2007年11月1日木曜日

Alan Johnston

 HARDtalkのスタジオに戻ってきた。
 いつもはゲストに対して情け容赦のない質問をこれでもかこれでもかと浴びせる冷酷非情で鳴るStephen Sackurが、今回はまったく様子が違い、心の底から尊敬している相手と対しているという様子がありありとこちらに伝わってきて、それがまず面白かった。いつも通りのSackur節を出そうと努力しているのだが、如何せん相手はJohnston、質問も声も話しぶりもいつものあの鋭さが明らかに見られない。彼と再会できた喜びが、その無理のある渋面から垣間見える。
 そして、Johnstonのこれまでの取材に接してきたすべての人々の思いも同様であっただろう。私も例外ではなかった。いつもはこの番組はPCで仕事をしながら傍らのテレヴィからほとんど音声だけを聴いているのだが、今日だけは最初から最後まで見入り、聴き入った。
 誠実・率直・正直・自己抑制・気配り・批判精神・内省力、などの概念が具現化したような彼のいつもの姿がそこにあった。
 通常はいかなる時にも批判精神を失わぬよう努めている私だが、ちょっとこのインタヴューだけは数少ない例外になってしまった。
 4ヶ月もの間、生死の瀬戸際に立たされ続けるという尋常ではない日々を経験したAlan Johnstonは明らかに一際精彩を放つ存在となった。もはや、世界最高のジャーナリスト、という程度の男ではない。
 疑う方はいずれ下記にアップされるであろう収録をご覧になるがよい。
http://news.bbc.co.uk/1/programmes/hardtalk/
 彼は次に何をするのだろう。これからの仕事が本当に楽しみである。

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