2022年12月18日日曜日
2022年11月26日土曜日
2022年11月3日木曜日
映画「The Harder They Fall」(2021)
キャスト・音楽・カメラが素晴らしく、唐突すぎるラストはともかく斬新な演出は印象に残る。古き良き西部劇へのオマージュ、人種問題・性差問題への問題提起など、他に見るべき点も多い佳作。
2022年10月30日日曜日
2022年10月29日土曜日
2022年10月23日日曜日
2022年10月11日火曜日
映画「The Equalizer」(2014)
「Training Day」(2001)以来のAntoine FuquaとDenzel Washingtonのコンビ。暴力のシャープな描き方が面白い。Denzel Washingtonの存在感もいつもながらさすがである。
2022年10月9日日曜日
2022年10月8日土曜日
2022年9月27日火曜日
2022年9月26日月曜日
映画「Up in the Air」(2009)
このような世界の浅薄さを自明とする文化から見れば、アメリカでのみこの作品が評価される事実が逆に興味深い。これのどこが奥深いのか。ただのおちゃらけた喜劇にしか見えない。
2022年9月24日土曜日
2022年9月18日日曜日
2022年9月17日土曜日
2022年9月14日水曜日
映画「Mario Puzo's The Godfather Coda: The Death of Michael Corleone」
パート3の再編集版。三百数十か所の変更があったというが、特にこれといった大きな変更が見出せないにもかかわらず、はるかに完成度が上がったような印象を受けるのは芸術というものの不思議さだろう。シチリア人にもアメリカ人にもマフィアにもゴッドファーザーにも夫にも父にもなれなかったマイケルの最後。パート3はそのマイケルの死のシーンで終わるが今回の最終版ではそのシーンはない。ただ一人孤独に庭に座り込んでいるマイケルの姿を見せてこの映画は終わる。ついに父ヴィトーのようにはなれなかったマイケル。そのマイケルの死で終わるのではなく、それでも時は流れてゆくという、生と死を超えた永遠を示唆して終わるエンディング。わたしはここにこの最終版の最大の美点を見る。
2022年9月13日火曜日
2022年9月12日月曜日
2022年8月6日土曜日
時は流れているものを 刻むからこそ無理も出る
旅を続けていればこそ
いつかもう一度会えるはず
白いサンゴの一本道は
星の砂へと続く道
サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ
竹富島で会いましょう
時は流れているものを
刻むからこそ無理も出る
船に揺られて 釣り糸垂らせば
釣れた魚は空の色
サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ
竹富島で会いましょう
夕日待つ様な赤瓦
恋を伝えるミンサー帯
誰を待ちましょうコンドイ浜で
浅い眠りで夢の中
サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ
竹富島で会いましょう
交わす言葉も日焼けして
島のなまりが可愛い女
並ぶ石垣福木の影で
聞いた島唄忘られぬ
サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ
竹富島で会いましょう
昔大和の今東京
距離は呼び名で変わるもの
年に一度の種取り祭り
種をまきましょう胸の中
サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ
竹富島で会いましょう
サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ
竹富島で会いましょう
サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ
竹富島で会いましょう
「時は流れているものを 刻むからこそ無理も出る」
腑に落ちた。まさかこういう腑の落ち方をするとは想像だにもしなかった。私はこれまでの人生で一体何をしてきたんだろう。何を学んできたんだろう。
竹富島はニライカナイである。
「時は流れているものを 刻むからこそ無理も出る」
腑に落ちた。まさかこういう腑の落ち方をするとは想像だにもしなかった。私はこれまでの人生で一体何をしてきたんだろう。何を学んできたんだろう。
竹富島はニライカナイである。
2022年7月21日木曜日
2022年7月4日月曜日
2022年7月3日日曜日
2022年7月2日土曜日
ドラマ「Breaking Bad」
放映期間が6年近くにわたることの良い面がすべての面において現れた名作。脚本・人物造形・キャスティングが見事の一言。しかし何といってもいくら名作でも2時間の映画では到底表現することの不可能な「時間の経過と事態の変化」を十二分に表現している事実がすべてを物語る。
2022年6月29日水曜日
2022年6月23日木曜日
ドラマ「Fargo」
シーズン1~3を観た。原作の映画とは全く異なる筋立てだが、世界観には親和性が認められる。映画は芸術でシリーズドラマは娯楽、という紋切り型を破壊する代表例の一つ。いずれも引き込まれる魅力を持つ話であった。
2022年6月11日土曜日
2022年6月10日金曜日
2022年6月8日水曜日
2022年6月5日日曜日
2022年6月4日土曜日
映画「Judas and the Black Messiah」(2021)
力に溢れた作品。全体的な完成度の高さもさることながら、Daniel Kaluuyaのいつもながらの名演に感服。まだ33歳。いずれ世界を代表する映画人になってゆくことは間違いない。
2022年6月2日木曜日
映画「Never Rarely Sometimes Always」(2020)
良質のドキュメンタリーを観るようなカメラワークをもつロードムービー。キャストもいい。私には近しい世界というわけでは全くないが深い共感を以て観ることができる。
2022年5月26日木曜日
2022年5月17日火曜日
映画「It Felt Like Love」(2013)
Gina Piersantiという適役の抜擢を始めとしてEliza Hittmanの才能が存分に発揮された作品。私にはなかなか感情移入しにくい設定だが、いろいろと考えさせてくれた。
2022年5月11日水曜日
2022年5月9日月曜日
映画「Supernova」(2020)
すばらしいキャストと深さを湛えた脚本と共に湖水地方の美しい風景を背景に展開するロードムービー。愛と死。誰もそこから逃れることが許されぬテーマ。神なき世界にあって「超新星」は新たな特別の位置づけを与えられてゆくのかもしれない。
2022年5月4日水曜日
2022年4月24日日曜日
2022年4月23日土曜日
2022年4月17日日曜日
2022年4月15日金曜日
2022年4月12日火曜日
2022年4月11日月曜日
2022年4月8日金曜日
映画「Das Leben der Anderen」(2006)
Florian Henckel von Donnersmarckはまだまだ若い。歴史に残る大監督への道を着実に歩み続けているように思える。そして、自らの人生を重ね合わせたかのような名演を見せたUlrich Müheを忘れてはならない。
2022年4月7日木曜日
映画「Witness」(1985)
名匠Peter Weirの不滅の名作。今観ても37年の年月を感じさせない演出はさすがである。Harrison Fordの名演はいうまでもなく、ヨーロッパ古典絵画的な美を体現したKelly McGillis、スターになる前のDanny Glover、俳優としてのデビュー作でありこの10年後に死ぬことになるAlexander Godunovなど、キャスティングの見事なことも忘れてはならない。
2022年4月6日水曜日
2022年3月31日木曜日
映画「Minority Report」(2002)
Steven Spielbergの中では映像的に優れた作品の部類に入るだろう。しかし何と言ってもPhilip Kindred Dickの原作のアイデアの魅力。
映画「Druk/Another Round」(2020)
欧州の先進国における飲酒習慣及び実存的危機の問題を提起した作品、と言うべきか。彼らはここまで弱くなったのか。Mads Mikkelsenの名演が忘れ難い。
2022年3月28日月曜日
映画「Nobody」(2021)
コミカルなヴァイオレンスというものは通常つまらないものだがこれは例外。笑わせたりハラハラさせたりゲーム的な楽しさもあったりとサービス満点。Bob Odenkirkの力が大きいのだろう。
2022年3月26日土曜日
2022年3月24日木曜日
2022年3月23日水曜日
映画「Naissance des pieuvres/Water Lilies」(2007)
Portrait de la jeune fille en feuもそうだった。私には未知なことをたくさん教えてくれる監督、Céline Sciammaはその一人である。
映画「The Remains of the Day」(1993)
原作(Sir Kazuo Ishiguro)、脚本、映像、そしてAnthony HopkinsとEmma Thompsonの名演。これぞイングランドの底力。
映画「The Piano」(1993)
美の女神とその彼女を取り巻く男たちの物語。その美の女神の感性を演じるというほとんど不可能なことをHolly Hunterはやってのけた。脚本も映像も女神に振り回される者たちのキャスティングもただ見事というほかない。
2022年3月20日日曜日
2022年3月18日金曜日
映画「Tell Them Willie Boy Is Here」(1969)
アメリカン・ニュー・シネマ。クセのある役をRobert Redfordが好演。Conrad L. Hallのカメラはここでも魅力的。
2022年3月17日木曜日
映画「Rust Creek」(2018)
在り来たりの筋立てだが、何か所かで深みを感じさせる脚本と、映像・音楽の秀逸さ、それにHermione Corfieldの好演のおかげで佳作に仕上がった。キーワードは「plan」。
2022年3月14日月曜日
映画「A Beautiful Day in the Neighborhood」(2019)
評価の高い作品らしいのだが、私にはどうも説教臭く聞こえて鼻白む場面が多かった。ラストシーンでTom Hanksがピアノの低音部を思い切り叩く場面にのみ真実の欠片を見たような気がする。
2022年3月11日金曜日
映画「A Walk Among the Tombstones」(2014)
Scott Frank監督は脚本のみならず映像・音楽を駆使し、ただのクライムサスペンスに都会の詩情をもたらした。62歳になったLiam Neesonが心に深い傷を負った主人公の探偵を名演している。
2022年3月9日水曜日
映画「agente topo/The Mole Agent」(2020)
ドキュメンタリー風のフィクションではなくフィクション風のドキュメンタリー。主演(?)男性だけでなく監督をはじめとしたクルー、施設職員、すべての人々の基本的な善良さがこの作品の魅力を形作っている。
2022年3月8日火曜日
2022年3月7日月曜日
2022年3月6日日曜日
2022年3月4日金曜日
2022年3月3日木曜日
映画「The Way Back」(2020)
話としてはありきたりだが、当時主人公と同様アルコール依存症に苦しんでいたというBen Affleckの半ばドキュメンタリー的な作品として心を打つ演技が印象に残る。
2022年3月1日火曜日
2022年2月27日日曜日
映画「Once Upon a Time in America」(1984)
いくつかの難(例えばデボラ役のキャスティング)はあるものの、よく考え抜かれた名作。観るたびに感心する。大きな賞を取っていないらしいことが不可解。今回観たのは229分の完全版だが、「レストア版」も「エクステンデッド版」もあるらしい。それらもいつか観たい。
2022年2月25日金曜日
映画「Elle」
Paul Verhoevenはこの作品においてその健在ぶりを示した、というよりもキャリア最高の哲学を生み出したと言ってもよい。それはひとえにIsabelle Huppertの名演あってのものであった。
2022年2月22日火曜日
映画「A Man for All Seasons」(1966)
信念の人Fred Zinnemannが信念の人Thomas Moreを描いた。大作主義の当時のハリウッドにあって骨太の傑作が創り出されていた。
2022年2月21日月曜日
映画「Freaky」(2020)
この作品のホラーとコメディを組み合わせた趣向を見て、ホラーファンの多くはリアリティや哲学を求めてではなく愉快な没入感を求めてホラーを見ているのではないかと理解できたような気がする。だとしても私がホラーファンの仲間入りをするつもりだというわけではないが。
2022.06.12.二度目の観賞。どの程度の悪かにかかわらず悪役にはすべて最悪の懲罰が与えられ、最後には友情と家族が勝利を収める。思想も何もない、ただ極めて面白い作品。
2022.06.12.二度目の観賞。どの程度の悪かにかかわらず悪役にはすべて最悪の懲罰が与えられ、最後には友情と家族が勝利を収める。思想も何もない、ただ極めて面白い作品。
2022年2月20日日曜日
映画「The Party」(2017)
遅まきながらSally Potterを初めて知った。多彩な才能を一流のレヴェルで持つ人なんだな。名優たちをカメラと動きと言葉で踊らせている。繰り返しその魅力を楽しみたい作品。
2022年2月19日土曜日
映画「The Guest」(2014)
You're Nextの3年後にDan Stevens・Simon Barrettのコンビが作ったサスペンス・スリラー。Dan Stevensが名演。他のキャストも良い。前作ほどスプラッター的要素はなくストーリー(辻褄の合わない点が多いことは前作同様ではあるが)により重点を置いている。
2022年2月18日金曜日
映画「Gran Torino」(2008)
Clint Eastwoodの数多い名作群の一つ。頑迷な老兵の覚醒を中心に据えたヒューマニズム。異文化間コミュニケーション・人種差別・戦争のトラウマ・生と死・神・家族...様々な問題を提起する点にもEastwoodらしさが出ている。
映画「High Plains Drifter」(1973)
監督してもClint Eastwoodには輝かしい未来が待っているということを証明した名作。一見陳腐なマカロニウエスタンが、観客に問いを突き付けるような謎に満ちた娯楽性満点の作品に仕上がっている。ただし女性の扱い方は最低。
2022年2月17日木曜日
2022年2月16日水曜日
2022年2月14日月曜日
映画「Trainspotting」(1996)
薬物依存を中心に、若者と社会、スコットランドとイングランドなどの関係をめぐって展開する作品。独特のカメラワークも魅力。私には今一つ馴染みのない世界であるにもかかわらず最後まで魅入られることが名作の名作たる所以。
2022年2月11日金曜日
映画「The Personal History of David Copperfield」(2019)
原作の魅力を多様な人種から成るキャストを用いて完成度の高いドタバタ喜劇に再生させた佳作。それに最初から最後まで徹頭徹尾温かいユーモアが流れている。その温かさには主演のDev Patelの力も大きく与っている。
2022年2月10日木曜日
映画「Om det oändliga/About Endlessness」(2019)
Roy Anderssonの作品は初めて見た。感動した。思想と絵画的映像の融合。この監督の作品をもっと観たい。この作品も何度も観返したい。
2022年2月9日水曜日
2022年2月8日火曜日
映画「Proxima」(2019)
隔離期間中の宇宙飛行士が打ち上げ前日基地を抜け出して娘に会いにゆき、更に娘を連れて翌日打ち上げ予定のロケットを見に行くという、誰でも気づくはずの飛んでもなく奇妙な点を監督はじめスタッフの誰もが見逃しているということは驚くべきことであるが、概ねとても真摯に作った作だということは伝わる。Eva Greenは適役だった。
2022年2月7日月曜日
映画「The Thing」(1982)
エイリアン映画としてはこの3年前の「Alien」の衝撃には及ばぬが、人間間の不信という視点を織り込んでいる点がユニーク。エイリアンだけではなく同僚の人間も「他者」として捉え始めるその二重性が面白い。
2022年2月6日日曜日
映画「Tigerland」(2000)
粗い画面の手ぶれカメラはJoel Schumacherの映像美。この時まだ24歳だった新進Colin Farrellが主人公の屈折した性格をよく演じている。戦争映画としては新奇さはないにせよ、忘れ難い印象を残す佳作には違いない。
2022.06.30.二度目の鑑賞。合衆国ではこの作品にはリアリティがあると考えられているのだろうか。作品としては魅力に満ちているが、ありそうな話にはどうしても思えないのだが。
2022.06.30.二度目の鑑賞。合衆国ではこの作品にはリアリティがあると考えられているのだろうか。作品としては魅力に満ちているが、ありそうな話にはどうしても思えないのだが。
2022年2月5日土曜日
映画「Ser du månen, Daniel/Held for Ransom」(2019)
可能な限り客観的であろうとする姿勢は好感が持てる。新しい情報はない。欲を言えば、ここまでやれるならさらに一歩踏み込んで身代金を払う術さえ見出せない大多数の人々の悲惨にももう少し触れてほしかった。
2022年2月4日金曜日
映画「Copycat」(1995)
話はかなり甘い。筋に粗が目立つ。製作は1995年だから時代はそれほど言い訳にはできない。しかし、Sigourney WeaveとHolly Hunterの好演が最後までサスペンスを維持させる。
2022年2月3日木曜日
映画「I Don't Feel at Home in This World Anymore」(2017)
ユーモア・温かさ・残酷さ・社会批判。Macon Blairの才能が発揮された佳作。Melanie LynskeyとElijah Jordan Woodの好演も評価すべき。
2022年2月1日火曜日
2022年1月31日月曜日
映画「Miss Stevens」(2016)
愛・孤独・トラウマ・友情...様々なことを考えさせてくれる佳作。Lily Rabeがすばらしい。そして、何よりもこの作品でTimothée Chalametは名優への確かな第一歩を踏んだ。
2022年1月29日土曜日
映画「70 Binladens」(2018)
IQ167という設定だとはいえ話に無理が多いが、かなりのサスペンス。散見されるカメラワークの見事さも与って大きい。このカメラワークを全編に徹底するべきだった。
2022年1月28日金曜日
映画「Joe Kidd」(1972)
監督John Sturges、主演Clint Eastwood、悪役はRobert Duvall、その他一癖も二癖もある役者たち。脚本の陳腐さを脇において楽しむことに徹することを知る者には楽しい作品。
映画「Carne trémula/Live Flesh」(1997)
この世に「到来」する出産。男も、女も、幸福も、不幸も、あらゆるものは「到来」する。bienvenido。原作のただの推理小説をPedro Almodóvarは哲学的な芸術に昇華させている。
2022年1月27日木曜日
2022年1月26日水曜日
2022年1月25日火曜日
2022年1月23日日曜日
2022年1月22日土曜日
映画「Il testimone invisibile/The Invisible Witness」(2020)
リメイクらしいが、極めて秀逸なサスペンス。最後まで集中して観られた。しかし莫大な製作費をかけて映画にする意味はどこまであるのかという疑問は残る。役者にしてもカメラにしても演出にしても特に芸術的だとは思えない。テレビドラマでも同程度のものは出来るのではないのだろうか。その簡単な試金石は明日すぐ再び見たいと思うか、ということだ。
2022年1月21日金曜日
映画「Johnny Guitar」(1954)
Nicholas Rayの力技。役者など誰でもよいといった感じ。特に実質的な主人公となる女性二人はけばけばし過ぎるし「西部の強い女」の設定にしては運動神経もなさ過ぎる。今度観る時はRayの名人芸を分析することに専念したいと思う。
2022年1月20日木曜日
映画「Imitation of Life」(1959)
どの役者もよくやった。しかし、何と言っても演出とカメラ。なるほどDouglas Sirkは名監督であった。時代が時代ならもっともっと多くいい作品を遺してくれていただろうと思うと残念である。
2022年1月19日水曜日
映画「The Devil Wears Prada」(2003)
徹頭徹尾軽薄なコメディ。Anne Hathawayはよく頑張った。この後彼女は演技派として開花するのだ。しかし、結果としてこの映画はひとりMeryl Streepのためにだけ存在するような作品となった。
映画「De Palma」(2015)
監督としての初期の頃、監督仲間たちと仕事を融通し合っていた話が興味深かった。まだ映画は若き芸術家たちの世界に辛うじてとどまっていたのだ。映画の商品化がさらに進んでしまった今では恐らくそんなことは一部を除きほとんど起きていないだろう。また、特にカメラワークにおいてヒッチコックの影響を強く受けたと語る点も面白かった。あの独特のカメラにはそういう背景があったのだ。さらに、完成した作品というものはあらゆるミスの記録だという話も面白かった。芸術はすべからくそういうものであるはずだ。少なくとも遥かな高みを目指す芸術家たちにとってはそうであるはずだ。
2022年1月18日火曜日
映画「Herself」(2020)
Clare Dunneのの見事な脚本と演技。Phyllida Lloydの繊細かつ美しい演出。在り来たりの話が観る価値のある商品に仕上がった。性を固定化するかのようなこのような言い方は良くないのかもしれないが、こういう作品を見るともっともっと女性が映画を作ってほしいと思う。
2022年1月17日月曜日
2022年1月15日土曜日
映画「The Hitcher」(1986)
なかなかのサスペンスなのだが、話はありきたりだし、何よりもつじつまの合わぬことが多すぎる。36年前の人間(またその時にもし私がこれを見ていたとしたら)はそれほど愚かだったのだろうか。つけ狙われる青年の或る種のビルドゥングスロマンと好意的に解釈すればまだ観られるかもしれない。
2022年1月14日金曜日
2022年1月13日木曜日
映画「La Mala Educación/Bad Education」(2004)
Almodvarの自伝的要素が入る作品だけあって、入魂の創りという言葉がふさわしい。力が入っている。私には感情移入できる要素がほとんどない世界なのだが、最後まで引き込まれる芸術性には感嘆するほかない。
2022年1月10日月曜日
2022年1月9日日曜日
映画「Invictus」(2009)
いかにもアメリカンの好みそうな成功物語だが、Clinton Eastwoodの手堅い演出とMorgan FreemanとMatt Damonの確実な演技によりNelson Mandelaの生涯の一断面を描くことに成功している。問題提起力の切れ味にもう一つEastwoodらしさが感じられないのが残念。
映画「The Silence of the Lambs」(1991)
何度観ても変わらず感じることは、様々な候補がいた中で結果として誕生した監督Robert Demme・Anthony Hopkins・Jodie Fosterの組み合わせが最上であったということである。それに忘れてならないのは小津の影響を受けている可能性も感じるTak Fujimotoのカメラの見事さであある。118分が短かった。クラリスのトラウマをもっと掘り下げてもほしかったし、ハンニバルをもっと前面に出してもほしかった。180分になっても観たかった。
2022年1月8日土曜日
映画「Pale Rider」(1985)
ここに新しいものは何もない。しかし、常に進化をやめないClint Eastwoodはこの作品では古き良き時代の西部劇に詩情豊かな総仕上げを施している。陳腐なものを陳腐でないものに再生させる。それこそ最も実現困難な芸術である。
映画「The Lost Daughter」(2021)
Olivia Colmanの名演が巧みな映像と演出をさらに輝かせる。母としての経験を持たぬ私の心にここまで喰い込んでくるという事実がこの作品の普遍性を証明する。Maggie Gyllenhaalの初監督作という。きらめく才能の開花を祝福する。今後が楽しみ。
2022年1月7日金曜日
映画「Luce」(2019)
画・音・脚本の魅力。冒頭から鑑賞を終えた後でさえ次から次へと絶えず観る者に問いを突き付け続ける演出力。Julius Onah。我々は新時代の名監督の誕生を目撃しているのかもしれない。
2022年1月6日木曜日
映画「Deux Moi/Someone, Somewhere」(2019)
フランスの良い面がよく出た作品。在り来たりのロマンティックドラマに鋭い社会批判を込めたCédric Klapischの手腕は並々ならぬものである。キャストも良い。
2022年1月1日土曜日
映画「Don't Look Up」(2021)
その意図やよきブラック・コメディ。豪華キャストと莫大な製作費。しかしAdam McKayはその知性において己がこのレヴェルの作品を任せられる器ではないことを証明してしまった。
映画「Drive」(2011)
心に深い余韻を残す美しい犯罪映画というのはそうあるものではない。これがそれだ。Nicolas Winding Refn監督、彼を監督にする条件でオファーを承諾した名優Ryan Thomas Goslingのおかげで我々はこの忘れ難い佳品を得た。
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