2018年9月30日日曜日

「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」小津安二郎(1932)

小津のカットはすべてがそれぞれ一幅の絵画である。だから「絵本」だ。音声が入らない分、サイレントではそれが一層際立つ。すべてのアングル、すべての構図が計算されつくした上で確定されてゆく小津の芸術だ。名画が観るたびに新たな発見をもたらすのと同様に、この作品にも常に新たな発見がある。
その他、脚本、キャスティング、小道具、謎かけを含むユーモアなど、すべての点において、日本のみならず世界的なレベルにおいてサイレントの最高傑作の一つと言ってよい。

「大人の見る繪本 生れてはみたけれど」

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