奇妙な夢を見て目覚めた。記録しておく。
ところは中南米かアフリカ大陸。殖民者と思しき船員風のやくざ者二人。傲岸不遜な振る舞いはいずれ先住民たちの怒りを買うだろうという(どこからかは明瞭ではない)忠告に対し、「俺たちは白人だ。俺たちには銃がある。何人来ようが平気だ。」と嘯く。
そして、軋轢は頂点に達し、戦いが始まる。殖民者は銃を乱射し、先住民は将棋倒しに斃されててゆきながらも、数的優位を活かし徐々に侵略者たちを追い詰めていく・・・
・・・と、ここまではありきたりの安っぽい殖民地解放・独立戦争物語風。
夢はここからこれまで余り経験したことのない種類の展開を見せる。
この手の「物語」風の夢を見る時、私はほとんどの場合超越的な立場に立ってその物語を見下ろす立場から見るか、ここはこう描写しよう、と作家の立場からその物語を物語る構造になっている。
しかしさっきの夢では、私がある時は殖民者、ある時は先住民、と主体を交換しながら夢に参加していた。ある瞬間はテレビゲームよろしく先住民をなぎ倒しているのだが、次の瞬間には極めて弱い武器(何か紙のような武器とは呼べぬほどの代物だが、相手に触れると若干のダメージは与える)を用い、ジャングルという地の利を活かしながら二人の殖民者を「狩って」いる。そして最後の戦い。それは激しいものだった。私はきっと寝言と歯軋りと寝返りでベッド上でも暴れ回っていたのではなかろうか。その最後の戦いにおいても瞬間、瞬間において私は主体を交換していた。最後に、突然腹部に何らかのダメージを受けながらも、反撃して相手を斃し、しかし激痛(最初の腹部のダメージのものか、その後反撃されて斃された側の痛みなのかは判然としない)の余り私はそのまま意識を失う・・・
そして、2週間後に意識を回復した時には、野戦病院の粗末なベッドの上。どうやら戦いは終わり、深手を負いながらも生き残ったらしい私は半身の姿勢で「夢」を振り返っている・・・
・・・と、ここで(恐らく)本当に目が覚めた。
瞬時に主体を交換しながら夢を「生きて」いたこと。「夢中夢」的な入れ子構造の夢であったこと。これらの、それぞれ稀にしか経験したことがない二つのタイプの夢の共起が今回は興味深かった。
・・・だからといって、別にどうということはないんだけどね・・・
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