結果的には黒澤の遺作となった作品。83歳でこのレヴェルの作品を創れると驚嘆すべきなのか。ああ、やはり83歳だな、と感じるべきなのか。Rotten Tomatoesの批評家評は87点だから世界的には評価が高いのだろう(やはり黒澤は敬愛されている)が、私の場合は後者である。カメラ(宮川一夫は引退している)も脚本(明らかに弟子たちに愛された内田百閒と自分を重ね合わせたいという欲を感じる)もキャスト(名演は井川比佐志と香川京子ぐらい)も「七人の侍」に遠く及ばない。換言すれば黒澤はそれほどの高い完成度を常に求められる芸術家だったとも言える。
0 件のコメント:
コメントを投稿