私にも。
2021.12.16.二度目の観賞。賞賛すべきは脚本・演出・音楽だけでなく、キャスティングもすばらしいことに改めて気づく。すべてがはまり役だった。

映画「Breakthrough」(2019)

この宗教プロパガンダ映画に対するRotten Tomatoesの批評家支持率が63%であるという事実がアメリカ人の或る面を端的に表している。

2021年10月12日火曜日

映画「Stockholm」(2018)

スウェーデンらしいと言えばらしい事件であり作品である。人間心理の面白さを表現した名演を楽しめる。それにしても政府と警察のこの間抜けぶり。抗議は来なかったのだろうか。

映画「Ponette」(1996)

わずか5歳にしてこの作品でヴェネツィア国際映画祭主演女優賞を贈られたVictoire Thivisolの名演がこの作品を不滅のものにした。

2021年10月11日月曜日

映画「Beasts of No Nation」(2015)

アフリカの内戦や飢餓・暴力・少年兵士などの問題を扱った作品は少なくないが、この作品は人権団体やジャーナリストなどのいわゆる「良心的」白人たちを介入させない形で描いていることが新鮮であり、その結果上記の問題を「内部」の視点から描くことに成功している。

映画「Helmut Newton: The Bad and the Beautiful」(2020)

ニュートン自身のみならず彼をめぐるこのドキュメンタリーにも十分にそういう問題提起力がある。

映画「Good Will Hunting」(1997)

完璧な脚本。完ぺきな役者たちの完ぺきな演技。そして不滅の名作が出来上がる。

映画「Archive」(2020)

現代ののオルフェウスの物語。愛・意識・記憶・知性、そして人工知能の問題を提起する意欲作。最後の最後が最大のお楽しみというのもうまい。しかし、舞台は日本なのだが、日本語の使われ方も含めた違和感が楽しみを殺いでいる。

映画「Papicha」(2019)

女性監督らしく女性の視点を徹底することにより、より問題の根深さを観る者に突き付けることに成功している。その根深さはラストシーンの希望の提示ぐらいでは救われぬほどの深刻さである。

2021年10月9日土曜日

映画「Escape from Pretoria」(2020)

南アフリカでアパルトヘイトの撤廃を訴えるパンフレットを頒布したために逮捕された主人公が苦労の末木製の鍵をいくつも作成し仲間と共に脱獄する話。結構ハラハラさせるが、そもそもの背景を深めることなく単なる脱獄のテクニック話に終始しているのが残念。

2021年10月8日金曜日

2021年10月7日木曜日

映画「Doubles Vies」(2018)

フランスのコメディというものにはインテリ以外は見なくてよろしいという伝統があるのだろうか。大半の会話の内容がかなりの教養を要求するものである。

映画「Slalom」(2020)

Noée Abitaの名演も与って、Charlène Favierは一人の少女の内面を女性監督ならではの感性で繊細に描くことに成功している。

2021年10月6日水曜日

映画「Edmond」(2018)

これまでここに何度かフランスのコメディに対して厳しいことを描いてきたが、この作品には脱帽した。笑いの中に涙があり、涙の中に笑いがある。シラノは不滅であある。Alexis Michalikにはもっともっと作ってほしい。
2022.03.13.二度目の観賞。改めて演出の見事さに感銘を受けると共に、鏡やガラスなどの反射を活かしたカメラの妙にも関心を持った。

映画「遙かなる山の呼び声」(1980)

いつもながらの山田ワールド。いつもながらの名優陣(他の名だたる俳優陣をさしおいて、当時まだ10歳の吉岡秀隆が高倉・倍賞に次いで3番目にクレジットされているように見えた。)。

2021年10月5日火曜日

映画「The Shawshank Redemption」(1994)

Frank Darabontは寡作である。この不朽の名作を創る能力がありながら、である。曲者なのかもしれない。ただ、もしそうなら、曲者らしく、最後のシーンは付け加えずに余韻を持たせたままこの多くの深い示唆に富んだ作品を終わらせてほしかった。

映画「The Girl with the Dragon Tattoo」(2011)

158分の長さを持ち、更に人物関係も複雑なこの作品を一気に観させてしまう超一流のサスペンス。David Fincherの名人芸。それにDaniel CraigをもかすませてしまったRooney Maraの名演。

2021年10月4日月曜日

映画「קולות רקע‎/Golden Voices」(2019)

よく出来たコメディ。ただし通奏低音に流れるのは悲劇である。

映画「The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford」(2007)

Andrew Dominikはゆったりした物語進行を通して巧みにBrad PittとCasey Affleckの名演を引き出した。見事なカメラも相俟って、その結果、多くの一見取るに足らぬ小さなシーンが散漫になることなく統一され、継続した緊張感を観る者に与え続けることに成功している。2021.11.30.二度目の観賞。それにしてもRoger Deakinsのカメラはここでも名人芸の一言。「すべてのことは戸口で起こる」ドストエフスキー的演出。

映画「Carlito's Way」(1993)

話はありきたり。しかし、キャスト・映像・音楽、すべてがDe Palmaワールドで、存分に楽しませてくれる。ラストシーンも忘れ難い。

2021年10月1日金曜日

映画「Grâce à Dieu」(2018)

抑圧が強ければ強い程、それに抵抗する力強さも増幅するものだ。フランス人というものには特にそれを感じる。それも美術や思想の面にそれが表れやすいと思う。ということは、芸術としての映画においてもそれは発揮されるということだ。この作品にはそれがよく表れていると思う。今やありきたりの話になってしまったテーマが新しい力強さをもって表現されている。