2007年11月29日木曜日

『リアリズムの宿』

 つげ義春の原作とは似ても似つかぬ世界だが、それなりに面白かった。タイトルは同じだが、全く異なる世界と思ったほうがよい。
 「ああ、日本ってこんなだったよなあ。」と観ながら何度も感じている自分を発見して、そのたびに少し狼狽した。日本を出てまだ4ヶ月にしかならぬのに、すでに日本は遠いものになっている。
 表層でのみにぎやかで、やかましくて、コミカルで、しかし実は深く静かに腐食の進む日本。
 主演の3人がよい。特にこの頃(2003)の尾野真千子の不思議な存在感は特筆に価する。

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