2018年9月21日金曜日

「残菊物語」溝口健二(1939)

世界的に極めて評価の高い作品だが、私はもう一つ感心しなかった。筋書きがありきたりなのは時代を考えると仕方がないが、まず主役が大根であることは致命的。全体に歌舞伎を見せておけば外国人はじめ素人はみんな騙せるとでも思っているかのような安直さのようなものを感じる。金と腕力ででっち上げた大作というのは言い過ぎか。お得意のワンシーンワンショットをはじめとするカメラワークと、森赫子をはじめとする脇役陣の名演は評価できる。

「残菊物語」

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