2008年9月30日火曜日

 日本では別れと出会いの季節は春だ。ヨーロッパではそれは秋だ。
 学生たちも卒業・留学で旅立つ者もいれば、帰国してくる者・入学してくる者もいる。さまざまに人々が交錯する。
 そして、僕の最も近い仲間の一人も、あと数時間で日本への研究留学に旅立つ。

ボリショイ

 ガラ公演を見た。NDK大ホールは初めてある。内部は外観の胡散臭さと違い意外にこぎれいにしてあった。
 いろいろな点で興味深かった。まず公演開始・休憩後の再開ともに15分遅れ。これはもう驚かない。驚いたのはボリショイのスターのガラだというのに、音楽がオケではなくテープだった。それも音響設備が悪いのか録音が悪いのか、ノイズだらけ。さらに一度はかける音楽を間違えて舞台袖から出かけた踊り手がもう一度引っ込むご愛嬌も。照明も時代遅れ。まるで小学校の学芸会である。バレエをサーカスと勘違いしている観客が結構いたのも面白かった。
 そんな悪条件の中、現在世界を代表するダンサーたちが古典からモダン・実験的演出まで身体芸術の粋を見せた。名前は失念したが、2、3名のバレエは本当にすごかった。上記の周辺的な数々の失点を考慮に入れても90Levaを返せとは言わせない水準だった。

悪臭

 LETTERS FROM KOBE
 1947.4.1.付の記事にElizabeth Ryanはそごうと大丸に行き、そのあまりの悪臭に辟易したと書いている。帰宅したらすぐにその臭いをこすり落とし、うがいをしなければならなかったという。どういう種類の臭いだったんだろう。それが書かれていないのが残念だ。
 また商店に行くと必ずtourist priceを吹っかけられるとこぼしているのが面白かった。

2008年9月29日月曜日

夏目漱石「教育と文芸」

 分かったような、分からぬような。漱石はやはり学者にはなれない。だから、もちろん、彼が文学に転向してくれて、我々は計り知れないほどの恩恵を受けているのだ。
 「浪漫主義」が漱石の作った訳語だ(と彼が言っている)ということも知った。

きょうのLiaison

上宮川ワンコインシアター

森鷗外訳「不可説」

 龍之介はおそらくこれを読んでいるであろう。

睡眠発作

 Japan experts identify daytime sleepiness gene
 この発見自体は、日本人の多くが乗り物に乗った途端寝てしまうあの有名な現象を直接説明するものではない。しかし、何らかの関連があるのかもしれない。

組織の崩壊

Use of outdated code led to ambush that killed Yamamoto, U.S. files show
 暗号担当者が知ってか知らずか古いヴァージョンを使ったのか、或いは新しいものがまだ届いていなかったのか。
 いずれにしても何かが崩壊していく時の過程は同じだ。「天下の難事は必ず易きよりなり」(韓非子)
 重要なことはその「易き」を起こしにくい構造を作ることだ。常に既に、構造がすべてを決定する。

2008年9月28日日曜日

"The civil National Guard"???

Nationalists Buy Truck for Their National Guard
 なぜ軍以外の者が軍用トラックを購入できるのだ? なぜその見せびらかしをソフィア市が許可しているのだ?

温家宝首相

 CNNでFareed Zakariaのインタビューを受けていた。愛読書はマルクス・アウレリウスで、何百回読んだか分からないという。
 中国は現在グローバル・プレイヤーとして世界に認知されるかもう少し待たされるかの分かれ目にある。国家として苦しいこの時期にこの首相はよくやっている。Zakariaが彼を尊敬していることも見て取れた。

森鷗外「空車」

 この「空車」という概念は鷗外を理解する鍵概念の一つだろう。
 この比喩に惹かれている自分に気づく。

Save the Abandoned Children of Bulgaria

Save the Abandoned Children of Bulgaria: Online Petition Page
 Reports (1 of 5)

2008年9月27日土曜日

芥川龍之介「枯野抄」

 龍之介の「鬼」の側面がよく出ている好短編。

利他主義の起源

 最近私はどうも気が弱くなってきて、自分と異なる思想にも少し胸襟を開いて耳を傾けてみようという気になっている。それでこの記事も読んだ。Mathematics and faith explain altruism
 結論:Martin Nowakよ、もう少ししっかりしろよ。

匿名性

 私は残したい文書はディスクに残すようにしているが、残し方は色々で、著者名で残す場合は名字をアルファベット順にしてファイルしている。例えばFOUCAULT, Michelという名前のファイルには本人の文章、フーコー論、その他関連文書が雑多に放り込んであるという具合だ。
 ところが最近はブログでも面白いのがたくさん出てきて、その中にはペンネーム(何て言うのかね。ブログ名?)で投稿してあるものもある。99%はゴミなので心配しなくていいのだが、たまに残したいものがあると、その整理の仕方に困る。agnostic(氏?さん?君?)によるこの投稿もなかなか面白い。およそ知的でなく、かなり無理がある――無茶苦茶と言ってもいい――が、しかし面白さは持っている。
Graphs on the death of Marxism, postmodernism, and other stupid academic fads
 agnostic(不可知論者)のようにユニークなブログ名ならまだ何とかなるが、もっと一般的なブログ名の人の面白いのを整理し始めたら、一体どうなっていくのだろう。

もう笑えない?いやまだ笑えます。

Tourism minister apologizes for gaffes
 国を憂える「良識派」が憤るのは当然だし、言論によって「攻撃された」当の人々が憤るのは正当だ。
 しかし、ユーラシアの反対の極から見ていると、その発言内容と「弁明」は結構笑える茶番劇でしかない。クビになっても(当然クビだが)「元国土交通大臣」という肩書きは永久に残り、死んだら/或いは死ぬ直前に、勲章が「下賜」される。

Mary Kaldor

'New thinking' needs new direction グローバリゼーションを「戦争」の観点から論じる中では世界最高の研究者である――と私は評価している――彼女は、常に極めて平易な言葉でHuman Securityを論じる。
 そろそろ人類が彼女に追いついてもいい頃だ。そしてその兆候が見え始めたようだ。

田舎者

The innocents in Bulgaria
 これはシリーズ4本目の記事なのだが、いつも読んでいて微笑・苦笑・哄笑が交錯する。その底に流れるのはこのイギリス人夫婦と私に共通する「当惑」である。ブルガリアのことが何も分かっていない田舎者がこの国で感じることの多い当惑である。

2008年9月25日木曜日

CASA LUI HIRAMIE復活

 hiramieファンの皆様、お待たせしました。2か月ぶりにCASA LUI HIRAMIE再開です。

Bulent Ersoy

Turkish singer defiant in court
 命の次に大切なもの、局面によっては命よりも大切なもの、それは「自由」だ。
 思想・宗教・居住・職業・婚姻、あらゆる局面にわたってその自由が保障されねばならない。その根底にあるのはいうまでもなく言論の自由だ。
 人はそ(れら)の自由を保障する手段として納税し公的制度を維持する。国家も軍も法などもそれぞれその社会制度の一つに過ぎない。

メラミン事件

 今回の事件でもっとも驚いたことは、中国には「国家免検産品」制度というものがあり、特別なブランドには品質検査が免除され、そのブランドの製品にはそれを証明するマークが貼られていたということだ。事件を起こしたすべてのブランドがその対象だったという。
 国家による品質検査を免除する、なぜならその品質に関しては国家がアプリオリに保証するからだ、という循環論が今まで通用してきたということに何よりも驚く。

2008年9月24日水曜日

夏目漱石「学者と名誉」

 漱石は時として驚くほどまっすぐなことを言う。この一文もそうである。

森鷗外「駆落」

 「エリス」との恋とその顛末を知る読者は、鷗外は果たしてどのような想いでリルケのこの作品を読み、どのような想いで翻訳していたのであろうと思う。

ブルガリアとロシア間の旅行者数の不均衡

Russian tourists in Bulgaria are 30 times more than Bulgarian tourists in Russia
 経済力の差を考えると30倍という数字はある程度は致し方ないかなとも思うが、ブルガリアへ来るロシア人旅行者がトルコへのそれの十分の一しかいないという事態は何とかする余地はありそうだ。

太陽!


Active Region 1002 on an Unusually Quiet Sun
Credit: SOHO Consortium, EIT, ESA, NASA
 最近太陽活動があまり活発ではないようである。太陽風もこの50年でもっとも少ないそうだ。しかし、それにしてもこのエネルギーはどうだ。
 いろいろあるけど、まあ頑張ろう!という気持ちにならないか。(Click the picture to enlarge)

夏目漱石「岡本一平著並画『探訪画趣』序」

 漱石の慧眼。
 日本の何百年という漫画の伝統は、私の知る限り、実は世界的な人気とは裏腹に、断絶したままである。漫画は日本の文化だと開き直っていいらっしゃる新首相をはじめとする皆さんには、皆さんのお好きな「伝統」をまずおさらいしてから言っていただきたいものである。底の浅いチャラチャラしたものは「商品」として使い捨てればよいのであって、「文化」「や「伝統」などと血迷ったことは言わないでいただきたい。
 当の岡本一平の「漱石先生」を見よ。

森鷗外「魚玄機」

 薄幸の女性詩人へ注ぐ鷗外の眼差しは温かい。

夏目漱石「永日小品」

 しみじみとした味わい。肩肘張らぬ漱石は彼の一番よいところが出ていて好ましい。

質問

ベラルーシのサッカーチーム名から来たことは知っていますが、SofiaのБорисов市長をБате Борисовと呼ぶのはなぜですか。マフィアとしても十二分に通用するあの容貌と行動パターンの単細胞性から来ているのですか。日本語で言う「兄(あん)ちゃん」のようなものだと考えていいのでしょうか。

ブログ見っけ。。。

How to Marry a Bulgarian
 ブルガリア語以外の言語で書かれたブルガリア関係のブログでは僕の知る限り今のところ読むに値する唯一のもの。

大学入試個別試験「読解・作文」科目模擬問題

日本経済新聞「日本勢は米金融危機を好機にできるか」
読売新聞「米証券への出資 日本の金融機関が攻勢に出た」
 問:両社説の間に見られる論旨の異同と優劣を800字以内で論じよ。

2008年9月23日火曜日

ブルガリアにおけるムスリム

Imams Scarcity Closes Bulgaria Mosques
 Imam不足に関してMustafa Haciは二つの理由を挙げる。まず共産主義時代にイスラム教育が禁止されていたことを挙げるが、もう30年近くも前の話だ。その間何をやっていたのか。第2の理由は資金不足でImamたちに給料が払えず、彼らが働かない、あるいは経済的に恵まれた地に移ってしまうのでモスクが閉鎖されている地域が増えたと言う。彼によれば「日を追うごとに信者が増えている」そんな日の出の勢いの宗教のImamたちがなぜ欲得ずくで行動し、また資金不足にも陥るのか。
 そんな初歩レヴェルで論理的に破綻しているようなことばかり平気で言うほうも言うほうだが、それをそのまま掲載するメディアもどうかしている。

芥川龍之介「古千屋」

 ここに描かれているような「家康」を大将に据えて戦をしてみたいと思うのは私ばかりではあるまい。龍之介もそうだったと思う。
Guardian Angels Are Here, Say Most Americans
 驚くべき結果だとも言えるし、アメリカ合州国のことだからまあそうだろうな、とも思う。
 生きていくというのはどうやら大変なことらしい、とも思う。

「意識」調査

日本人の不安感:地震、温暖化、がん…意識調査で順位化
 「新聞に掲載された主要な災難から選んだ51項目について、「まったく不安ではない」の0点から「非常に不安だ」の5点までの6段階で点数を付けてもらい分析した。また、被害を抑える組織への信頼度も尋ねた。」とある。
 警察庁との共同研究だからこうなってしまうのだろうという「理解のある」見方も可能かもしれないが、そもそも「不安」の問題が(この記事から判断される限りでの)このような調査で浮き彫りにされると考えることはできない。
 意識化されるか否かにかかわらず、「不安」というものは新聞に報道されるような表層の「事件」を引き起こす/から呼び起こされる、はるかに捉え難いものだからだ。

2008年9月22日月曜日

国連への提訴

Roma sue the state for discrimination
Roma People Complain of Bulgaria to the UN
 国連が調査を開始してから2ヶ月が経過しようとしている。進行状況はどうなのだろうか。

文字

 例えば漱石の『永日小品』などを読んでいて「盤桓磅礴」などということばに出会い、あ、これもオンライン辞書に載せようと、他の作品の用例などを調べたりしながらしばらくいじくり回したのち、気分を変えようとJunot DíazのThe Brief Wondrous Life of Oscar Waoなどを読んでいると、これが共に「文学」の範疇に入れられているのが不思議なほど別物のように感じられる。時代とか作家の個性などというものだけではない。この違和感の最大の原因は明らかに使用されている文字の違いのなせる業だ。
 つくづく日本語という言語は変な言語だと思う。

エネルギー問題

 気宇壮大な論考。草稿はここで読むことができる。David J.C. MacKay:Sustainable Energy - Without the Hot Air

私は取り込まれている。。。

 30分足らず前にここにアップした記事がもうGoogle検索に引っかかりAlert Mailが私のところに送られてきた。そのあまりの速さに空恐ろしささえ覚える。まさにウェブ(クモの巣)である。

アメリカ人の「孤独」

A talk with John Cacioppo
 インタヴューを読む限りでは日本の問題との共通性を感じる。CACIOPPOは欧米間の違いの原因を移動の多寡に求めているようだが、ヨーロッパも今や移動社会である。日米の問題の性質の共通性を考えると、高度資本主義社会に内在する構造的な問題点をも考えてみるべきではないか。そうすると、国レヴェルだけではなく高度資本主義化・都市化の程度のファクターを考慮に入れることができるだろう。

'reverse migration'

East European workers quit UK to head home
 さてブルガリアは?

寒気団

 1週間ほど前に、数ヶ月慣れ親しんだ半ズボンに別れを告げて長ズボンに替えた。それ以来バルカン半島に寒気団が居座っている。
 ここにはクリの花が2度開花すると次の冬は寒くなるという言い伝えがある。今年も去年に続いて2度咲いた。
 半ズボンと草履で歩き回っていた日々がもう恋しくなりはじめた。

2008年9月21日日曜日

きょうのLiaison

タラ・プロジェクトのビーズ入荷しました。

芥川龍之介「玄鶴山房」

 救いというもののない生。強い印象を残す作品。

プロというもの

 Yellow Science
 科学の重要性を説きながら文章の論理自体があまり「科学的」でないことは事実だが、先ほどの阪急の話と考え合わせておもしろかった。
 プロ自身のプロ意識の維持と社会からの尊敬。鶏が先か卵が先かという価値のない議論をしている限り話は進まない。負のスパイラルを正のそれに転換することができるか否か。構造的な改革を企図しない限りそれは不可能だ。それはあらゆることに当てはまると思う。

敗戦と阪急

Theater, stores cheered up locals
 中井久夫がどこかに、阪急電車が敗戦後すぐ戦中のベニヤ板を窓ガラス戻し、煌く陽の光の差し込む電車を復活させて走らせたのを見てとても勇気づけられた記憶について書いていた。その事実とこの宝塚歌劇の復活の記述を合わせて考えると、敗戦直後の打ちひしがれた日本人たちを元気づけるために当時の阪急の経営姿勢の果たした役割の大きさを思う。
 企業も社会の一員であるという明確な意識と責任感を少なくとも一部の企業は有していた時代だった。

森鷗外「牛鍋」

 冷徹かつ温かいまなざし。

ブラームス間奏曲第3番op.117.

 さっきRado Lupuの演奏がBBC Radio3から流れてきて、勉強の手がまったく止まってしまい、ずっと聴き入っていた。
 誰にでもそういう音楽がある。具体的にこれという特定のエピソードや思い出を持っているわけではない、或いは存在していたとしても覚えていない、にもかかわらず、その第1音が耳に飛び込んできた途端身体全体が揺り動かされる始める「記憶」。
 私にとってこの曲はそういう曲の一つである。

...

Stuff White People Like
 人気のあるブログの一つだそうだ。控えめに言っても僕には子どもの遊びにしか見えない。さらに言えば、徹底的に自らをも洒落のめす能力を持つごく少数の者を除けば、極めて危険である。
 「黄色人種の好きなもの」「日本人の好きなもの」「ブルガリア人の好きなもの」という類の問題設定の仕方をしている者を見て、あなたはどう思うか。

2008年9月20日土曜日

森鷗外「雁」

 これで何度目か知らないが、当然のことだが読むたびに少しずつ異なる読み方をしている自分に気づく。
 若い頃は「僕」や岡田に近い視点から作品世界を経験していた。先ほど読み終えて、今回は自分がお玉に近いところから世界を見ていたことに気がついた。なぜかは分からない。

"Atonement"

Part Oneを読み終えた。登場人物たちの心理描写が詳細過ぎたような印象もあるが、しかし、読ませる作家である。読みながら、何度か体の振動するのを感じた。
 さて、お楽しみはこれからだ。

きょうのLiaison

秋物商品続々入荷中です。

我々はなぜ発熱するか

"A few microbes are more sensitive to heat than our own bodies are. By raising our body
temperature, we in effect try to bake the germs to death before we get baked ourselves." (Jared DIAMOND, Guns, germs and steel)
彼はこの書物ではとても生真面目であまり冗談を言わないのだが、たまに言うと面白い。

芥川龍之介「犬養君に就いて」

 分かったような分からぬような比喩。龍之介が犬養を評価していないことだけは看取できる。

「ブルガリア的寛容」の危機?

Ethnic Turkish Party Say Religious Tolerance in Bulgaria Artificial
Ethnic Turkish Party MRF Wants to Question Interior Minister over Mosque Attacks
 ムスリムはかなりの権力を持っているから、自分たちの主張を展開することができる。より深刻な問題は、おそらく彼らと同数程度いると推測されるロマの人々のために声を上げる人が驚くほど少ないことである。

芥川龍之介「犬と笛」

 優しい龍之介。

「睡眠」の役割

Sleep on It: How Snoozing Makes You Smarter
 分かりやすく書かれていて読みやすい。十分な睡眠をとったあと書かれた記事なのであろう。
 私がいまだに馬鹿なのは、ずっと寝る間を惜しんで勉強してきたからであって、決して私自身の責任でないことがこれによって証明されたことも喜ばしい。

2008年9月19日金曜日

???

National Assembly presents Prof. Georgi Markov's book "Bulgaria's Independence during the 1908-1909 Balkan Crisis”
Bulgaria finally took down the fez with the proclamation of the independence: professor
 この記者の頭が悪いのか、頭の悪いのは実はこのMARKOVなのか分からないが、この二つの記事を読んだ限りでは、およそ学術書とは呼べないような書物だという印象しか受けない。

Van GOGH

Nocturnal van Gogh, Illuminating the Darkness
 一人の日本の中学生の絵画への眼を開いてくれた画家の一人だった。そしていまなお変わらぬ愛を感じるごく少数の画家の一人でもある。
 逸品ぞろい。来年1月5日までです。NYにいらっしゃる方は必見。

2008年9月18日木曜日

芥川龍之介「結婚難並びに恋愛難」

 また一つ、ここにも不可解な一篇。

敗戦直後の日本の姿

Letter trove details Occupation life
LETTERS FROM KOBE
 そこらへんのくだらぬ「日本論」よりはるかに面白そうだ。英語版だけでなく、日本語訳も出版して日本の人たちにも読んでほしい。

「塀の上のブルガリア」

プラウダ紙が厳しい論調の記事をきょう掲載したようだ。Russian Press: Bulgaria Is Playing Dangerous Game with Russia and Georgia

きょうのLiaison

時に内は外  始まります。

芥川龍之介「芸術その他」

 龍之介がいかに生真面目な人物だったかがよく分かる文章。これでは確かに身が持たぬ。

想起というもの、その2

 たった今、先ほどの話は前に読んだことがあるという指摘をいただいた。せっかくアップしたので消さないが、さっき触れた「記憶」というものと「記憶力が悪い」と言う際のこの「記憶」とはまったく質の異なるものだということも面白い。

想起というもの

 さっき、ふと思いついて、砂糖を皿に入れ、それにパン切れを押し付けて食べるという、幼稚園に通っていた頃のうちのおやつを思い出してやってみた。
 舌の感触・味・香りは言うまでもなく、四十数年前の「記憶」が身体全体に蘇る。その記憶は具体的な言葉にはならない、名状しがたいものの記憶であり、現在の私の中に4、5歳の私が今も生き続けている、というような感覚だろうか。
 プルーストのマドレーヌとの絶対的な階級差は感じるが。

悲喜劇

In Japan, a ghost town becomes a boom town
 誰を、何を嗤えばよいのか。人間の愛すべき愚かしさはいつもいずこも同じ。

ブルガリア人の対ロ感情

Bulgarians not concerned about Russia’s role as an energy provider, survey shows
 オスマントルコ帝国からの独立を助けてくれた(と信じている)という歴史的経緯もかなり関与しているのだろうが、ソ連の衛星国だった時代への郷愁も現在のロシアの政策への共感も他国に比べ比較的強いという印象がある。

ヨーロッパの人種差別問題

Anti-Jewish and anti-Muslim attitudes rise in Europe
History repeating
 ユダヤ・モスレム・ロマ…。社会・経済的な袋小路にある時、必ず少数派がスケープゴートにされる。人類はまだその問題を克服してない。

2008年9月17日水曜日

芥川龍之介「軽井沢で」

 天才。しかしこれも痛々しい。

N.B.笑い話ではない

Leading scientist urges teaching of creationism in schools
 あの国は長年基本的にしっかりしたものを社会の基底に育んできている国だから心配する必要はまったくないとは言うものの、いやはや。。。

日本における性奴隷史

Cenotaph unveiled for wartime sex slaves on Miyako Island
 日本近代史における醜悪極まりない汚点の一つ。聞きたくない事に対して耳をふさぐ「愛国心」は幼児的であることを通り越して犯罪的である。健全な歴史意識も永久に育たない。
 折りしも明日BBCRadioは日本軍の性奴隷問題を特集する。

被害届問題

Crime tendencies in Bulgaria negative -study
 この記事に書かれている程度ではもう驚かなくなった。ただ、ブルガリア人が警察に被害届を出すのを渋る傾向が強い理由として”fearing that their anonymity might be lost and they will suffer negative consequences.”と書いているのだが、これでは何のことか分からない。何となく想像はつくが、なぜジャーナリズムまでがこんな回りくどい言い方しかしないのかが分からない。誰か教えて。

"EUROZINE"

 また一つかなり良質のサイトに出会ったので紹介する。EUROZINE
 EU言語の中では英語とデンマーク語ぐらいしか分からない私はいまはNewslettersのsummariesを読むぐらいであるが、他のEU言語も使い、かつできれば日本語も使う人といろいろなトピックで議論してみたいと思ったので紹介する。

2008年9月16日火曜日

???

The Sex Industry in Bulgaria Generates 1 Billion Euro Income
 最近またショッキングな記事ばかりアップしているような気もするが、僕自身が本当に驚いているのだから仕方がない。
 ブルガリアの産業のトップが麻薬ビジネスで、2位が盗難車ビジネスで、3位が性産業の10億€? 売春婦一人当たりの月収が12,000~18,000€? ほんとなの?間違いじゃないの?

きょうのLiaison

写真展ワークショップ受付終了のおしらせ

日本研究資料

The withered middle-aged guy becomes a hot item in Japan's dating market
 このKaori Shojiという人は悪くない。もっと読みたい人はこちら

男と女

As Barriers Disappear, Some Gender Gaps Widen
 evolutionary psychologistsとsocial-role psychologists。研究の最先端でも見方は大きく分かれている。素人の僕に分かるわけがない。僕に聞かないでください。

EU脱税ランキング

Bulgaria Ranked Third in EU in Tax Evasion
 2位のルーマニア、3位のブルガリアに関してはもはや驚かなくなったが、驚いたのは1位のイタリアの数字だ。GDPの23%。最も脱税の少ないスウェーデンは3%だから8倍近くということになる。

2008年9月15日月曜日

芥川龍之介「二つの手紙」

 前にも書いたが、龍之介はこのような神経症的な素材を扱う時、一層の凄みを身に帯びる。

synesthetes?

Poetry Comes from Our Tree-Climbing Ancestors, Neuroscientist Says
 例によって論文ではないので、これだけでは何か言ったことにはならない。"a vision-informed mental map"と"a touch-informed mental map of our limbs' positions"との間の相関、というのはよく分かるが、それがどのようなプロセスを経てsynesthetesを生み出すに至るかにはこの文章から判断する限り論理上の大きな飛躍がある。
 もちろん彼の専門的な論文を読もうと思うまでの関心はないので、少し楽しませてもらった、ということでいいのだが。

新聞購読と投票行動

 アメリカ合衆国においては、その新聞の基本的思想とは関係なく、新聞を読む人は読まない人に比べ民主党候補に投票する傾向があるとこの論文は結論づけている。Does The Media Matter? A Field Experiment Measuring the Effect of Newspapers on Voting Behavior and Political Opinions

日本の余剰米

 Washington Postから日本政府への批判が続いている。Release the Rice (III)
 これまでの記事も含め、日本の構造的な問題にメスを入れようという狙いも併せ持った鋭い指摘である。日本政府は有効な手を打てないでいるようだが、Washington Postは言いっ放しでいつの間にかおとなしくなってしまうようなメディアではない。さて日本はどう出るか。

新学期

 ブルガリアでは高等教育機関を除く公教育ではきょうが新年度開始である。60,000 First Grade Students Start School in Bulgaria
 約25%がドロップアウトするというのは、数字を突きつけられてみるとやはり愕然とする数字である。統計手法にもよると思うが、日本の約10倍と考えてよかろう。

2008年9月14日日曜日

Georgi Kitov死す

World-famous Bulgarian archeologist Georgi Kitov dies at 65
 いろいろ物議を醸しもした人だったが、M.Unitedの何とかさんと並んでとにかくブルガリアでは有名人物であったことは確かだ。

"Guns, Germs and Steel"メモ

 Jared Diamondによれば、メキシコ高地とエクアドル高地との間の距離は約1200マイルで、これは「肥沃な三角地帯」とバルカン半島間の距離とほぼ同じである。
 後者は共に同緯度にありその伝播ルートの各地も含めて同様の気候を持つため、バルカン半島はメソポタミアの2000年に及ぶ穀物と家畜のほとんどを一挙に「パッケージ」として受け取ることができた。(バルカン半島は現在もこの賜物を享受している。その豊かさはここに住んだ者にしかわからない。)
 反対に前者は南北に長い軸であり、伝播ルートの途中に暑い中央アメリカの低地があるため、メキシコトウモロコシなど少数の例外を除き、ほとんどメキシコの農作物・家畜が南アメリカには広がらなかった。

心も魂も・・・


The Heart and Soul Nebulas
Credit: Digitized Sky Survey, ESA/ESO/NASA FITS Liberator;
Color Composite: Davide De Martin (Skyfactory)

芥川龍之介「袈裟と盛遠」

 恐ろしい。そしてすばらしい。

人類に宇宙を破壊する能力があるか否か

A 1-in-1,000 Chance of Götterdämmerung
 ある意味では既に大した技術ではないロケット事業などよりも高度な、かつ意義ある事業だと思う。世界を駆け巡った数々のデマは無知と狂信者たちの仕業として無視してよいが、人類の科学がここまで進歩したことを私は素直に喜ぶ。

2008年9月13日土曜日

芥川龍之介「金将軍」

 至極まっとうな歴史意識。まともな者ほど潰されていく時代であった。それがもはや過去のものとなったかどうかは・・・自信がない。

Correction

 さきほど嘘を教えた。夢の中でとはいえ寝覚めも悪かったので、ここにお詫びすると共に訂正する。
 正しくは「身體髪膚、受之父母、不敢毀傷、孝之始也」(身体髪膚これ父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり)(『孝経』)である。

2008年9月11日木曜日

ユーラシア

 すでにローマ帝国時代、帝国の農作物のうちイタリア原産のものはカラスムギとケシだけで、残りはすべて他地域から招来されたものだった。それは、アイルランドから日本までユーラシアがほぼ同緯度で東西に広く広がっているということが「肥沃な三角地帯」を原産地とする農作物をユーラシア全域に広く・早く行き渡らせたからだとJared Diamondはいう。「食の国際化」は2000年前からのありふれた現象なのだ。

芥川龍之介「金春会の『隅田川』」

 名優による「隅田川」。龍之介が用いた「戦慄」ということばがこれほど相応しいものはない。個人的にも、私が能の魅力にとりつかれるようになったきっかけも同様の体験だった。

2008年9月10日水曜日

But I don't think people have babies because it is their patriotic duty.

The new Hungary finds a population growing old
 問題は複雑かつ困難なもののように見える、一見。しかし実は簡単な問題である。誰も出て行きたいと思わないような社会、その国に住みたいと多くの人が思う国にすればよい。

2008年9月9日火曜日

日本の次期首相候補たち

首相候補たちをドリンクにたとえて品定め
 山崎氏の評価がほぼ私のと一致することに驚いた。しかしそんなことはどうでもいい。愕然とするのは、これが次期のリーダーとなるべき候補者たちの顔ぶれか、ということである。
 日本は本当に危機にある。

素粒子物理学ラップ

The Large Hadron Rap
 すばらしい。。。面白い。。。

「離婚遺伝子」の発見

男性の“離婚遺伝子”発見、「破たん」か「危機」が2倍
 2倍というのは馬鹿にできない数字である。結婚したいと考えている女性(そんな物好きな人がいればの話だが)はこれからは候補者がAVPR1A遺伝子を持つかどうかをテストしてからにしたほうがいい。

学習意欲というもの

「学習意欲」、本能かかわる脳中枢に 大阪市大など解明
 記者は意外だと言うが、直観的には人類の進化の過程と整合する事実だと思う。簡単に言えば、「好奇心が正の方向に満たされれば人はさらに好奇心を育む。その繰り返しを正の方向に活かしてきた者だけが生き残ってきた」ということだ。

2008年9月8日月曜日

科学の終わり?

Looking Back at the End of Science
 少なくとも最前線で闘っている人々だけは本当にまじめに考えているということだけは分かる。

マンガ

'Manga' viewed as vibrant info conduit
 この記事を読む限り、マンガは子供向けだという批判をいまだに乗り越えられてはいない。

消費

 日本人は衣服・電化製品・生活用品を合わせた額よりも多くを余暇のために消費する。 
Guccis or Gadgets?
What Your Global Neighbors Are Buying

2008年9月7日日曜日

BBC Learning English

 いいのを教えてもらいました。BBC Learning English.
 こういう良質なものを基本に据えて、ウェブ上の辞書なども併用して、Skypeなどで会話にも慣れていくようにすれば、高いだけで馬鹿な教科書や偉そうなだけで馬鹿な教師に我慢せずとも自律的に学習できる時代になりました。
 少なくとも英語に関しては完全にそういう段階に入りました。日本語教育にも早くそういう時代が来ればいいと思います。
 

2008年9月3日水曜日

きょうのLiaison

ヒマラヤンマテリアルのリュック入荷しました。

芥川龍之介「近頃の幽霊」

 本当に彼は幽霊だの悪魔だのに取り付かれていたようだ。

サイエンス・ライター

 LIFE OF THE MIND
 すばらしい。研究の最前線を実に分かりやすく、平易な言葉で眼前に展開してみせる。日本語世界にもこういう書き手がほしいものだ。

「日本、降伏文書に調印」

1945: Japan signs unconditional surrender
 19450902。新生日本の出発点。19450815と共に、良くも悪くもこれが日本が常に回帰する一点である。

2008年9月2日火曜日

???

 この記事の内容で僕が理解・納得できる点が何一つない。なぞなぞのような話。僕もやはりこの国について何も分かっていないようだ。One in three Bulgarians of working age is unemployed

きょうのLiaison

MarieLeeミニギャラリー

Dimiter Kenarov

 すばらしい。これはブルガリア語に翻訳されているのだろうか。或いは彼はこれをブルガリア語でも書いているのだろうか。
 Game Over, Perseverance, All I Want Is Everything

経験

 ヨーグルトのTVコマーシャル。「お腹の中から美しく。」というナレーションをしている人が99%の確率でブルガリア人だと断言できること。ブルガリアに来て1年。何も学んでないようでいて、やはりなにがしかの経験を積んでいるらしい。

Julian Barnes "The Revival"

The Revival
老いたTurgenevの恋。文句なしの傑作。しかし子どもにはわからない。

芥川龍之介「教訓談」

 病む龍之介。ここにもまた一つ。

先住民族差別問題

Japan's Ainu minority discovers ethnic pride
 コップの中の醜悪な権力争いをする前に日本には先にやるべき宿題がたくさんある。

クズ

 自分のことを大切にされて当然の存在と考えているクズほど醜いものはない。
 もって自らの戒めとする。

福田首相辞任

 欧米のメディアが大騒ぎである。日本に対する通常の「無関心」を考えると異常とも言える注目の仕方である。それも、またぞろ「不可思議な日本」だ。
 日本を少し勉強した者なら日本における首相を含む「指導者」というものの位置がどのようなものか十分に知っている。この程度の「事件」はニュースではあるが「大ニュース」ではない。まったくもって何も分かっていない。日本はまったく理解されていない。
 ジャーナリズム一般の無知の問題はさておき、日本でさえこうなのだからさらに注目されることの少ない国や社会に対する世界の主流メディアの理解はよほど浅薄なものなのだろうと推論できる。
 隠遁してしまいたいという私の思いはますます強まってゆく。

2008年9月1日月曜日

芥川龍之介「凶」

 病む龍之介。。。

信仰か唯物論か

 宗教関係者や神秘主義者は読みたくないだろう。
 Flesh Made Soul

日本における旅行熱の低下

Less Yen for Foreign Travel In Aging, Risk-Averse Japan
 2000年も続いてきた東アジア人の「好奇心」がそれほど簡単に消滅するとは考えにくい。この記事のように半年後には有効性を失うような表層の現象に囚われず、時空間的に巨視的にものごとを見つめることが必要だ。