2018年8月17日金曜日

「歌麿をめぐる五人の女」溝口健二(1946)

綿密な時代考証と徹底したリアリズム、随所に光るカメラワーク。溝口らしさのよく出た作品。役者に関しては、小津にとっての原(それから笠)と同様、溝口にとっても田中絹代(この作品でも息をのむ名演を見せる)のような傑出した存在が一人いれば十分なのであって、残りはすべて監督の映画芸術の中に呑み込まれてしまう。程度の差こそあれ、一流の監督というものにはそういう面がある。

「歌麿をめぐる五人の女」

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