2008年8月31日日曜日

不愉快な出来事

 異文化の只中に暮らしているのだから、不愉快なことも多々ある。なんでそうなるんだ、おかしいじゃないか、というようなことも多い。
 その時、「ここはブルガリアだから仕方がないです。」と言われるか、僕の身になって一緒に闘おうとしてくれるか。そこは大きな分水嶺だ。後者のタイプの人は僕がブルガリアの悪口を言うたびに怒り出し「お前は何も分かっていない」とブルガリアを擁護するのだが、しかしいざ僕がそのような不愉快な出来事に巻き込まれるや否や、一転して猛然と自分が愛しているはずのブルガリアへの攻撃に転じる。こっちはそれに感激して(恐れをなして、ということもある)結局「も、もういいよ、まあまあ、そのへんで。。。」と言うはめとなる。そのような人があなたの前に現れたとき、あなたはその国を愛するようになる。

芥川龍之介「京都日記」

 しみじみとした味わい。久しぶりに京都時代の夢を見たのもそれが理由かもしれない。

2008年8月30日土曜日

チョモランマ頂上からの360度


The View from Everest
Credit & Copyright: Roddy Mackenzie
Click the picture to enlarge

2008年8月29日金曜日

日本のデザイン

Japanese Design's Greatest Hits
 伝統・コンパクト・ハイテク・カワイイ。こうやって並べてみると、なかなか興味深い国ではある。

きょうのLiaison

9月、10月のLiaisonアートスペース

きょうの山崎元

 すっかり「追っかけ」になっている。。。
 ホリエモン・ブログに思うネットの「野暮」と「粋」
 星野仙一氏のWBC監督就任に反対する
 なんでそんな下らない事柄にまで一生懸命関心を抱き続けるのだろう、と半ば呆れながらも、いつもながらの鋭く的確な分析に感心する。

きょうのLiaison

時に内は外

日本とドイツ

German women struggle with gender wage gap
Japanese Women Shy From Dual Mommy Role

 ドイツの状況に関しては歴史的・文化的な視点を、日本の状況に関しては経済的な視点を、それぞれ組み込みながら分析してほしかった。新聞だから仕方がないといっても、ウェブジャーナリズムとの差異化を図りたいなら、旧メディアには質的な進化が要求される。

2008年8月27日水曜日

2008年8月26日火曜日

きょうのLiaison

ゆうきなこ展

Barbara Ehrenreich

 3年前の文章だが、彼女らしい小気味よい毒舌なので紹介する。
 Longevity Crisis? Kill Grandma

日本における人種差別

Japan defends steps to end discrimination
 いかなる場合でもそうだが、申し開きをしなければならないという事態というのはとどのつまり完全無罪ではないということだ。

2008年8月25日月曜日

One Hundred Years of Solitude

Colonel Aureliano Buendíaの死。心に残る情景である。

シマウマ

 Jared Diamondによれば、シマウマはよく人を噛む。そしてひとたび噛み付いたらてこでも放さない。アメリカの動物園ではトラの飼育係よりシマウマの飼育係のほうが怪我が多い。人類がシマウマの家畜化にいまだかつて成功していないのはそれが/も原因だという。

2008年8月24日日曜日

ブルガリアの苦境

 それを裏付けるデータがまた一つ出てきた。
 Bulgaria Ranked First in Europe in Aging Population
 持続可能発展ランキングではヨーロッパの285の地域の中でブルガリア北西部が最下位、同北中部がブービーの284位、首都Sofiaでさえ216位である。もっともお隣ルーマニアの首都ブカレストはさらに下の217位だが。
 しかし逆に言えば、構造改革をやれば、そしてそれに成功するならば、大変な潜在成長力を持つ地域であるとも言える。

アメリカ合州国民主党副大統領候補指名

 最良の人事。大スキャンダルでも起きない限り、これで次期大統領選の帰趨は決定した。

日本における外国人児童・生徒への教育のあり方

 日経が社説としては読み応えのあるものを掲げた。
 社説 外国人の子ども受け入れに備えを急げ 人材開国を考える(8/24)
 一流紙は一様に同様の論旨を展開しているようだが、多文化信仰でも国粋主義でもない現実的な政策を目指すとすれば、結局日経のようなビジネスマインドからの議論が最も説得力を持つことになるだろう。ここで言うビジネスマインドとは端的に言えば「グローバリゼーション下、少子高齢化・労働者不足に起因する諸問題がもたらす国力低下への対策」だ。基本的には日本社会もそのように捉えている/いくだろうし、紆余曲折はあるだろうが、国家政策としても概ねその方向に進んでいくだろう。
 言語指導に限って言えば、様々な要素を考慮すれば、国語科教員を志す者にJSLを選択・必修課程として課すのが最善だろうが、さてそこまでやる能力があるかどうか。。。。

2008年8月23日土曜日

変な気分

 私はGoogle Alertでいくつかの単語を設定しているのだが。今日は「ブルガリア」というタームでこの「ノマドの窓」へのリンクが飛んで来た。初めてではないが、この再帰性にはまだ慣れることができない。
 日常的にPC(つまりウェブ空間)と向かい合って「主体的に」自分に必要な情報だけを取っているつもりでいるのだがしかし実は自分もしっかりとその世界に組み込まれてしまっている、という事実になかなか慣れることができない。

ブルガリア的苦悩

Bulgarian Citizens Income Among Lowest in Europe - Report

 The income of the Bulgarian citizens is not simply the lowest in the European Union (EU), but lower than those of residents of countries outside the EU, such as Croatia.
 The average salary in Bulgaria is twice lower than the average salary in Romania and almost 19 times lower than the one in Germany.
 The above data has been published by the Federation of European Employers (FeEE).
 The FedEE's annual "Pay in Europe" report provides benchmark salary data for 49 European countries. Each table contains 32 standard job positions within two categories of company size or type. Hourly pay is presented in the form of a midpoint and spread to reflect the range for each job.
 In Bulgaria, a worker earns the average of EUR 1,2 per hour compared to EUR 2,2 in Romania.
 The report lists the minimum salary in Bulgaria at EUR 110 per month, which is 13% lower than the minimum salary in Great Britain.
 Among the countries that are new members of the EU, the citizens of Slovenia are the best paid with almost EUR 6 per hour.
 Citizens of Croatia, which is a candidate member of the EU, make EUR 5 per hour.
 Despite the low salaries, Bulgaria is not the most attractive countries for investments due to the low qualifications of the employees, lack of well-prepared specialists and the low level of labor organization.
 The Asian labor markets are considered a further threat for the economies of the countries in Eastern Europe, including Bulgaria. Those markets offer cheep labor with a relatively high productivity. Workers in India and China make an average of EUR 1 per hour.
 In Bulgaria, despite the low corporate tax, insurance is one of the additional obstacles for small businesses. Many of them cannot leave the "gray economy" sector and cannot offer higher salaries to their employees due to high insurance levels. (Sofia Weekly)

 時給が中国・インドより20%高いだけなのにこのインフレである。庶民の生活が苦しくなるのは当たり前だ。

David Peace

Tokyo Year Zero
 よくできている。正確な歴史認識と将来性豊かな文学性。日本研究を志す1年生の必読作品。

ブルガリア的寛容

 第三帝国がヨーロッパを震撼させていた時代、ブルガリアはデンマークと並び、ユダヤ人やロマの人々の強制収容所への移送を拒否した国として知られている。当時のAdolph-Heinz Beckerle大使がヒトラーへ送った報告には次のように書かれている(英訳)。"The mentality of the Bulgarian people lacks the ideological enlightenment which our people enjoy. Having spent their entire lives with Armenians, Greeks, and Gypsies, the Bulgarians see no harm in the Jew to justify special measures against him."
 これはブルガリアが世界に誇ってよい歴史的事実として記憶/記録されるべきことである。その精神が現在も生き続け、将来も生き続ける事を強く望む。

芥川龍之介「疑惑」

 龍之介の描く悪魔は恐ろしい。読む者の心の奥深くを遠慮会釈もなくずかずかと歩き回る。

Raymond Tallis

 書くものが面白い。幅広い学識を持ち、かつ読者を楽しませる技術を持っている。Raymond Tallis

2008年8月22日金曜日

今日のLiaison情報

『トウフクロ展 そのまま。』始まりました!

死刑制度の「是非」

 きょうの山崎元も「コスト」という面白い論点を紹介している。アメリカに於ける死刑制度の現状

 死刑制度については言うまでもなく無数の考え方が存在し、単純な是非では片付けられない。ただ、心とか魂などを持ち出す考え方が出てくると、僕はそそくさと逃げ出すことにしている。山崎氏のいつもながらの老獪な問題提起の仕方に感心する。

2008年8月21日木曜日

きょうのLiaison情報

写真展 -智識の園-

10倍ルール

 Jared Diamondの記述を乱暴に置き換えれば、1kgの肉を食べるためには10kgの草食動物の肉が必要で、そのためには100kgの穀物が必要だ。つまり肉の代わりに同量の豆を食べればそれだけで食料危機回避のために99%という大きな貢献をすることになる。

ロマンチシズムが覆い隠すもの

特攻へのレクイエム
 こういう類のものには努めて近づかないように気をつけているが、あまりにもウェブ上に蔓延っているものだから時に出会ってしまうこともある。
 少しでも歴史を学んだ者ならどう転んでも少なくともこういうものを美化するような愚に陥るはずがない。やはり教育というものは大事である。

2008年8月20日水曜日

カササギの「鏡像段階」

 ラカンは「それで?」と言うだけだろうけどね。
Magpie 'can recognise reflection'

2008年8月19日火曜日

目標?目的?ゴール?

 どんな事においてもそうだが、目標やゴールを設定してはうまく行かないといつも嘆いているすべての人々に、ヘーゲルのこのことばを進呈する。ただし孫引きだから出典は分からないし拙訳だから正確性も保証しない。
 「人間のあらゆる企ては何らかの目的の達成に向けられている。しかし、ひとたびそれが達成されると、彼らは自分たちが望んだまさにそのもの以上の何ものをもそこに見出さないことに驚くのである。」

指導助手

 着任した。指導助手のポストがブルガリアに割り当てられるのは初めてである。ブルガリアの日本語教育に大いに貢献してほしい。

2008年8月18日月曜日

知識と資本

 私は基本的にはどのような領域でも基礎知識に関しては無料で誰にでも提供されるべき時代が来ていると思っている。Paulo Coelhoについては前に紹介したが、Preston McAfeeのような一流の学者がリードしている動きも歓迎する。経済学に関心がある人には彼の著書のこれが質的にも最良であろう。そして完全に無料である。こういうものを基礎に勉強を続け、後に続く世代は人類のためにさらによい仕事をしてもらいたい。
 Introduction to Economic Analysis

最終兵器としての悪ふざけ

 言わずと知れたAlan SOKALの「論文」、Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity
 リサイクルさえできぬような「ゴミ」の大量生産を永久に断念した元「研究者」は、この瞠目すべきペテンを思い出すたびに「ああ、引退してよかった」と思うのである。

2008年8月17日日曜日

「徹底的に真剣にやる悪ふざけ」

Is Jon Stewart the Most Trusted Man in America?
 見逃したときに僕が残念に思う唯一の番組である。Jon Stewartのような人物がいて、それを支えるすばらしいチームがいて、そしてそれを享受する能力のある多くの視聴者がいること。これもアメリカ合州国の持つ底力の一つだろう。

2008年8月15日金曜日

新しいフェミニズム

 辛くとも認めねばならぬ厳然たる事実から出発する苦い諦念と提言。言いたい放題の威勢のいい時のBarbara Ehrenreichとはまた異なる姿がここにある。そして恐らく彼女の真骨頂は寧ろこういうところにある。
A uterus is no substitute for a conscience

書評の意義

 私のような自然科学の素人はその領域の書物などまず買わない。しかし無知のままでいいと思っているわけではない。このような簡潔(これは重要である)で優れた(これはさらに重要である)書評は、そのような人間にはとてもありがたいものである。
 Code breaker

心の闇

Tokyo rampage suspect's warning unheard
 取材内容の大部分も都知事の発言も何も産み出さない通り一遍の「解釈」に終始している。しかし、最後のエピソードが多くのことを示唆して読者を思考に誘う。リンクがうまく行っていないようなので、最後の部分のみ引用する。
""There were many onlookers taking pictures of my friends as they were dying," said a university student quoted in the Shukan Shincho, a popular weekly magazine. "I tried to stop them. But they never stopped. They were trying to show off that they were there.""
 8.15.に改めて戦後日本の来し方行く末を思う。

News on Japan

 便利なサイトを教えてもらった。日本研究を志しているがまだ日本の新聞が読めないレヴェルの学生諸君は毎日の勉強をここから始めるとよい。NewsOnJapan.com.

Slavoj Zizek

Peter Hallwardの"Damming the Flood: Haiti, Aristide and the Politics of Containment"を書評している。Democracy versus the people
 Zizekほどのレヴェルともなれば、さらさらと書き散らしたようなものでも最低限この程度の文章にはなるという好例。
 彼の書くものには、必ず何か新しい思考の種子が埋め込まれている。

2008年8月13日水曜日

Marcel Proust『失われたときを求めて』

 きのう英訳を買って読み始めた。長年の宿題を一つ一つ片付けていくことは負債の返済にも似ている。
 それよりも何よりも、読み始めたばかりなのに、これは僕にとって(も)本当に大切な書物になるという確信を抱く。
 限りある人生、やはりつきあう相手は選んだほうがよい。

ロボット、ロボット。

Not Quite HAL 9000, But It Vacuums
 僕は教師なのでこういう話を聞いていてもすぐ自分の仕事のことに結び付けて考える。
 いよいよこういう時代が来たのだ。いま仕事をしている人たちの首はたぶん大丈夫だろうが、これから(言語)教師を目指そうという人は覚悟しておいたほうがいいかもしれない。ロボットとポストを争わなければならない時代はもうすぐそこまで来ている。

2008年8月12日火曜日

ЙОВКОВ, ЙОРДАН

"The White Swallow", "Albena", "Ivan Belin's Sin"を読んだ。"Ivan Belin's Sin"の冒頭、主人公が母狼に注ぐ眼差しの描写がよい。

夏目漱石「一夜」

 蛇足としか呼べぬ最後の坊主の説教めいた部分を除けば、珠玉の一品。

2008年8月11日月曜日

EUの将来像

 Jürgen Habermasは健在である。政治家たちに彼を理解する能力があるか否か。A SEARCH FOR EUROPE'S FUTURE

今日のLiaison情報

アイハウス夏祭り"The賑(にぎわい)"

芥川龍之介「戯作三昧」

 すばらしい作品である。私には想像もできないが、物書きというのはどうやらものすごい世界に生きているらしい。

ドライヴァー心理

Slow-Moving Vehicle
 Mary Roachも言うとおり、すべてのドライヴァーがこの本を読むべきである。少なくともこの記事だけは読んでもらいたい。

???

CNNから"Israel launches missiles at southern Iran"というAlertが送信されてきて既に24時間経過したのだが、他のメディアはまったくカヴァーしていないようだ。一体どうなってるんだ?

メジャーとマイナー

総理大臣のオーラとは何か?
 私は基本的にはウェブ上にあるものの99.9%はゴミに過ぎぬと思っているが、大手商業メディアが腰が引けて書けないことを鋭い(かつ成熟した)切り口でさらっと書く山崎元のこういう文章を読むと、やはりalternative mediaの存在意義を再認識する。

ブラックホール?


Black Hole Candidate Cygnus X-1 (Click the picture to enlarge. Credit: ESA, Hubble)

今日のLiaison情報

お盆も休みません。

2008年8月9日土曜日

今日のLiaison情報

神戸で『おいしいコーヒーの真実』上映

森鷗外「そめちがへ」

 すばらしい。。。音読をお勧めする。

любовни дръжки

 「愛のハンドル」。「愛の掴み」。ウエストのところの脂肪を指す。ブルガリア独特のユーモアを表す表現として面白がって捉えていた。「ああ、深く愛している相手でもなければとてもじゃないが掴む気になれない部分という意味だね。」と冗談を言いながら。
 ところがきょう英語にもlove handleという表現があり、同じ箇所を指すことを知った。любовни дръжкиという表現を知らないブルガリア人が多いことを合わせて考えると、どうやら英語からの翻訳語らしい。
 それから、handleという単語から、この表現に対するもう一つの解釈に思い至った。愛する人と向かい合って軽く抱擁する時、軽く手を当てる箇所がこの箇所だということに気づいたからだ。まさに「愛のハンドル」というわけだ。
 だからなに?と言われても困るのだが。

2008年8月8日金曜日

Елин Рахнев

"Offside: A Monologue for Two"を読んだ。この人の将来性は特筆に価する。

Paulo Coelho

 大した男だ。Up close and personal
 こちらもどうぞ。自ら著作の「海賊版」を公開している。Pirate Coelho, Coelho Box(現在英語訳は5ページあたりにある。)
 ブルガリア語訳やロシア語訳はこちらNoel’s Weblog。 Coelhoが自身のBlogPirate Coelhoで紹介している。

戦争とサーカス

 コーカサスでまた「戦争」が始まった。厚く垂れ込めたスモッグの下「鳥の巣」の中で莫大な無駄遣いの曲芸を見ながらへらへら笑っている指導者(たち)の正気を疑う。

京都教育大学職員サッカー部

部員及びサポーターの方はふるってご参加を。
ーーーーーーーーー
2008年第3回紅白戦
日時:9月6日(土)8時~12時
場所:桃山場グラウンド
ゲーム:試合形式90分1本 + 延長戦(自主参加)

Димова, Теодора

なかなかよい作品である。Неда и кучетата
英訳はこちら。Neda and the dogs

2008年8月7日木曜日

夏目漱石「マードック先生の『日本歴史』」

 漱石が研究でなく創作の道を選んだのは彼自身のためにもよいことだったようだ。

トラキアの四輪馬車発見その2

 復元展示が待ち遠しいと昨日書いたが、今日来たAPの記事Bulgarian archaeologists discover ancient chariotを読むと、この発見に際して政府が支出を決定した補助額が $3,900だという。
 幸いAPの記事には発掘直後の写真もある。早く復元展示を見せてほしいとは言わないので、専門家の方々には最善の保存をお願いしたい。

森鷗外「サフラン」

 「宇宙の間で、これまでサフランはサフランの生存をしていた。私は私の生存をしていた。これからも、サフランはサフランの生存をして行くであろう。私は私の生存をして行くであろう。」

きょうの呆れたニュース

 山崎元が今日も鋭い分析をしている。

毒入り餃子事件の情報を隠蔽した日本政府

 日本は本当にどうかし始めている。

2008年8月6日水曜日

今夜のMezzo

 Gil ShahamClaudio AbbadoBerliner Philharmonikerでブラームスの協奏曲。

 今や世界最高のヴァイオリニストの一人になりつつあるShahamの魅力が最高に発揮された名演だった。驚異的な技術をベースに名器ストラディヴァリウスを存分に劇的に歌わせる。私はこのタイプの音楽家が好きだ。まだ30代のはずだ。これからが本当に楽しみである。

  彼はベルリン・フィルともアバドともとても相性がいいようだ。相性というよりも、世界最高の者たちの間だけで分かり合える何かがあるのだろう。三者が相互を高めあい、極めて充実した競演を聴かせた。楽団員たちの表情が演奏中もその後も終始生き生きとしていたのも印象的だった。

 こういう稀有な名演を聴くと、僕は大げさでなく本当に生きる喜びのようなものを感じるのだ。

トラキア時代の四輪戦車の発見

完全な形で発見されたのブルガリアでは初という。復元展示が待ち遠しい。Bulgaria Archeologists Unearth 1900-Year-Old Thracian Chariot

日本の食糧自給率の下げ止まり

Reliance on imported food dips modestly
 といっても自己努力によるものではないことは農水省自身の説明からも明白である。
 世界的に農業の重要性はますます高まりつつある。補助金漬け政策を転換し、構造的改革に踏み出さない限り、日本の農業に未来はない。

呆れたニュースその2

 New public transport fare system to be launched in September
 なんで内務省職員にだけフリーパスが出るの?

呆れたニュース

Ancient sanken ship near Varna savaged by fishing boats
 関係するパーティの中のたった一つでもやるべきことをやっていたら防げたはずの不祥事。お粗末としか言いようがない。

2008年8月5日火曜日

Compassion論

How an Emotion Became a Virtue
 簡潔にして平明、そして論理的。素人にも分かりやすく解説する能力の高さを証明する文章。研究論文ではないため、必ずあるはずの内的矛盾や留保などをすっ飛ばしており、その点では物足りないが、一般向けだから当然だろう。これまで知らなかったがClifford Orwinという人は優秀な学者だと思う。

Daniel Barenboim

 最近Mezzoで聴くことが多い。今もベートーヴェンのソナタを演奏していた。
 僕がクラシックを聴き始めた30年以上前の頃は颯爽としたお兄ちゃんという感じだったが、年齢と共に深みを増し、今や押しも押されぬ巨匠である。先ほどのベートーヴェンにしても、これだけの精神性を湛えた演奏ができるのはいま彼だけではないだろうか。
 いま彼は最後の輝きを放ちながら、激動の人生の締めくくりの段階に入ろうとしているかのようだ。

豊作

 今年のブルガリアは小麦も大麦も豊作である。ともにここ16年で最高だという。少なくとも近隣諸国も同様の豊作だろう。市場価格に連動して良心的にこまめに値段を変える近所のコンビニのパンがここのところこの1年で最低の価格になっているのもそのせいだろう。16%台というひどいインフレに苦しむブルガリアにおいて、日常生活で最も大切な食品であるパンの価格が下がるというのは稀な喜ばしいニュースである。もちろん私もとても嬉しい。
 
Bulgaria with Record Production of Wheat and Barley in 16 Years

2008年8月4日月曜日

「猫の目」星雲

(Click the pic. to enlarge)
X-Rays from the Cat's Eye Nebula
Credit: X-ray: NASA/CXC/SAO; Optical: NASA/STScI

Камен Донев

"THE RUNAWAY PLANE"を読んだ。
 決して分かりやすくはないが、いかにも現代演劇らしい仕掛けに満ちた作品。

面白うて、やがて哀しきмутри譚

Láki Námberz

「日本」の変容

More children born with a foreign parent

 子供たちの基本的人権の問題は言うまでもないが、社会・文化・経済などの面における多様な豊かさを産み出すための始まりの始まりとして、政府はともかく社会がこの現象を積極的に生かそうという姿勢を取ることができるかどうか。
 お手並み拝見。

2008年8月3日日曜日

Rachel Corrie's diaries

 この人はただものではない。。。最後までただものではなかった。
 
'I will dance and play basketball and I'll have real stories to tell. I won't just be a sack of words ...'

Христо Бойчев, "Полковникът-птица"

 英訳("The Colonel Bird")で読んだ。
 「面白うて、やがて哀しき・・・」バルカンのユーモア。
ユーモアに共通するものが感じ取れるЕмир Кустурицаと違い、Бойчевが哲学や文学を――広く浅く、であれ――勉強している――特にこの作品では「言語ゲーム」理論が素朴な形で適用されている――人だということがよく分かる作品。それも西ヨーロッパの演劇人たちから一定の評価を受けている一因なのだろう。
 このレヴェルをもっと読みたい。

夏目漱石「それから」

 読了。結局、最終的に代助はどうなるのか。
 漱石は「予告」において書いている。色々な意味に於て「それから」である。「三四郎」には大学生の事を描たが、此小説にはそれから先の事を書いたから「それから」である。「三四郎」の主人公はあの通り単純であるが、此主人公はそれから後の男であるから此点に於ても、「それから」である。
此主人公は最後に、妙な運命に陥る。それからさき何うなるかは書いてない。此意味に於ても亦「それから」である。」
 若々しい三四郎が近代日本の希望だとすれば、その矛盾と挫折とを体現しているのが代助だという解釈もできるのだろうか。
 しかし、それにしても、漱石の作品に出てくる男たちの多くは、女たちに比べ、ひどく魅力がない。それだけ明治日本のヨーロッパとの葛藤と矛盾が深刻だったのだと言われても、魅力がないという事実は変わらない。
 若い頃に比べ、自分の好みが漱石から鷗外へと大きく傾いてきていることを改めて想う。

外国人看護師・介護士受け入れ開始

 いよいよ始まる。朝日・読売両紙が取り上げている。外国人労働者問題を需給関係に基づいて捉える思考法が早晩破綻することは世界の事例を見れば明らかだ。受け入れるからには可能な限り家族単位での在留を認めるなど、個々の労働者の幸福の追求を基本に据えた政策が必要だ。「しあわせ」とか「人類愛」などというおめでたい概念を振り回したいわけではない。功利主義的に見ても国家や経済界はその福祉原則を基本に置いたほうが長期的には「得」をするということを言いたいだけである。

ケアの開国職場の魅力が問われる

外国人看護師 大切な人材として育てたい

2008年8月2日土曜日

きょうのLiaison情報

メンバーズカード

ガルシア・マルケス『族長の秋』

 読了。彼ならではの想像力と考え抜かれた構成とがあいまった見事な作品だと思う。
 独白者が絶え間なく、断りなしに変転し続けるこの文体は日本語(最初から彼はこの言語で書くべきだった)ならともかく英語などに翻訳する時にはどうするんだろうと苦笑もしながら読んだ。
 奇妙な夢に悩まされる夜たちも終わる。それが少し寂しい。

Suicide Solution

 バブル崩壊後の日本でもそうだったし、それは現在も続いている。悪くなりこそすれ改善はしていない。同じような状況がアメリカ合州国でも進んでいる。「バカな」日米の消費者だけの問題ではない。どこでも誰にでも起こりうることだ。うちだけは、とか、私だけは、などと思わないほうがいい。Suicide Solution

READING THE OED, One Man, One Year, 21,730 Pages.

世界には面白い人がたくさんいるものである。とてもかなわない。
 READING THE OED, One Man, One Year, 21,730 Pages.

三つ目のトイレ

Thai school offers transsexual toilet

 このニュースにより、この学校が、ひいてはタイの教育や社会が、世界が見習うべきものを十全にもつことが証明された。

 自己愛を持ちたいのなら、自らを愛する価値のあるものにするための努力をすることだ。

2008年8月1日金曜日

Susan George in Japan

Japanese welcome
 ことあるごとに国益国益とほざく「愛国者たち」ほどその無知ゆえに「国益」を損ねているという、よくある話の一つ。
 日本に関する文章はとかくまじめなものが多くて、時に退屈してしまうのだが、これは笑わせてくれた。彼女はまじめに怒っているのだろうが、しかし笑ってしまった。私は愛国者ではないので、それはもちろん苦笑ではなく、
Garcia Marquezを読む時のと同じ、心の底からの哄笑であったことを念のために付記しておく。

言語教育の目的

 Gloria Origgiがシンプルだがいいことを言っている。楽観的な見方に過ぎるという批判は可能だが、少なくとも言語教育に携わる者はこれぐらいの思想は小脇に抱えて日々の仕事をしたいものである。Take the talking cure

ブルガリアの若者の意識

Around 13 % of the young Bulgarians (under 30) think that their best option for successful career is to work abroad for a short period of time.
 この記事では他に、現在外国で学習・就労している30歳以下のブルガリア人のうち将来の帰国を計画している者の割合が1%に過ぎず、逆に永久に或いは長期でブルガリアを出国したいと考えている者はその9倍いるというデータが紹介されている。
 こういう数字は情勢次第でこれからもコロコロ変わるだろう。しかし、現在のブルガリアが依然として決して楽観できない状況にあることだけは間違いない。

芸術

 勉強に疲れ、寝る前の歯磨きの間だけと思いMezzoをつけた。
 ラトル、ベルリン・フィル、バレンボイムがブラームスの協奏曲2番をやっていた。耳に飛び込んできた最初の一音だけで眠気は吹っ飛んでしまい、結局最後まで聴き入る結果となった。
 すべての領域において、至高のものというものがある。もう僕はそういうものしか受け付けない人間になってしまった。