2022年12月18日日曜日

2022年11月26日土曜日

2022年11月3日木曜日

映画「The Harder They Fall」(2021)

キャスト・音楽・カメラが素晴らしく、唐突すぎるラストはともかく斬新な演出は印象に残る。古き良き西部劇へのオマージュ、人種問題・性差問題への問題提起など、他に見るべき点も多い佳作。

2022年10月30日日曜日

有島武郎「惜みなく愛は奪う」

Agora日本語読解辞典』において、有島武郎惜みなく愛は奪う」冒頭部解析完了。

映画「Hugo」(2011)

美しい映像と映画への愛に満ちた作品。子どもだけでなく大人も楽しめる。

2022年10月29日土曜日

ドラマ「Peaky Blinders」

イギリス人にしか創れないダークな雰囲気に満ちた名作。それに何といっても特筆すべきはCillian Murphyの名演。

2022年10月23日日曜日

イマヌエル・カント著「運動静止論」

Agora日本語読解辞典』において、イマヌエル・カント著(1758)、井上洋一、訳(1994)冒頭部解析完了。

2022年10月11日火曜日

映画「The Equalizer」(2014)

「Training Day」(2001)以来のAntoine FuquaとDenzel Washingtonのコンビ。暴力のシャープな描き方が面白い。Denzel Washingtonの存在感もいつもながらさすがである。

2022年10月9日日曜日

映画「Legends of the Fall」(1994)

壮大なメロドラマ。しかし、役者たちの名演と、何といっても映像美。それだけでも価値はあると思う。

映画「The Cider House Rules」(1999)

優れた原作が、脚本・演出・キャスト・映像・音楽と幸福な出会いを遂げ、また一つ映画芸術作品が生まれた。

2022年10月8日土曜日

映画「Black Mirror: Bandersnatch」(2018)

映画というよりゲーム。それもあなたが神の立場になるゲーム。その斬新さに驚いた。

阿部次郎「三太郎の日記 第三」

Agora日本語読解辞典』において、阿部次郎三太郎の日記 第三」冒頭部解析完了。

ドラマ「Black Mirror」

Charlie Brooker恐るべし。

映画「Sleepy Hollow」(1999)

Tim Burtonの目くるめく映像美。

2022年9月27日火曜日

2022年9月26日月曜日

映画「Up in the Air」(2009)

このような世界の浅薄さを自明とする文化から見れば、アメリカでのみこの作品が評価される事実が逆に興味深い。これのどこが奥深いのか。ただのおちゃらけた喜劇にしか見えない。

2022年9月24日土曜日

映画「Training Day」(2001)

作品は全体として掘り下げ方が甘く、もっぱらDenzel WashingtonとEthan Green Hawkeの二人の名演を楽しむ作品。

2022年9月18日日曜日

映画「Donnie Brasco」(1997)

魅力的な脚本を二人の名優が忠実に演じた佳作。また観たい。

2022年9月17日土曜日

ドラマ「Better Call Saul」

脚本・演出・キャスト、すべてにおいて一級品。何よりも、これまであまり知らなかったBob Odenkirkの実力に恐れ入った。

2022年9月14日水曜日

映画「Mario Puzo's The Godfather Coda: The Death of Michael Corleone」

パート3の再編集版。三百数十か所の変更があったというが、特にこれといった大きな変更が見出せないにもかかわらず、はるかに完成度が上がったような印象を受けるのは芸術というものの不思議さだろう。シチリア人にもアメリカ人にもマフィアにもゴッドファーザーにも夫にも父にもなれなかったマイケルの最後。パート3はそのマイケルの死のシーンで終わるが今回の最終版ではそのシーンはない。ただ一人孤独に庭に座り込んでいるマイケルの姿を見せてこの映画は終わる。ついに父ヴィトーのようにはなれなかったマイケル。そのマイケルの死で終わるのではなく、それでも時は流れてゆくという、生と死を超えた永遠を示唆して終わるエンディング。わたしはここにこの最終版の最大の美点を見る。

2022年9月12日月曜日

二首

いつの間に点滴スタンド友となりどこへ行くにも手をつなぎ行く
比良の上に名残の月の輝けりこを名残とはすまじとぞ思う

2022年8月6日土曜日

時は流れているものを 刻むからこそ無理も出る

旅を続けていればこそ いつかもう一度会えるはず 白いサンゴの一本道は 星の砂へと続く道 サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ 竹富島で会いましょう 時は流れているものを 刻むからこそ無理も出る 船に揺られて 釣り糸垂らせば 釣れた魚は空の色 サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ 竹富島で会いましょう 夕日待つ様な赤瓦 恋を伝えるミンサー帯 誰を待ちましょうコンドイ浜で 浅い眠りで夢の中 サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ 竹富島で会いましょう 交わす言葉も日焼けして 島のなまりが可愛い女 並ぶ石垣福木の影で 聞いた島唄忘られぬ サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ 竹富島で会いましょう 昔大和の今東京 距離は呼び名で変わるもの 年に一度の種取り祭り 種をまきましょう胸の中 サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ 竹富島で会いましょう サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ 竹富島で会いましょう サーツンダラカヌシャマ マタハーリヌ 竹富島で会いましょう

「時は流れているものを 刻むからこそ無理も出る」
腑に落ちた。まさかこういう腑の落ち方をするとは想像だにもしなかった。私はこれまでの人生で一体何をしてきたんだろう。何を学んできたんだろう。
竹富島はニライカナイである。

2022年7月21日木曜日

ドラマ「House of Cards」

権力欲に取りつかれたサイコパス夫婦とそれに巻き込まれる人々のドラマ。名作である。

2022年7月4日月曜日

ドラマ「Godless」

古き良き西部劇の伝統を美しく蘇らせる。フェミニズムの視点の色濃いことが特徴。

映画「El Camino: A Breaking Bad Movie」(2019)

オリジナルのドラマ版に魅せられた者にとっては期待通りの出来のエピローグとなった。

2022年7月3日日曜日

2022年7月2日土曜日

ドラマ「Breaking Bad」

放映期間が6年近くにわたることの良い面がすべての面において現れた名作。脚本・人物造形・キャスティングが見事の一言。しかし何といってもいくら名作でも2時間の映画では到底表現することの不可能な「時間の経過と事態の変化」を十二分に表現している事実がすべてを物語る。

2022年6月29日水曜日

2022年6月23日木曜日

ドラマ「Fargo」

シーズン1~3を観た。原作の映画とは全く異なる筋立てだが、世界観には親和性が認められる。映画は芸術でシリーズドラマは娯楽、という紋切り型を破壊する代表例の一つ。いずれも引き込まれる魅力を持つ話であった。

映画「Kajillionaire」(2020)

馬鹿げたコメディの体裁をとりながら、時折観る者の内面をグサリと鋭く刺してくる。Miranda Julyおそるべし。

映画「Elizabeth」(1998)

史実と異なる点も多いようだが、少なくとも英国中世の凄まじい政争の姿は窺える。Cate Blanchettの名演も印象的。

映画「La bonne épouse/How to Be a Good Wife」(2020)

フランスのコメディもこういうのを作るのだな。結構楽しめる。

2022年6月10日金曜日

ドラマ「Ozark」

ドラマシリーズというものを私はあまり評価していなかったが、これには感心させられた。非常によく作られてる。

2022年6月8日水曜日

映画「L.A.Confidential」(1990)

映画史に残るのは、この年アカデミー作品賞を争ったTitanicではなくこの作品だ。

映画「The Post」(2017)

その社会的意義だけでもこの作品は観る価値がある上に、Meryl Streepの名演がここでも見られる。

マルティン・ハイデッガー著(1953)、石光泰夫、訳(1994)「形而上学入門」

Agora日本語読解辞典』において、マルティン・ハイデッガー著(1953)、石光泰夫、訳(1994)「形而上学入門」冒頭部解析完了。

2022年6月5日日曜日

映画「The Suicide Squad」(2021)

これぞエンターテインメント。思う存分楽しませていただきました。

2022年6月4日土曜日

映画「Judas and the Black Messiah」(2021)

力に溢れた作品。全体的な完成度の高さもさることながら、Daniel Kaluuyaのいつもながらの名演に感服。まだ33歳。いずれ世界を代表する映画人になってゆくことは間違いない。

映画「La Belle Époque」(2019)

何度も書いているが私はロマコメは苦手だ。しかしこれには脱帽した。脚本・キャスト・演出の見事なこと。フランス万歳。

2022年6月2日木曜日

映画「Never Rarely Sometimes Always」(2020)

良質のドキュメンタリーを観るようなカメラワークをもつロードムービー。キャストもいい。私には近しい世界というわけでは全くないが深い共感を以て観ることができる。

2022年5月26日木曜日

2022年5月17日火曜日

映画「It Felt Like Love」(2013)

Gina Piersantiという適役の抜擢を始めとしてEliza Hittmanの才能が存分に発揮された作品。私にはなかなか感情移入しにくい設定だが、いろいろと考えさせてくれた。

2022年5月11日水曜日

100 Dinge/100 Things(2018)

思想とユーモアにドイツらしさがよく出ている。しかし、退屈。途中で放り投げた。

2022年5月9日月曜日

映画「Supernova」(2020)

すばらしいキャストと深さを湛えた脚本と共に湖水地方の美しい風景を背景に展開するロードムービー。愛と死。誰もそこから逃れることが許されぬテーマ。神なき世界にあって「超新星」は新たな特別の位置づけを与えられてゆくのかもしれない。

ジル・ドゥルーズ著(1962)、足立和浩、訳(1982)「ニーチェと哲学」

Agora日本語読解辞典』において、ジル・ドゥルーズ著(1962)、足立和浩、訳(1982)「ニーチェと哲学」冒頭部解析完了。

2022年4月28日木曜日

2022年4月24日日曜日

映画「Snatch」(2000)

英国風ブラックコメディ的ギャング映画と言ってよいのだろうか。それなりに楽しめる。

映画「Public Enemies」(2009)

映像面でもキャストの面でも、美しく撮ろうとしたギャング映画。それなりの娯楽性はある。

映画「Looper」(2012)

思想と娯楽が程よくブレンドされた佳作。観れば観るほど発見があり面白くなってゆくのではないかという期待がある。

2022年4月8日金曜日

クロード・レヴィ=ストロース著(1958)、荒川幾男・生松敬三・川田順造・佐々木明・田島節夫、訳(1972)「構造人類学」

Agora日本語読解辞典』において、クロード・レヴィ=ストロース著(1958)、荒川幾男・生松敬三・川田順造・佐々木明・田島節夫、訳(1972)「構造人類学」冒頭部解析完了。

映画「Das Leben der Anderen」(2006)

Florian Henckel von Donnersmarckはまだまだ若い。歴史に残る大監督への道を着実に歩み続けているように思える。そして、自らの人生を重ね合わせたかのような名演を見せたUlrich Müheを忘れてはならない。

2022年4月7日木曜日

北村透谷「文學史の第一着は出たり」

Agora日本語読解辞典』において、北村透谷文學史の第一着は出たり」冒頭部解析完了。

映画「Witness」(1985)

名匠Peter Weirの不滅の名作。今観ても37年の年月を感じさせない演出はさすがである。Harrison Fordの名演はいうまでもなく、ヨーロッパ古典絵画的な美を体現したKelly McGillis、スターになる前のDanny Glover、俳優としてのデビュー作でありこの10年後に死ぬことになるAlexander Godunovなど、キャスティングの見事なことも忘れてはならない。

2022年4月6日水曜日

映画「Awakenings」(1990)

Robin Williams。Robert De Niro。名優中の名優たち。

映画「Little Miss Sunshine」(2006)

まじめで、可笑しく、いろいろ考えさせてくれるロードムービー。

2022年3月31日木曜日

映画「Minority Report」(2002)

Steven Spielbergの中では映像的に優れた作品の部類に入るだろう。しかし何と言ってもPhilip Kindred Dickの原作のアイデアの魅力。

映画「Druk/Another Round」(2020)

欧州の先進国における飲酒習慣及び実存的危機の問題を提起した作品、と言うべきか。彼らはここまで弱くなったのか。Mads Mikkelsenの名演が忘れ難い。

映画「CHARLEY VARRICK」(1973)

Don Siegelの名作。半世紀前の作品なのに今観ても十分面白い。

2022年3月28日月曜日

映画「Nobody」(2021)

コミカルなヴァイオレンスというものは通常つまらないものだがこれは例外。笑わせたりハラハラさせたりゲーム的な楽しさもあったりとサービス満点。Bob Odenkirkの力が大きいのだろう。

2022年3月26日土曜日

映画「Braveheart」(1995)

史実と相違する箇所が随分あるようだ。娯楽大作として観るべき作品。

映画「Driving Miss Daisy」(1989)

心温まるユーモアに溢れ、かつ人種差別の問題を鋭く抉る永遠の名作。Jessica TandyとMorgan Freemanの名演も永遠の宝物。

2022年3月24日木曜日

映画「Girlhood/Bande de filles」(2014)

これもCéline Sciamma監督作品。話も演出も映像もキャストもすべてにおいて教えられることが多い。

2022年3月23日水曜日

映画「Naissance des pieuvres/Water Lilies」(2007)

Portrait de la jeune fille en feuもそうだった。私には未知なことをたくさん教えてくれる監督、Céline Sciammaはその一人である。

映画「The Remains of the Day」(1993)

原作(Sir Kazuo Ishiguro)、脚本、映像、そしてAnthony HopkinsとEmma Thompsonの名演。これぞイングランドの底力。

映画「The Piano」(1993)

美の女神とその彼女を取り巻く男たちの物語。その美の女神の感性を演じるというほとんど不可能なことをHolly Hunterはやってのけた。脚本も映像も女神に振り回される者たちのキャスティングもただ見事というほかない。

映画「Rust Creek」(2018)

在り来たりの話が演出と映像の魅力によって十分に批評に値する作品となった。Hermione Corfieldも名演。

2022年3月20日日曜日

映画「The Descendants」(2007)

可笑しく力強くとても美しい作品。

映画「Juno」(2007)

日本人のジジイから見るとぶっ飛んでるとしか言いようのない映画。繰り返し観て楽しませてもらいたい作品。Elliot Pageがすばらしい。

2022年3月18日金曜日

映画「Tell Them Willie Boy Is Here」(1969)

アメリカン・ニュー・シネマ。クセのある役をRobert Redfordが好演。Conrad L. Hallのカメラはここでも魅力的。

2022年3月17日木曜日

映画「Rust Creek」(2018)

在り来たりの筋立てだが、何か所かで深みを感じさせる脚本と、映像・音楽の秀逸さ、それにHermione Corfieldの好演のおかげで佳作に仕上がった。キーワードは「plan」。

2022年3月14日月曜日

映画「A Beautiful Day in the Neighborhood」(2019)

評価の高い作品らしいのだが、私にはどうも説教臭く聞こえて鼻白む場面が多かった。ラストシーンでTom Hanksがピアノの低音部を思い切り叩く場面にのみ真実の欠片を見たような気がする。

映画「Bridget Jones's Diary」(2001)

私の苦手なラブコメ。最後まで見られたのは一にも二にもRenée Zellwegerの名演のおかげである。

映画「La Pirate」(1984)

良くも悪くもフランスらしい作品。他では作れない。

映画「VFW」(2019)

私の好みではない。しかし、B級映画の傑作であることは間違いない。

2022年3月11日金曜日

映画「A Walk Among the Tombstones」(2014)

Scott Frank監督は脚本のみならず映像・音楽を駆使し、ただのクライムサスペンスに都会の詩情をもたらした。62歳になったLiam Neesonが心に深い傷を負った主人公の探偵を名演している。

2022年3月9日水曜日

映画「agente topo/The Mole Agent」(2020)

ドキュメンタリー風のフィクションではなくフィクション風のドキュメンタリー。主演(?)男性だけでなく監督をはじめとしたクルー、施設職員、すべての人々の基本的な善良さがこの作品の魅力を形作っている。

映画「Dead Man Walking」(1995)

Susan SarandonとSean Pennの名演がこの作品が宗教的プロパガンダに陥ることから辛うじて救っている。

2022年3月8日火曜日

映画「The Rock」(1996)

アクションとサスペンスはなかなかなものだが、脚本・演出の幼稚さ、ケイジのいつもながらのわざとらしさ、コネリーの隠しようのない衰え。こういう印象しか残らない。

2022年3月7日月曜日

映画「Winter on Fire」(2015)

これを観ると、ロシア侵略軍との圧倒的な軍事力の差にもかかわらずウクライナが今なお善戦を続けている背景がよく分かる。

2022年3月4日金曜日

映画「Ya no estoy aqui/I'm No Longer Here」(2019)

アイデンティティ・疎外・異文化間接触・同化。音と映像の魅力。Coral Puenteの存在感も忘れ難い。

2022年3月3日木曜日

映画「The Way Back」(2020)

話としてはありきたりだが、当時主人公と同様アルコール依存症に苦しんでいたというBen Affleckの半ばドキュメンタリー的な作品として心を打つ演技が印象に残る。

2022年3月1日火曜日

映画「Mad Max: Fury Road」(2015)

贅沢な娯楽大作。ヴィジュアル的な魅力には溢れるが深みはない。一度で沢山。

映画「Favolacce」

タイトル通りのFavolacce(悪の寓話)。脚本も美術もカメラもすばらしい。ただしこのどうしようもない後味の悪さは独特のもの。

2022年2月27日日曜日

映画「Once Upon a Time in America」(1984)

いくつかの難(例えばデボラ役のキャスティング)はあるものの、よく考え抜かれた名作。観るたびに感心する。大きな賞を取っていないらしいことが不可解。今回観たのは229分の完全版だが、「レストア版」も「エクステンデッド版」もあるらしい。それらもいつか観たい。

2022年2月25日金曜日

映画「Winchester '73」(1950)

脚本・映像・キャスト。これぞ西部劇。

映画「Elle」

Paul Verhoevenはこの作品においてその健在ぶりを示した、というよりもキャリア最高の哲学を生み出したと言ってもよい。それはひとえにIsabelle Huppertの名演あってのものであった。

映画「War and Peace」(1956)

カラターエフのエピソードが心を打つ。それ以外では製作費が莫大であっただろうという印象ぐらいしか残らない。

2022年2月22日火曜日

映画「A Man for All Seasons」(1966)

信念の人Fred Zinnemannが信念の人Thomas Moreを描いた。大作主義の当時のハリウッドにあって骨太の傑作が創り出されていた。

2022年2月21日月曜日

映画「Freaky」(2020)

この作品のホラーとコメディを組み合わせた趣向を見て、ホラーファンの多くはリアリティや哲学を求めてではなく愉快な没入感を求めてホラーを見ているのではないかと理解できたような気がする。だとしても私がホラーファンの仲間入りをするつもりだというわけではないが。
2022.06.12.二度目の観賞。どの程度の悪かにかかわらず悪役にはすべて最悪の懲罰が与えられ、最後には友情と家族が勝利を収める。思想も何もない、ただ極めて面白い作品。

2022年2月20日日曜日

映画「The Party」(2017)

遅まきながらSally Potterを初めて知った。多彩な才能を一流のレヴェルで持つ人なんだな。名優たちをカメラと動きと言葉で踊らせている。繰り返しその魅力を楽しみたい作品。

2022年2月19日土曜日

映画「The Guest」(2014)

You're Nextの3年後にDan Stevens・Simon Barrettのコンビが作ったサスペンス・スリラー。Dan Stevensが名演。他のキャストも良い。前作ほどスプラッター的要素はなくストーリー(辻褄の合わない点が多いことは前作同様ではあるが)により重点を置いている。

2022年2月18日金曜日

映画「Gran Torino」(2008)

Clint Eastwoodの数多い名作群の一つ。頑迷な老兵の覚醒を中心に据えたヒューマニズム。異文化間コミュニケーション・人種差別・戦争のトラウマ・生と死・神・家族...様々な問題を提起する点にもEastwoodらしさが出ている。

映画「High Plains Drifter」(1973)

監督してもClint Eastwoodには輝かしい未来が待っているということを証明した名作。一見陳腐なマカロニウエスタンが、観客に問いを突き付けるような謎に満ちた娯楽性満点の作品に仕上がっている。ただし女性の扱い方は最低。

映画「DAU. Natasha」(2020)

この作品は壮大なプロジェクトの一部だという。ロシア人は時折りとんでもないものを作る。人間存在の深部にまで鋭く喰い入ろうと試みる野心的な作品。

2022年2月17日木曜日

映画「Euphoria」(2017)

これだけの役者を揃えておきながら、生と死という極めて有意義なテーマをこれほどまでに軽々しく扱うことは犯罪だとまで言えるのではないだろうか。

映画「Donnie Darko」(2001)

これほど刺激的作品でデビューしたRichard Kellyがその後なかなかいいのを作ってくれていないようなのが残念だ。

映画「Undine」(2020)

Christian Petzoldによる現代の神話。ヨーロッパらしさが魅力。

2022年2月16日水曜日

映画「Girl, Interrupted」(1999)

Angelina Jolieを始め実力派たちの演技を楽しめる作品だが、肝心のテーマを深く穿つ力に欠ける。

2022年2月14日月曜日

映画「The Intern」(2015)

話としては見るべきものは何もない。Robert De NiroとAnne Hathawayの演技は楽しめる。

映画「Trainspotting」(1996)

薬物依存を中心に、若者と社会、スコットランドとイングランドなどの関係をめぐって展開する作品。独特のカメラワークも魅力。私には今一つ馴染みのない世界であるにもかかわらず最後まで魅入られることが名作の名作たる所以。

2022年2月11日金曜日

映画「Collateral」(2004)

二度目の観賞だが、今回は脚本だけでなく映像とキャスティングの妙などにも感心した。Michael Mannの長所が前面に出たと言える名作。

映画「The Personal History of David Copperfield」(2019)

原作の魅力を多様な人種から成るキャストを用いて完成度の高いドタバタ喜劇に再生させた佳作。それに最初から最後まで徹頭徹尾温かいユーモアが流れている。その温かさには主演のDev Patelの力も大きく与っている。

2022年2月10日木曜日

映画「Amulet」(2020)

美しい映像。難解な筋立て。魅力的な台詞。女性による女性のための女性の映画。トーマスが読んでいたのもアーレントだった。

映画「Om det oändliga/About Endlessness」(2019)

Roy Anderssonの作品は初めて見た。感動した。思想と絵画的映像の融合。この監督の作品をもっと観たい。この作品も何度も観返したい。

2022年2月9日水曜日

映画「HOST」(2020)

コロナ禍でのZoomという新奇な設定以外は子どもだましのホラー。世間で高い評価を得ているらしいのが不可解。

2022年2月8日火曜日

映画「Proxima」(2019)

隔離期間中の宇宙飛行士が打ち上げ前日基地を抜け出して娘に会いにゆき、更に娘を連れて翌日打ち上げ予定のロケットを見に行くという、誰でも気づくはずの飛んでもなく奇妙な点を監督はじめスタッフの誰もが見逃しているということは驚くべきことであるが、概ねとても真摯に作った作だということは伝わる。Eva Greenは適役だった。

映画「You're Next」(2011)

スプラッターファンには面白いだろうが、思想も何もなく、私にはただ他人のヴィデオゲームを見せられている気分しか残らない。

2022年2月7日月曜日

映画「The Thing」(1982)

エイリアン映画としてはこの3年前の「Alien」の衝撃には及ばぬが、人間間の不信という視点を織り込んでいる点がユニーク。エイリアンだけではなく同僚の人間も「他者」として捉え始めるその二重性が面白い。

映画「Spell」(2020)

ホラーとしては陳腐。都市対地方、階級、人種などの対立を問題提起しようという意志は消化不良に終わる。

2022年2月6日日曜日

映画「Tigerland」(2000)

粗い画面の手ぶれカメラはJoel Schumacherの映像美。この時まだ24歳だった新進Colin Farrellが主人公の屈折した性格をよく演じている。戦争映画としては新奇さはないにせよ、忘れ難い印象を残す佳作には違いない。
2022.06.30.二度目の鑑賞。合衆国ではこの作品にはリアリティがあると考えられているのだろうか。作品としては魅力に満ちているが、ありそうな話にはどうしても思えないのだが。

2022年2月5日土曜日

甲賀三郎「五階の窓 合作の四 15」

Agora日本語読解辞典』において、甲賀三郎五階の窓 合作の四 15」冒頭部解析完了。

映画「Ser du månen, Daniel/Held for Ransom」(2019)

可能な限り客観的であろうとする姿勢は好感が持てる。新しい情報はない。欲を言えば、ここまでやれるならさらに一歩踏み込んで身代金を払う術さえ見出せない大多数の人々の悲惨にももう少し触れてほしかった。

2022年2月4日金曜日

映画「Copycat」(1995)

話はかなり甘い。筋に粗が目立つ。製作は1995年だから時代はそれほど言い訳にはできない。しかし、Sigourney WeaveとHolly Hunterの好演が最後までサスペンスを維持させる。

2022年2月3日木曜日

映画「I Don't Feel at Home in This World Anymore」(2017)

ユーモア・温かさ・残酷さ・社会批判。Macon Blairの才能が発揮された佳作。Melanie LynskeyとElijah Jordan Woodの好演も評価すべき。

2022年2月1日火曜日

映画「Bill & Ted Face the Music」(2020)

芸達者たちが楽しそうに演じている楽しい作品。メーキャップがよくできている。

映画「Free Guy」(2021)

The Truman Showが大人向きだとすればこれはお子様向き。哲学はほとんどないがゲーム的な迫力は魅力。

2022年1月31日月曜日

映画「Miss Stevens」(2016)

愛・孤独・トラウマ・友情...様々なことを考えさせてくれる佳作。Lily Rabeがすばらしい。そして、何よりもこの作品でTimothée Chalametは名優への確かな第一歩を踏んだ。

2022年1月29日土曜日

映画「70 Binladens」(2018)

IQ167という設定だとはいえ話に無理が多いが、かなりのサスペンス。散見されるカメラワークの見事さも与って大きい。このカメラワークを全編に徹底するべきだった。

2022年1月28日金曜日

映画「Joe Kidd」(1972)

監督John Sturges、主演Clint Eastwood、悪役はRobert Duvall、その他一癖も二癖もある役者たち。脚本の陳腐さを脇において楽しむことに徹することを知る者には楽しい作品。

映画「Carne trémula/Live Flesh」(1997)

この世に「到来」する出産。男も、女も、幸福も、不幸も、あらゆるものは「到来」する。bienvenido。原作のただの推理小説をPedro Almodóvarは哲学的な芸術に昇華させている。

2022年1月27日木曜日

映画「The Disciple」(2020)

古典音楽を極めようとどこまでもまっすぐに進む若者を描く、どこまでもまっすぐな映画。多くのことを教えてくれる作品。ハリウッドにも日本にも作れない作品。

映画「Les enfants du Paradis」(1945)

映画が文字通り総合芸術であった時代のフランスの傑作。脚本・演出・演技・カメラ。何度観ても感動を新たにする。

2022年1月26日水曜日

映画「Hors normes」(2019)

問題の核心にまで肉薄する厳しさにはやや欠けるものの、名優たちと実在の人物たちの演技が人の心を勇気づけ温めてくれる作品。

2022年1月25日火曜日

映画「Westworld」(1973)

魅力的な設定に鋭い文明批評を組み込んだMichael Crichtonの時を超える傑作。

映画「Better Watch Out」(2016)

全体的に幼稚な作りだが、意外と楽しめたのも事実。しかし一度で十分。

2022年1月23日日曜日

映画「Solitary」(2020)

SFにしては科学的知識が欠如しているように見えるし、作りが雑でリアリティもない。美しい映像のシーンがなければ場末の小劇場の二人芝居で済む話。

映画「The Nightingale」(2018)

Jennifer Kentがドラマチックな演出と美しい映像を駆使し力強い問題提起を行う。Aisling Franciosiの名演も評価すべき。

2022年1月22日土曜日

映画「Il testimone invisibile/The Invisible Witness」(2020)

リメイクらしいが、極めて秀逸なサスペンス。最後まで集中して観られた。しかし莫大な製作費をかけて映画にする意味はどこまであるのかという疑問は残る。役者にしてもカメラにしても演出にしても特に芸術的だとは思えない。テレビドラマでも同程度のものは出来るのではないのだろうか。その簡単な試金石は明日すぐ再び見たいと思うか、ということだ。

2022年1月21日金曜日

映画「Johnny Guitar」(1954)

Nicholas Rayの力技。役者など誰でもよいといった感じ。特に実質的な主人公となる女性二人はけばけばし過ぎるし「西部の強い女」の設定にしては運動神経もなさ過ぎる。今度観る時はRayの名人芸を分析することに専念したいと思う。

2022年1月20日木曜日

映画「Imitation of Life」(1959)

どの役者もよくやった。しかし、何と言っても演出とカメラ。なるほどDouglas Sirkは名監督であった。時代が時代ならもっともっと多くいい作品を遺してくれていただろうと思うと残念である。

2022年1月19日水曜日

映画「The Devil Wears Prada」(2003)

徹頭徹尾軽薄なコメディ。Anne Hathawayはよく頑張った。この後彼女は演技派として開花するのだ。しかし、結果としてこの映画はひとりMeryl Streepのためにだけ存在するような作品となった。

映画「De Palma」(2015)

監督としての初期の頃、監督仲間たちと仕事を融通し合っていた話が興味深かった。まだ映画は若き芸術家たちの世界に辛うじてとどまっていたのだ。映画の商品化がさらに進んでしまった今では恐らくそんなことは一部を除きほとんど起きていないだろう。また、特にカメラワークにおいてヒッチコックの影響を強く受けたと語る点も面白かった。あの独特のカメラにはそういう背景があったのだ。さらに、完成した作品というものはあらゆるミスの記録だという話も面白かった。芸術はすべからくそういうものであるはずだ。少なくとも遥かな高みを目指す芸術家たちにとってはそうであるはずだ。

2022年1月18日火曜日

映画「Herself」(2020)

Clare Dunneのの見事な脚本と演技。Phyllida Lloydの繊細かつ美しい演出。在り来たりの話が観る価値のある商品に仕上がった。性を固定化するかのようなこのような言い方は良くないのかもしれないが、こういう作品を見るともっともっと女性が映画を作ってほしいと思う。

映画「BuyBust」(2018)

腐敗とヴァイオレンスとゾンビ。一流のB級映画とでも呼ぶべきなのだろう。こういう映画があって良いのだろうが、私には一度でたくさんだ。批判精神は買う。

2022年1月17日月曜日

映画「The Outpost」(2020)

迫真のリアリズムにより人間存在のあり方を考えさせる佳作。戦争において犠牲になるのは常に最下層の者たちだという事実を伝えることにも成功している。

映画「Good Morning, Vietnam」(1987)

豊かなユーモアと鋭い批評性の共存。名優Robin Williamsと共に永遠の生命を持つ名作。

2022年1月15日土曜日

映画「The Clovehitch Killer」(2018)

子ども向けにしては複雑で大人向けにしては幼稚すぎる話。粗だらけの雑な作りで失望した。

映画「The Hitcher」(1986)

なかなかのサスペンスなのだが、話はありきたりだし、何よりもつじつまの合わぬことが多すぎる。36年前の人間(またその時にもし私がこれを見ていたとしたら)はそれほど愚かだったのだろうか。つけ狙われる青年の或る種のビルドゥングスロマンと好意的に解釈すればまだ観られるかもしれない。

2022年1月14日金曜日

映画「Good Time」(2017)

ドキュメンタリー風の活き活きとした映像。Robert PattinsonとBen Safdieの名演。The Safdie brothers恐るべし。

2022年1月13日木曜日

映画「In Her Shoes」(2005)

魅力的な脚本と優れたキャストの名演によって、陳腐に流れがちの話が引き締まった。芸術というより名人芸を楽しむ作品。

映画「La Mala Educación/Bad Education」(2004)

Almodvarの自伝的要素が入る作品だけあって、入魂の創りという言葉がふさわしい。力が入っている。私には感情移入できる要素がほとんどない世界なのだが、最後まで引き込まれる芸術性には感嘆するほかない。

2022年1月10日月曜日

2022年1月9日日曜日

映画「Invictus」(2009)

いかにもアメリカンの好みそうな成功物語だが、Clinton Eastwoodの手堅い演出とMorgan FreemanとMatt Damonの確実な演技によりNelson Mandelaの生涯の一断面を描くことに成功している。問題提起力の切れ味にもう一つEastwoodらしさが感じられないのが残念。

映画「The Silence of the Lambs」(1991)

何度観ても変わらず感じることは、様々な候補がいた中で結果として誕生した監督Robert Demme・Anthony Hopkins・Jodie Fosterの組み合わせが最上であったということである。それに忘れてならないのは小津の影響を受けている可能性も感じるTak Fujimotoのカメラの見事さであある。118分が短かった。クラリスのトラウマをもっと掘り下げてもほしかったし、ハンニバルをもっと前面に出してもほしかった。180分になっても観たかった。

2022年1月8日土曜日

映画「Pale Rider」(1985)

ここに新しいものは何もない。しかし、常に進化をやめないClint Eastwoodはこの作品では古き良き時代の西部劇に詩情豊かな総仕上げを施している。陳腐なものを陳腐でないものに再生させる。それこそ最も実現困難な芸術である。

映画「The Lost Daughter」(2021)

Olivia Colmanの名演が巧みな映像と演出をさらに輝かせる。母としての経験を持たぬ私の心にここまで喰い込んでくるという事実がこの作品の普遍性を証明する。Maggie Gyllenhaalの初監督作という。きらめく才能の開花を祝福する。今後が楽しみ。

2022年1月7日金曜日

映画「The Professionals」(1966)

大スター競演による古き良き時代のアクション西部劇。

映画「Luce」(2019)

画・音・脚本の魅力。冒頭から鑑賞を終えた後でさえ次から次へと絶えず観る者に問いを突き付け続ける演出力。Julius Onah。我々は新時代の名監督の誕生を目撃しているのかもしれない。

2022年1月6日木曜日

映画「Deux Moi/Someone, Somewhere」(2019)

フランスの良い面がよく出た作品。在り来たりのロマンティックドラマに鋭い社会批判を込めたCédric Klapischの手腕は並々ならぬものである。キャストも良い。

2022年1月1日土曜日

映画「Don't Look Up」(2021)

その意図やよきブラック・コメディ。豪華キャストと莫大な製作費。しかしAdam McKayはその知性において己がこのレヴェルの作品を任せられる器ではないことを証明してしまった。

映画「Drive」(2011)

心に深い余韻を残す美しい犯罪映画というのはそうあるものではない。これがそれだ。Nicolas Winding Refn監督、彼を監督にする条件でオファーを承諾した名優Ryan Thomas Goslingのおかげで我々はこの忘れ難い佳品を得た。