2008年12月21日日曜日

ヒトにとって音楽とは何か。

Why music?
 面白い記事だった。様々なことを考えた。
 ここでは一つだけ。実は日本人は実に音楽好きである、というよりも歌うことが好きである。意外に思われるかもしれないが、日本人は実によく歌う。僕のような人間でさえ1時間ぐらいならぶっ続けで歌うことも平気である。これも面白い現象だと思う。

加盟2年後のブルガリア国民のEU市民意識

Europe Economy: Bulgarians less optimistic two years after EU membership: poll
 ブルガリアに暮らして1年半、EU国だと一番感じるのが通貨Levaと€間が固定相場だという事実だということが、すべてを物語る。

日本の戦争犯罪

Japan Admits World War II Prisoners Worked at a Mine Owned by the Premier’s Family
 さてこれを契機に日本は正常な歴史意識を持った国家に生まれ変わる道を歩むことができるか。

Solstice at Newgrange

Credit: Photograph by Cyril Byrne - courtesy of The Irish Times(写真クリックで拡大)
 約5000年前に作られたアイルランドのNewgrange。至の朝日が18メートル奥まで差し込むように設計されている。

きょうのLiaison

華空 ミツ 蜜

2008年12月20日土曜日

エイドスとヒュレー

「甘い」・・・εἶδος?
「甘さ」・・・εἶδοςの程度?
「甘み」・・・ύλη?

倹約の美徳

 Frugality: an everyday companion as recession hits Japan
この記者の歴史・文化的知識はお粗末なもののようで現在の経済停滞を唯一の原因であるかのように書いているが、勿論そうではない。日本の歴史において庶民の間で奢侈が流行した期間(最近ではバブル期)はいずれも短く、基本的にあの社会では倹約を美徳とする伝統が息づいている。「お金持ち」という言葉が多かれ少なかれ軽蔑的な含意をもつ社会。この点でも日本は面白い研究対象だと思う。

ええ???

Japan supports Bulgarian community in Serbian town

2008年12月19日金曜日

Ingo Schulze

Estonia, Out in the Country
 これといってそのよさを特定することは、読み終えたばかりのいまの私にはできないのだが、もう少し他の作品も読んでみたくなる作家である。

父

 今日は、生きていれば父の81歳の誕生日であった。
 最近父の夢をよく見る。まさか私にもお迎えが近づいているとは思いたくはないが、夢の中では彼は、半身不随で言葉もままならぬ状態になる前の、元気な姿でよくしゃべっている。
 私には如何ともし難く父に似た部分がある。それはそれで致し方ないとして、どうしてもあのようには生きたくないと思った部分で、かつ努力によって克服できるのはないかと思えるところとがあった。若い頃の私はそこを乗り越えようと苦闘した。
 私が曲がりなりにもいま何とか生きているのは、その父の負の部分のおかけでもあると言える。

三匹の子犬

 学生諸君のメールによれば、今朝、寮の前に三匹のかわいい子犬がくっついて寝ていたようだ。:-)

歎異抄

 「念仏はまことに浄土に生るゝ種にてやはんべるらん、また地獄に堕《お》つべき業にてやはんべるらん、総じてもて存知せざるなり」

虞美人草(1907)

 藤尾の虜にならずにすんだ若者がいるか。102年。藤尾は永遠である。

心身問題

 CHANGING LIFESTYLE CHANGES GENE EXPRESSION
 そもそもこういう説明の仕方をしなければならない、ということ自体が僕には面白い。デカルト問題はそもそもインド以西には存在しないということなのだろうか。そこは絶対神が必要とされない地域でもある。極めて興味深い問題である。

2008年12月18日木曜日

Oily Boy

Fashion Guidance for Aging Japanese Lads
 私はこの編集者たちとぴったり同世代である。すぐ前の世代よりも自由で、すぐ後の世代ほどバカではないと自負する世代である。
 しかし私はPOPEYEは手にとってみたことさえない。
"Unleash yourself. Be free. Do what you want to do."
 同感だ。しかし私は消費の誘惑には乗らない。

2008年12月17日水曜日

時空を超えて

Orion Dawn Over Mount Nemrut
Credit & Copyright: Tunç Tezel (TWAN)(写真クリックで拡大)
 僕が一番心惹かれる類の写真。悠久の時。無限の空間。

きょうのLiaison

手編みレッグウォーマー

2008年12月16日火曜日

ミス

Chinese 'classical poem' was brothel ad
 Max Planck研究所ともあろうものが、であろうが、しかしそれは彼ら自身がは恥ずかしく思えばいいだけの話だ。誰にでもそんな誤りはある。自分のミスが笑われた時にも一緒になって自己を笑うことのできる者だけに人の誤りをも笑う資格がある。

イスラエル、Richard Falk教授の入国を拒否

Israel bars critical UN human rights official
 彼の言説は国際法学者の中では「やや左」といった程度で僕から見れば穏健なものだ。言論に対しては言論で戦うべきで、イスラエルはまた失策を犯した。

Dimitur tovari gimiya-Vulkana Stoyanova

Dimitur tovari gimiya-Vulkana Stoyanova(From “Song of the crooked dance:Early traditionnal bulgarian music”)
 2年ほど前にも他の曲を紹介したが、私はこういうブルガリアの古い旋律に心惹かれる。これはユーラシア大陸を横断してはるか彼方の日本列島にまで通底する古層であるように思うのである。

きょうのLiaision

インドガラスビーズのストラップ

2008年12月15日月曜日

有罪

"Guilt refers not to transgression, that is, to the determination of the licit and the illicit, but to the pure force of the law, to the law's simple reference to something." (Giorgio Agamben, Homo Sacer)
 Agambenも他の箇所で示唆する通り法と言語は通底するところが多い。言語も規則の束という意味で法だから当然である。引用した箇所は、言語使用の過誤がなぜ単なる誤りとして捉えられずに、その言語(の主権/価値)自体への攻撃であるかのように捉えられることがあるかという問いに対する回答としても有効である。

Save the Children

Japan tops child development poll
 こういう数字の類に一喜一憂する考え方を改めるためには、Save the Childrenにしても、言葉だけではなく、途上国の子どもたちへの支援をどれだけ行っているかという指標もランキング計算に含めるなどの工夫をしてランキング上位国に強いプレッシャーをかけ続けることも必要だと思う。

「冷たい」ということ

Bulgaria and beyond
 笑ってしまった。
 私の経験ではトルコ人を冷たいと考えるブルガリア人も結構いる。日本人も、聞いていたのと違ってずいぶん冷たい人もいるんだな、と私と「出会ってしまった」ブルガリアの人たちは思っているに違いない。ブルガリアの人たちにしても、僕からすれば、温かいなあと思うことも多い反面、恐ろしく冷たいなあと感じることも多い。
 文化というものが深く関わるという意味で「冷たい」という概念はこと対人関係においてはとても面白い概念だと思うが、これまであまり考えたことはなかった。これからは少しずつ考えて行こうと思う。

Brain Drain

Only High Pay Can Bring Bulgarian Emigrants Back Home
 すべての大学の4年分の卒業者数に匹敵する数の熟練労働者が国外で働いている。。。これでは、社会の知的水準を上げようにもどだい無理というものだ。もう少しの辛抱である。

the constitutive excess of the signifier over the signified

"there is always a lack of equivalence between the two, which is resolvable for a divine intellect alone, and which results in the existence of a superabundance of the signifier over the signifieds on which it rests" (Claude Lévi-Strauss, Introduction à Mauss, p. xlix)

きょうのLiaison

クリスマスプレゼントfrom Liaison

2008年12月14日日曜日

5,000語到達

 おかげさまで、『ブルガリア語-日本語-ブルガリア語フリー・オンライン辞典』の見出し語数が5,000を超えました。
 記念すべき5001語目はтоксичен(有毒の・中毒性の)でした。XD

Penguin Cafe Orchestra

Beethovenで疲れた時の息抜き、もう一つ。
Penguin Cafe Orchestra
クラシックはちょっと、という方にもお勧めです。

2008年12月13日土曜日

誰に仕事を与えるか。

Most Likely to Succeed
 内容自体(分かる奴には既に気づいていることばかり、分からない奴には何のことかさえ分からないことばかり、という取り付く島もないようなテ-マ)よりも、今は別の点について書きたい。
 Malcolm Gladwellに関しては評価の分かれる点もあるようだが、しかしすぐれた書き手であることはこの文章からも分かる。
 すぐれた書き手・文章には大別して2種類あると思う。まず、読者の既に知っていることは全体の5%しかなく、残りの95%を読者の知らないことを教えることに費やすタイプ。研究論文がその典型。そうでない論文はそもそも論文ではない。もう一つはその逆のタイプ。Gladwellは後者である。この記事の場合は内容の95%は私はよく知っている。珍しい話でもなんでもない。しかし5%という小さな部分でうまくそれらを連関させ、最後にこちらをもう一度スタートラインに、或いはもう一つ異なった次元に放り出して、突然、終わる。読者が既に知っていると思い込んでいたことは実は全然分かってはいなかったのだ、と読者を突き放し、読者に今度は自分の力だけで問題を掘り下げてゆくよう要求し、はい終わり。
 いい文章には2種類あるが、高等教育におけるいい教師には後者のタイプしかないと思う。なぜなら前者のタイプの教師と付き合うぐらいなら、書物を読んだほうがあらゆる意味で意義があるからだ。
 Malcolm Gladwellはいい教師でもある。

García Márquez is writing new novel?!

Magical and real: García Márquez is writing new novel, says friend
 待ち遠しいねえ。

きょうのLiaison

ガザ封鎖の解除を求める署名をよびかけます
世界人権宣言

2008年12月12日金曜日

これも面白そう。。。

Unraveling a 15th-Century Whodunit

Zhang Huan

Made in China
 このような荒々しい、ある意味では下品で野蛮な表現はもう日本からは消えた。個人的にももう好感は持てなくなった。それがいいことなのかどうかは分からない。

ブルガリア人意識調査

22% of Bulgarians Feel They Belong to Europe
 どの数値も私の印象と一致する。しかしサンプル数1600は少なすぎる。これではデータとして使えない。

「日本株式会社」

Japan harnesses commuters' stamping for power
Japan learns from history: Focus on the future
 Corporate Japanという言葉ももう何十年も前から使われている言葉だが、法人「日本」とは言い得て妙である。日本というところには社会全体が企業・法人のように動いているところがある。東京駅の改札付近ではそのアイデアを知った通学生徒たちが何十人も「その場足踏み」をして発電に協力しているであろうし、これだけ非正規雇用者がクビになっているのに暴動はおろかストさえ起きないのは、どこかで法人「日本」内の配置転換(有給部署から無給部署へ!)のような感覚が解雇された当事者たちにもあるのではないかとさえ思わせる。
 1990年代の「失われた10年」でいやというほど学習した日本が現在着々と進めている先行投資状況を見ていると、今から10年後、恐らくあの国は再びJapan as No.1の称号を取り戻すと思う。
 しかし、この小さくなった地球で「一人勝ち」は物理的にも不可能になったし、またこの「法人」の中に生きる人々が果たして幸せな人生を送るか、ということになると、それはまた別問題である。

2008年12月10日水曜日

世界人権宣言

 ちょうど60年前の今日、宣言された。
 もう60年、ではない。まだ60年、である。
 人間という奴は、そんなに短い期間ではこれっぽっちも成長しないもののようである。

2008年12月9日火曜日

Andrea Bocelli

 この精神性。。。
 Nessun Dorma
 canto della terra
 con te partirò
 Andrea Bocelli & Sarah Brightman - Time To Say Goodbye
 Adeste Fideles
 Andrea Bocelli and Luciano Pavarotti Medley
 Andrea Bocelli & Judy Weiss Vivo Per Lei
 Besame Mucho
 Andrea Bocelli & Zucchero - Miserere
 Andrea Bocelli cinema paradiso
 Rapsodia
 Panis Angelicus
 Vivo por ella. Andrea Bocelli & Martha Sanchez
 Melodramma
 Sarah Brightman - Time to Say Goodbye feat. Andrea Bocelli
 Katharine McPhee and Andrea Bocelli - Somos Novios (Duet)
 ...ad infinitum...

「学生の日」

 Gotse Delchevの山小屋で一泊合宿。
 「学生の力」を見せていただいた。特にMartiを筆頭としたリーダーたちの献身ぶりに心を打たれた。役割分担などを整備してさらに組織力を高めることができるようになれば、教師たちはおろかすぐ上の先輩たちをも凌駕する粒ぞろいの人物たちに育つ可能性を秘めた者たちである。
 「子どもとは遊ばない」と冷たい態度を取り続けてきた私の見方を変えてみせた彼らに対し敬意を表する。次の機会にはぜひ私が土下座して謝罪するほどのものを見せて、国境を越えて活躍できる逸材ぞろいであることを証明してほしい。

きょうのLiaison

1208
12月のフェルデンクライス メソッド
華空 ミツ 蜜

2008年12月7日日曜日

常用漢字

常用漢字 IT時代踏まえ議論深めよ(12月7日付・読売社説)
 日本語教師のくせに、と言われるだろうが、実は僕は上のような議論はあまり本質的な議論ではないと思っている。
 近いところでは電子技術の発展、より大きな枠組みでいえば「啓蒙時代」の終焉により、「漢字が書ける/をたくさん知っている」が「教養」の重要な要素の一つであった時代は完全に息の根を止められた。この惑星の上では、そんなことよりひらがな、あるいは日常語ばかりでもいいから、さらに言えばどんな言語でもいいから、とにかく意味のあることを言え/書け、という時代になりつつあると思う。
 ・・・
 実はいま上に長々と漢字・文字・「教養」・教育・文化などに関して駄弁を弄していたのであるがすべて削除した。僕はときどき下らぬことで長々としゃべり続ける悪い癖がある。
 結論だけ書く。
 国籍を問わず日本語を使う/学ぶ人に多く認められる最大の欠点は、表層の知識にのみ囚われていて、そこからより基底的な地層へ掘り下げてゆくという永遠に終わることのない運動にまで入っていく余裕がない/ができない/が存在することさえ知らない、ことである。そこから脱却したければ「文化」と「記号」とを分けて考える思考を導入するしかない。簡単に言えば、漢字を含む「文化」はそれとして大切に護ればよろしい。しかしそれ以外の領域においてはあらゆる文字を「記号」として扱い、より本質的な諸問題に関してより深みへと掘り返して思考し感じることのできる子どもを育てるべきだ、ということである。

きょうのLiaison

トウフクロ2009Calender
はからめ 月のカレンダー

2008年12月6日土曜日

スイスでの「スキー」の思い出

 36 hours in Zermatt, Switzerland
 これを読んで思い出した。
 29年前、デンマーク留学も終わりに近づいた2月。留学中少しずつ貯めた10万円程度でひと月ヨーロッパを回った。Bernの友人のところに寄ったときのこと。「ちょうどスキーに行こうと思っていたところだ。お前の腕前はどれぐらいだ。」「そうだな。中級の下といったところかな。」「それならいい所がある。そこに行こう。」、というわけで、出かけた。
 山の名は覚えていない。標高2999メートルだったということと、生まれて初めて雪崩というものを見て空恐ろしくなったことを覚えている。
 標高差約2000メートルを一気に滑り降りる。途中で休憩しながら2、3時間かけてゆっくり下まで行くから大丈夫、と彼は言う。
 滑降開始。
 。。。
 もちろん結果は言うまでもない。日本の優しいゲレンデの「中級」はアルプスの「中級」と同義ではないということが骨身に沁みてよく分かったという結果しか残らなかった。
 しかし、アルプスでは極めて珍しいという360度雲一つない真っ青な空の現実感の乏しい美しさも、隣接するアイガー、ユングフラウなどの名だたる山々の頂上を手の届きそうな距離に感じた興奮も、これは死ぬまで忘れない。
 Jürg Born。Social Workerを目指すと言っていた彼はいまどうしているだろうか。

加藤周一逝く

 加藤周一が亡くなった。戦後日本の民主主義のオピニオン・リーダーの一人として極めて重要な人物であった。高度な理論にとどまることなく市民との対話を常に心がけていた人でもあった。今も彼の声や話しぶりは私の耳にも残っている。
 ご冥福をお祈りする。

異文化不適応

 異文化間心理学はそれもプロセスの一つだと教える。乗り越える者は乗り越える、そのための方法はこれこれだ、と。
 しかし、その渦中にある者にはそれらは所詮ことばでしかない。当事者たちが苦しんでいるのは実存のレヴェルだ。
 これは結構タフなものである。

2008年12月5日金曜日

クラスター爆弾

 東京新聞も社説で取り上げた。
集束爆弾禁止 この流れ定着させたい

坊主頭

 頭を剃った。
 京教大時代(の前半)の僕を知る人にはああ、あのツルツル頭か、と思い当たるであろう。そうです、あれです。
 なに、特に理由はない。あの頃と同じ理由である。髪が伸びたから、である。それと気分転換。
 ただ、厳冬を迎えようとしているこのソフィアで、なんでよりによって今、とみんなに言われるだろう。そうだね、寒いね。いま室内なのに帽子をかぶっています。
 しかしこれでこの冬風邪をひいたら正真正銘のバカである。くしゃみ一つしようものなら、ほらあ、せんせえ、とからかわれるに決まっている。
 緊張の冬が始まった。

2008年12月4日木曜日

LAの夜空

Credit & Copyright: Dave Jurasevich (Mt. Wilson Observatory)(写真クリックで拡大)
 大きく見える天体は上から木星・金星・月、である。
 心身ともに疲れている時にはこういう景色がどうしようもなく恋しくなる。

2008年12月3日水曜日

「クラスター爆弾禁止条約」今日オスロで調印

 毎日新聞も社説で取り上げた。
クラスター爆弾 地球で使えない兵器となれ
 対人地雷禁止条約の際にその力が認められたNGOたちの実力が今回も実を結ぼうとしている。後世の歴史は、このような胎動をきっかけに世界は400年ほど自らを呪縛していた国民国家中心思考から脱却し始めたと記述するだろう。

きょうのLiaison

スリランカのウバ紅茶

2008年12月2日火曜日

Yahoo百科事典

 新しいサービスがスタートします。Yahoo百科事典。『日本大百科全書』が全部入っています。
 いい時代になりました。学生諸君も『ブルガリア語ー日本語ーブルガリア語フリーオンライン辞典』の編集者のみなさんもどんどん活用してください。

学者たち

 科学アカデミーのブルガリア-ハンガリー文学理論国際シンポジウムにご招待いただいた。2日間にわたるものなので大きなものだと予想して気軽な気持ちで行ったら、とんでもない、僕が行った今日の午前の部では僕の他には全部で9名しかいない極めて高密度のものであった。ハンガリー側4名ブルガリア側5名の両国を代表する文学理論家たちの、極めて高レヴェルの議論が展開された。Радосвет Коларовが仕切り、そもそも学会なぞ馬鹿にして人前にさえ出てこないというАнгел Ангеловがどの発表に対しても厳しいが的確な批判を展開する、というような、「身内の研究会」と言ったほうがよさそうなものだった。
 温かく迎えていただいたとは言うものの場違いも甚だしい。発表言語も議論で使用される言語も英語だとは言えそもそも専門外の議論なのだから最初からオブザーバーとしての参加であっても一言も言えず(そもそも当てにもされていないしその資格も持たない)完全に「お客様」である。
 しかし、である。面白かった。自分でも恐ろしさのようなものを感じるほど知的な興奮を経験した。今日言及された理論や引用された学者の多くに関して全く知らないわけではない。しかしここまで高度な議論の真っ只中に座るのは恥ずかしながら私の人生でも初めてである。ヨーロッパの知的伝統の一端を垣間見る思いであった。
 本務とぶつかるので今回は半日だけしか参加できないが、人文・社会系の学会・研究会でこのレベルのものにはこれからも声をかけてくれるという。
 ヨーロッパで、それも学問が日々息づく高度な知的環境の中でまた一からゆっくり勉強したいという若き日に抱いた夢が今ようやく実現し始めていると本当に実感できた日であった。
 私の人生は、これまでも大変だったし、今も大変だし、これからはもっと大変だろう。
 しかし、残された人生の根拠をここに移動させるという選択は基本的には(つまり自分の実存だけを考慮すれば)正しかったと今は確信をもって言うことができる。

2008年11月30日日曜日

話し相手

偉くてマナーの悪い人物をどう扱うか
 別に相手が偉かろうが偉くなかろうがこんな奴がいたら僕は平気で機嫌を損ねるが、それでも後味は決してよいものではない。確かに世界中どこにでもこういう手合いがいる。聴衆の99%がすばらしい人たちでも1%こういうのがいたときの講演は最悪だ。
 講演に限らない。講義でも演習でも日常のおしゃべりでもそうだ。
 最高の話し相手は自分のすばらしさに気づいていないすばらしい人。当然のことだがこういう人にはめったに出会えない。逆に最低は自分の馬鹿に気づいていない馬鹿。これも少数だが存在する。
 結局のところ、リスクが大きすぎるのである。商売上講演が必要悪である山崎さんのような人でない限り、自分の馬鹿に気づいている馬鹿が心静かに生きてゆくためには、できる限り人との付き合いを減らしたほうがいい、という結論にしかならないのである。

2008年11月29日土曜日

Recuerdos de la Alhambra

 年のせいかこういう旋律にますます弱くなってきたということを前に書いたような類の一つ。Narciso Yepesの演奏をMP3ファイルで持っているのでご希望の方には差し上げます。

レヴィ=ストロース先生、100歳のお誕生日、おめでとうございます。

Lévi-Strauss, a French icon, turns 100
 思えば19歳の夏休みに初めて『悲しき南回帰線』を読んで以来、私は彼から構造という概念の重要性を学び続けた。どんな学問領域であろうと彼を読んでいない奴はすべてニセモノだとさえ私は思っている。

年末プレゼントでお悩みの親のみなさんへ

Best Illustrated Children’s Books 2008
 どれも読んでみたくなりません?
 前にも紹介したMariko TAMAKIが選ばれていることやWabi-Sabiが入っていることも面白い。

2008年11月27日木曜日

一歩、一歩。

クラスター爆弾―被害者支援で日本案を

ウリツァ・ソルンスカにて

凍る月
老いたる人はごみ漁り
かたへなる犬は
満ち足れるらし

ブルガリアの学生たち

Bulgarian students lack motivation, skills and knowledge
 言うまでもなく、大学は経済界の下請け機関ではない。しかし経済界の不満も身に沁みてよく分かる。これも言うまでもなく、その責任はほとんど学生たちの側にはない。最も残念なのは、優秀な学生たちがあたら資質を伸ばすチャンスを摘み取られることである。

Foodscapes

Foodscapes: amazing food art by Carl Warner
 このレヴェルまで来ると「楽しい」では済まない。高い批評性まで看取することができる。

2008年11月25日火曜日

Kapka Kassobova

 きのう紹介した、見事な啖呵を切っている人は、私が知らなかっただけで、スコットランドではある程度名の知れた作家らしい。HPはこちら。

Homo Sacer

"The exception is what cannot be included in the whole of which it is a member and cannot be a member of the whole in which it is always already included."
Agambenが紹介するBadiouのテーゼである。
主権国家Aから主権国家Bへと本拠を移し、生活し続けるための手続きを模索している現在の私にとっては、これは理論ではなく実存である。

伊藤豊雄

A Berkeley Museum Wrapped in Honeycomb
 財政的に大変だろうが、何としても実現させてもらいたい。彼の最高傑作というだけでなく、建築史に残る作品になることは間違いない。

2008年11月24日月曜日

啖呵

'Britain is scarier than Bulgaria'
 すばらしい啖呵を切ってくれるものである。小気味よいとはこのことだ。この人は優秀だ。この文章を最近ずっとヨーロッパ中から厄介者扱いされてしょげているブルガリアの人たちみんなに読ませてあげたい。

山頭火

「今日此頃の新漬――菜漬のおいしさはどうだ、ことに昨日のそれはおいしかつた、私が漬物の味を知つたのは四十を過ぎてからである、日本人として漬物と味噌汁と(そして豆腐と)のうまさを味はひえないものは何といふ不幸だらう(さういふ不幸は日本人らしい日本人にはないけれど)。
酒のうまさを知ることは幸福でもあり不幸でもある、いはゞ不幸な幸福であらうか、『不幸にして酒の趣味を解し……』といふやうな文章を読んだことはないか知ら、酒飲みと酒好きとは別物だが、酒好きの多くは酒飲みだ、一合は一合の不幸、一升は一升の不幸、一杯二杯三杯で陶然として自然人生に同化するのが幸福だ(こゝでまた若山牧水、葛西善蔵、そして放哉坊を思ひ出さずにはゐられない、酔うてニコ/\するのが本当だ、酔うて乱れるのは無理な酒を飲むからである)。」
 山頭火は師にはならぬ。「断念」がいかにも徹底を欠いている。しかしそれが私が彼を好きな理由でもある。

冬到来




 昨日の朝の写真(クリックで拡大)である。今年も我が家につららの季節がやってきた。ソフィアのまとまった雪はこれでも去年より一ヶ月遅いのだ。
 去年苦労した凍結坂道(!)対策に冬靴を買った。高級品ではないがここの人たちに愛されているブランドだ。さすがによく氷を噛んでくれる(ここで「テクレル」を使う日本語の面白さを分かってほしい)。おおすばらしい、と調子に乗って歩いてたらツルッといきかけた。注意注意。頭を打つのはまだ早い。

きょうのLiaison

アペロクロスのクリスマスカード
KTSのニット・ドレス
冬じたく展今日から。。。

2008年11月23日日曜日

衝撃。

 イラクに派兵しているブルガリアから9月にクルド族反対勢力に輸送機3機分の武器が輸送されたのではというニュースが飛び込んできた。
 事実だとすれば、これは国家評価において致命的な要素だ。主体が軍であろうとマフィアであろうと、全く何の言い訳も通用しない事態である。評価は決定的に地に落ちる。たとえ蘇生したとしても、国家としての信頼を取り戻すまでに何十年もかかることになるだろう。
Kurds in N. Iraq Receive Arms From Bulgaria

65年前の今日

 日本帝国軍はタラワ・マキン環礁の支配権を米軍に奪われた。
 この日は枢軸国側に付いていたここブルガリアの首都ソフィアが連合国軍から一回目の大規模空襲を受けた日でもある。

Books Not Bombs

Books Not Bombs
 最後にラオスに行ったのはいつだ。あのアフガニスタンのプロジェクトはどこへ行った。
 隔靴掻痒。「僕」が3人ほしい。

2008年11月22日土曜日

俗物

「バルザツクのペエル・ラシエエズの墓地に葬らるるや、棺側に侍するものに内相バロツシユあり。送葬の途上同じく棺側にありしユウゴオを顧みて尋ぬるやう、「バルザツク氏は材能の士なりしにや」と。ユウゴオ咈吁として答ふらく「天才なり」と。バロツシユその答にや憤りけん傍人に囁いて云ひけるは、「このユウゴオ氏も聞きしに勝る狂人[ママ]なり」と。仏蘭西の台閣亦這般の俗漢なきにあらず。日東帝国の大臣諸公、意を安んじて可なりと云ふべし。」(芥川龍之介「骨董羹」1920)
 英語ができない「藪」大統領も漢字が読めない「漫画大好き」首相も嘆く勿れ。馬鹿は君たちだけではない。

ギャンブル

人はギャンブルから何かを学べるか?
 山崎元は今日もいいことを言っている。
 競馬・競輪・競艇・パチンコ。ぼくも若い頃はギャンブラーだった。今も本質的にはそうである。ただ、ソフィアに来たときから自分の人生そのものが完全にギャンブルと化したため、他のギャンブルがもうギャンブルには見えなくなったのも事実である。

きょうのLiaison

トウフクロのギフトパンツ

2008年11月21日金曜日

『ぼく、オタリーマン。』

 しかし私が感じるのは、でもやはり日本の人は生真面目だなあ、ということである。

2008年11月15日土曜日

The Birthday Book

The Birthday Book
 馬鹿にしてはいけない。私だってまだこれらの持つ魅力は分かるのだ。

Mixed race identity

Mixed race identity
 あと10年でイギリス「最大のマイノリティ」になるという。こういう若きパイオニアたちを見ていると、人種とは何か、民族という概念に一体どういう意味があるのだろう、と考えさせてもらえる。彼らもGuardianもイギリスもあっぱれである。

2008年11月14日金曜日

Michael Crichton

 追悼記事をいくつか読んでいたら、EATERS OF THE DEAD: The Manuscript of Ibn Fadlan,
Relating His Experiences with the Northmen in A.D. 922
という作品にBulgarsが出てくることを知った。それに作品としても評価が高いものらしい。少しずつ読み始めた。Word版をダウンロードして持っているので、ご希望の方は差し上げますよ。

Reports of distant planets, now on film


Reports of distant planets, now on film
 観測技術の発達は専門家による研究を進めるばかりではなく、このように私のような素人をも楽しませてくれる映像を提供してくれる。

2008年11月12日水曜日

日本のコンビニ、恐るべし。

 2年生諸君、これが先週のクラスで話の出た「コンビニ」です。でもいいことばかりじゃないよ。関心のある人はさらに深く分析してみてください。
Japanese Stores Take Convenience To a New Level

きょうのLiaison

People treeのフェアトレードチョコレート入荷しています。

2008年11月11日火曜日

日本における高齢者による犯罪の激増

 法務省の報告によれば、2007年、65歳以上の被逮捕者数が48,605人(交通違反を除く)となった。2002年の24,247人と比べるとたった5年で2倍以上になったことになる。前年と比べても、全被逮捕者数は366,002で4.8%減となっているにもかかわらず高齢者に関しては4.2%増である。万引きとスリが多い。法務省は激増の原因を生活苦・健康不安・孤独を上げている。特に目新しい理由ではない。それらの問題がひどさを増していると考えるべきなのかもしれない。

きょうのLiaison

『福図鑑 り』始まってます。

2008年11月10日月曜日

"On or about December, 1910,"

世界は変わった、と Virginia Woolfは書いた。彼女の捉えた近代の始まりは、この98年の間(恐らくインターネットが大衆化した1980年の前後10年)に再び大きく変容した。様々な議論がある。私は近代が終了したとは思っていない。しかし、この1世紀の変化は、地球規模で起こった――そしてこれからもますますそうなるだろうことが決定づけられたという点でも、間違いなく人類最大の大変動の世紀だったことは認めざるを得ないものである。

2008年11月8日土曜日

筑紫哲也逝く

Cancer claims TBS anchor Chikushi, 73
 私も大学生の頃一時そうだったが、彼の後ろ姿を見てジャーナリストを志した若者も多かった。
 その死は早すぎた。

きょうのLiaison

1.日本という外国にいる外国人の子ども
2.チベットのバッグ、今年も届きました!

2008年11月5日水曜日

дребен? кратък?

 オンライン辞典の見出し項目数が4000になろうとしている中、きのうдребен(小さい・小型の)をまだ載せていないことに気づいた。кратък(短い)をアップしたのもごく最近だ。дивак(野蛮人・無作法者)やатеист(無神論者)、материалист(唯物主義者)、мизантроп(人間嫌い)などの単語はごく初期にエントリーしているにもかかわらず、である。
 僕がブルガリア語をどのように学んでいるかはそのあたりから推し量ることができるはずだ。

変化

 きのう休憩時間に廊下を歩いていたら、2年生の3人のグループに呼び止められ、終わったばかりの授業の中で紹介した文のうちの一つの格関係に関する質問をしてきた。三人で議論をしていたという。この大学に来て1年が過ぎて、そもそも授業以外で、廊下で呼び止められて、教科内容に関して質問をされたのは全学年ではじめてである。2年生で、それも日本語での質問だ。
 それがどうしたと言われるかもしれないが、兆しはこれだけではない。何かが変わり始めている。それが何かということは、様々な要素が絡み合っているだろうから軽々には言えないが、しかし2年目に入り、全学年において、何かいい方向への変化が起こり始めている。それを強く感じる。
 教師はそのような日々の変化を肌身に感じながら仕事をすることができる。ありがたい職業である。

Tomaso Giovanni Albinoni

Adagio in G Minor. 年齢のせいか、季節のせいか、こういう種類のイタリアの短調にぐっと来るこの頃である。

2008年11月4日火曜日

ハッブル宇宙望遠鏡(HST)復活

The Double Ring Galaxies of Arp 147 from Hubble(写真をクリックで拡大)
Credit: M Livio et al. (STScI), ESA, NASA
Arp 147はくじら座の方向約4億4000万光年の距離に位置。右側の青いリングは左側の銀河に突き抜けられた銀河のなれの果てで、リングの左下に見える赤い部分は元は銀河の核だったのではないかと考えられれているそうだ。
 美しいではないか。

2008年11月3日月曜日

芥川龍之介「黒衣聖母」1921

 龍之介はこの類の題材が好きなようだ。一種のコンプレックスのなせる業なのだろうか。僕はどうも感心しない。

BGM

 仕事中はずっとBeethovenOnly.comを流していると前に書いたが、いくらベートヴェンを愛するぼくでも時にはしんどい思いをするときもある。最近そういう時の逃げ場所としてKlassik Radioを流すようになった。いわゆるクラシック・イージーリスニングである。時々僕の好きなメランコリックな曲が流れてきて不覚を取ることもあるが、基本的には落ち着いて仕事ができる。

翻訳クラス

 最近ブログの更新が少ないという指摘がある。サボっているわけではなく、授業が忙しいのだ。特に4年生のクラスでは昨年後期からブルガリア語→日本語翻訳をやっている。もちろん何人もの仲間に助けられながらだが、それでも準備・授業・訂正・改良・辞書へのアップ、など作業は大変である。他の学年の授業に関わる諸業務を加えれば、学期中は殆ど他の勉強はできないと言っていい。
 しかし、自分自身を含めあらゆる意味での参加者が「前進」している(ように見える)ことは喜ばしいことである。

言語

 「言語は、永遠の例外状態の中で、言語の外部には何ものも存在せず、かつ言語は常にそれ自身を超えて在る、ということを宣言する、主権である。」
 「話す(dire)ということは、この意味において、常に「法を話す(ius dicere)」ということである。」
(Giorgio Agamben, "Homo Sacer")

2008年11月2日日曜日

「Barack Obama大統領」

 The Daily Showに、きょうは中継で出演していた。ホストのJohn Stuartからの直球・変化球をすべてものの見事に打ち返し、John自身をケラケラ笑わせ、政策を説明する場面ではスタジオの人々からも盛大な拍手を浴びていた。
 世界中の何億という人々が共に仕事をしたいと思っているリーダーがいよいよ誕生する。
 アメリカ合州国が復活する、というよりも、新しいアメリカ合州国が、あさって誕生する。

きょうのLiaison

DRAWING SONG+PRINTED

2008年11月1日土曜日

ソフィア経済データ(2007-2008)

・外国直接投資の78%はソフィアに投下
・賃金労働者数・・・約70万人
・平均月収は287ユーロで全国平均より31%高い
・ブルガリア全体のGDPの33%を生み出しており、経済成長率は年率13~15%
(10.31.発表)