2008年10月12日日曜日

コスモポリタン漱石

「墓の此方側なるすべてのいさくさは、肉一重の垣に隔てられた因果に、枯れ果てたる骸骨にいらぬ情けの油を注して、要なき屍に長夜の踊をおどらしむる滑稽である。遐(はるか)なる心を持てるものは、遐なる国をこそ慕え。」(『虞美人草』1907)
 漱石をおらが偉人と崇める愛国主義者どもはたぶん漱石を読んでいない、あるいは読んでも理解できていないらしい。

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