朝日新聞社説「希望社会への提言(20)―「単一民族神話」を乗り越える」を読んだ。
振り返ってみれば私の知る限りでも約30年前から同じことが言われ続けている。当時と異なるのは、労働力受け入れの問題がもはやイデオロギーや倫理の問題ではなくなりつつあるということだろう。
企業は労働力を必要とし、国家は納税者を必要としている。功利主義的に考えてみても、もはや選択肢はそれしか残されていない。
もっとも、単に金の問題で済むのなら話は簡単だ。魅力的な労働マーケットを形成すればよい。先日のように外国人労働者が大規模デモをしなくて済むような条件を整備すればよいだけの話だ。
困難なのは、差別・格差・暴力など、ヨーロッパが依然として苦しんでいる諸問題を最小限に抑えるための思想の形成である。そしてその真に有効なものを人類はまだ手にしていない。
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