2008年3月6日木曜日

Coen Brothers, NO COUNTRY FOR OLD MEN

 きのう脚本も読み終えた。
 正直に言う。映画にもあまり興奮しなかった。英語力が不十分なためかと考えて脚本も読んだわけだが、評価はあまり改善しなかった。
 もちろん、そこらへんのアホリウッド映画とは比較にならぬ面白さを持つ映画であることは認める。ようやく世界とコーエン兄弟が和解したかという一種の感慨もある。
 長い間、一番好きな映画は?というあの陳腐な質問に対していつも用意していた答えは「Barton Fink。」であった。コーエン兄弟を知っている人と知らない人、知っている人の中でもBarton Finkが好きな人とそうでない人、そのような基準で人を評価していた時代さえあるぐらいだ。
 では、なぜ私が彼らの映画からほとんど触発されることがなくなったのか。
 これと相前後して観たATONEMENTにはとても感動した。それをきっかけに原作も読み始め、これからIan McEwanをすべて読みたいとさえ思うようになっている。
 そのことを考え合わせると、これは私自身の内面が大きく変わりつつあるということではないかと思う。
 50の声を聞いて、ようやく私は「大人」になりつつあるのである。もちろん、10年後まだ生きていれば、あの頃はまだ子どもだったと言っているであろうことは間違いないが。

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